高血糖フレアとは?血糖値が急に上がる原因と対処法
概要
高血糖フレアとは、血糖値(血液中の糖の量)が普段より高くなったり、急に高い状態が続くことをいいます。体の中では、インスリン(血糖値を下げるホルモン)がうまく働かなくなったり、不足したりすることで起こります。糖尿病や糖尿病予備群の方に多い現象ですが、健康な人でも一時的に起こることがあります。
重要な事実
- 血糖値は食べ物だけでなく、ストレスや体調、睡眠不足でも上がります。
- 高血糖フレアは、原因を見つけて生活や治療を見直せば、多くの場合改善できます。
- のどの渇き、疲れ、尿が増えるなどのサインに早めに気づくことが大切です。
とてもよくある現象です。糖尿病の治療中でも、風邪やストレス、食べ過ぎ、薬の飲み忘れなどがきっかけで、血糖値が急に上がることがあります。
血糖値を調整するホルモンの働きが弱っている人に起こりやすいです。具体的には、糖尿病の方、糖尿病予備群の方、肥満や運動不足の方、妊娠糖尿病を経験した方などが当てはまりやすいと考えられています。
症状
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応がにぶい
- 呼吸が速く深くなる
- 吐き気や嘔吐が続く
- 口から甘酸っぱい果実のようなにおいがする
- 激しい腹痛がある
- このような症状がある場合は、迷わずすぐに119番に電話してください。
- ⚠非常に高い血糖値が続く(自宅で血糖を測定している場合)
- ⚠水を飲んでも渇きが治まらない
- ⚠何度もトイレに行き、体重が急に減った
- ⚠高血糖に加えて発熱やせきなど感染症の症状がある
- ⚠このような場合は、当日中にかかりつけ医へ連絡して指示を受けてください。
一般的な症状
- のどが異常に渇く
- 尿の量や回数が増える
- 体がだるく、疲れやすい
- 頭痛やめまいがする
- 視界がぼんやりする
- 肌や口の中が乾燥する
子供の症状
- おねしょが急に増える
- 甘いものをやたらと欲しがる
- 朝起きられないほどだるそうにする
- 怒りっぽくなったり、集中力が落ちたりする
高齢者の症状
- のどの渇きを感じにくく、水分不足に気づきにくい
- 脱力感や意欲の低下があらわれる
- 立ちくらみや転倒が増える
- 認知症に似た混乱やぼんやりが見られることがある
原因
主な原因
- 糖尿病の薬や血糖を下げる注射薬を飲み忘れる、または自己判断でやめる
- 食事の量が多すぎたり、糖質(炭水化物)をとりすぎたりする
- 風邪、インフルエンザ、膀胱炎などの感染症
- 強いストレスや睡眠不足
- 運動が極端に少ない日が続く
- ステロイド薬など血糖値を上げる働きのある薬を使う
リスク要因
- 糖尿病または糖尿病予備群
- 肥満(特に内臓脂肪の多い体型)
- 家族に糖尿病の人がいる
- 高血圧や脂質異常症を指摘されている
- 妊娠中に血糖値が高くなったことがある
- 不規則な食事、運動不足、喫煙などの生活習慣
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 吐き気や嘔吐があり、水分がほとんどとれない
- 意識がおかしい、または強い眠気から覚めにくい
- 呼吸が変わってきた(深く速い)
- 極端な高血糖が続き、体調が悪化している
定期受診を予約すべき場合:
- 高血糖の状態が数日続いている
- 薬の飲み忘れに気づいたが、どう対応すればよいか分からない
- のどの渇きや尿の多さなど気になる症状が続く
- 健康診断で血糖値やHbA1c(グリコヘモグロビン)の数値を指摘された
診断
医師は、まず症状や生活習慣、飲んでいる薬について詳しく聞きます。その後、血液検査と尿検査を行い、血糖値の状態を確認します。糖尿病の治療中であれば、ご自身で測定した血糖値の記録も大切な資料になります。
行われる可能性のある検査
- 空腹時の血糖値検査
- 食後の血糖値検査
- HbA1c(1〜2か月の平均的な血糖値を示す検査)
- 尿検査(尿糖やケトン体の有無を見る)
診察で予想されること
血液と尿をとるだけなので、特別な準備はほとんど必要ありません。結果は数日以内にわかります。治療中の場合、健康診断と違い、糖尿病に詳しい医師が数値を見ながら、薬や生活のアドバイスをしてくれます。
治療
治療の目的は、血糖値を安全な範囲に近づけて、その状態を長く保つことです。まず、高血糖フレアを引き起こした原因を探します。原因に合わせて、食事、運動、薬の使い方を見直していきます。
自宅でのセルフケア
- のどが渇いていなくても、水やお茶など糖分のない飲み物で水分をこまめにとる
- 食事は野菜やたんぱく質から食べ始める。糖質の多い食品は一度に食べすぎない
- 体調がよいときは、食後に軽い散歩をする
- 血糖値測定器を使っている方は、指示された時間に測って記録する
- アルコールは控えめにし、大量飲酒や空腹時の飲酒は避ける
医療治療
医師からは、食事療法と運動療法の具体的なアドバイスに加えて、血糖値を下げる飲み薬や注射薬が必要かどうかが検討されます。体への負担や生活リズムに合わせて、医師が治療を組み立てます。必ず医師の指示に従い、ご自身の判断で薬を中止・変更しないことが大切です。
手術が検討される場合
高血糖フレアそのものに対して手術が行われることは通常ありません。ただし、血糖値を上げる原因となっている内分泌系の病気(ホルモンの異常など)が検査で見つかった場合に、その病気の治療として手術を検討することがあります。
この病気と共に生きる
高血糖フレアは、疲れやストレス、季節の変わり目などでも起こることがあります。毎日の血糖値と体調、食事の内容をメモしておくと、悪くなりかけたときに気づきやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 食事の時間をできるだけ一定にする
- 寝る時間と起きる時間を整え、睡眠時間を確保する
- 趣味や軽い運動でストレスを発散する
- 喫煙している場合は、禁煙サポートを利用する
- かかりつけ医や薬剤師に、いつでも相談できる関係をつくっておく
食事と運動
食事は、野菜、きのこ、海藻、豆腐、魚、肉などのたんぱく質を先に食べ、ごはんやパンなどの糖質は適量にして、ゆっくり噛んで食べるのが基本です。運動は、食後の散歩など軽めの有酸素運動がおすすめです。ただし、体調が悪いときや非常に血糖値が高いときは、運動しないほうがよい場合もあります。医師に確認してから始めましょう。
精神的健康と心の健康
血糖値の数字が気になり、食事のたびに不安を感じることもあるかもしれません。また、だるさや気分の落ち込みが続くと、治療を続けることが難しく感じることもあります。それは決してあなたのせいではありません。「しんどい」と感じたら、医師や家族、周りの人に言葉にして伝えてください。
予防
高血糖フレアをゼロにすることは難しくても、リスクをぐっと減らすことはできます。規則正しい食生活、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理、そして薬は指示どおりに使うことが大きな予防になります。
ワクチン
風邪やインフルエンザなどの感染症は血糖値を上げやすいため、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどについて、かかりつけ医と相談して受けることをおすすめします。
検診プログラム
健康診断での血糖値検査は、糖尿病やその前段階を見つける大切な機会です。厚生労働省の指針でも、年に1回の定期的な健診がすすめられています。すでに糖尿病で治療中の方も、診察のたびにHbA1cや体重などの変化を確認すると安心です。
合併症
治療しない場合
- 糖尿病性ケトアシドーシス(体が糖をエネルギーとして使えず、血液が酸性に傾く危険な状態)
- 傷の治りが遅くなり、感染症を起こしやすくなる
- 目、腎臓、神経、血管などに長期的なダメージが及ぶ
- 脱水が進み、意識を失うなど深刻な状態になることがある
長期的な見通し
高血糖フレアは、原因をひとつずつ見直して対策すれば、多くの場合しっかり改善できます。数値が落ち着くまでに時間がかかることもありますが、あせらず、かかりつけ医と二人三脚で取り組んでいきましょう。正しく対処すれば、あなたの生活は十分楽しく穏やかに続けられます。
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最終更新: 2026年8月19日
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