高血糖のセルフケアの基本
概要
高血糖(こうけっとう)とは、血液の中の糖(ブドウ糖)が多すぎる状態のことです。食べ物に含まれる炭水化物は体の中で糖に変わり、エネルギーとして使われます。その糖を細胞に取り込む働きをするのが「インスリン」というホルモンです。インスリンの働きが弱かったり、十分に分泌されなかったりすると、血液中に糖があふれてしまいます。自分でできるケアを続けることで、血糖値を安定させ、体調を整えることができます。
重要な事実
- 高血糖は、血液中に糖が多すぎる状態です。
- 多くの場合、生活習慣の見直しで改善が期待できます。
- 治療中でも自己管理がとても大切です。
- 放置すると心臓や腎臓などに負担がかかることがあります。
- 早めに気づき、医療機関で相談しましょう。
はい、日本では血糖値が高めの人はとても多く、40歳以上の3人に1人程度が「糖尿病」またはその予備群と推定されています。年齢とともに増える傾向があります。
誰でも発症する可能性がありますが、特に運動不足の方、食べすぎや甘い飲み物をよくとる方、家族に糖尿病の人がいる方、妊婦さん、高齢者に多く見られます。
症状
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 呼吸が苦しい、深く速い呼吸になる
- 吐き気や嘔吐が続く
- 血糖値が極端に高い(機器表示で測定不能または指示された危険値)
- けいれんが起きる
- ⚠高血糖の症状(強い喉の渇き、頻尿、だるさ)が続く
- ⚠発熱や感染症を伴う
- ⚠下痢や嘔吐で水分がとれない
- ⚠血糖値が高めで、指示された範囲を超えている
- ⚠新しい症状(視力の変化、胸の痛み)が出た
一般的な症状
- のどが異常に渇く
- トイレの回数が増える(特に夜中)
- 疲れやすい、だるい
- 体重が減る(理由なく)
- 目がかすむ
- 傷の治りが遅い
子供の症状
- 夜尿(おねしょ)が続く
- 体重が減るのに食欲がある
- 落ち着きがない、イライラする
- 急に視力が落ちたように見える
高齢者の症状
- めまいやふらつき
- 判断力がにぶる、ぼんやりする
- 口の中がねばつく
- 足がむくむ、しびれる
- トイレの回数が増えて脱水になりやすい
原因
主な原因
- インスリンの分泌が不足する
- インスリンの働きが悪くなる(インスリン抵抗性)
- 食べすぎ、特に糖質の多い食事
- 運動不足
- ストレスや睡眠不足
- 感染症やけがなどの身体的負担
- 特定の薬やホルモンの影響
リスク要因
- 肥満(特におなか周りに脂肪が多い)
- 家族に糖尿病や高血糖の人がいる
- 高血圧や脂質異常症がある
- 妊娠中に血糖値が高くなったことがある
- 運動習慣がない
- 喫煙や過度の飲酒
- 年齢(40歳以上で増える)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどが渇く、トイレが多いなどの症状が数日続く
- 血糖値を測れる方は、測定値が高めで続く
- 感染症やケガのあとに調子が悪い
- 妊娠中で血糖値の不安がある
定期受診を予約すべき場合:
- 年に1回の健康診断で血糖値をチェックする
- 糖尿病の家族がいる方は定期検査を
- 体重増加や運動不足を自覚しているとき
- 高血圧・脂質異常症などで通院中の方
診断
高血糖は、血液検査で血液中の糖の量を調べることで診断されます。また、過去1~2か月の平均的な血糖を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値も重要です。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖値(朝ごはんを食べる前の血糖)
- 随時血糖値(時間に関係なく測る血糖)
- HbA1c(過去の平均血糖)
- ブドウ糖負荷試験(糖の入った飲み物を飲んで血糖の変化を見る検査)
診察で予想されること
診察室では、飲み薬の種類や食事の内容、運動の習慣について聞かれます。「血糖値が高めです」といわれても、すぐに大げさに治療が始まるとは限りません。まずは再検査や生活習慣のアドバイスが中心です。検査を受けるときは、食事や服用中の薬について医師に伝えましょう。
治療
高血糖の治療の基本は、食事・運動・薬の3つです。軽度の場合や予備群であれば、生活習慣の改善だけで血糖値が下がることもあります。進行している場合は、医師の指導のもとでお薬やインスリンを使用しながら、自分に合ったやり方で管理していきます。
自宅でのセルフケア
- 食事の量と内容に気をつける(野菜を先に食べ、糖質をとりすぎない)
- 1日30分程度の運動を目標にする(早歩き、体操、ストレッチなど)
- 体重が多ければ、少しずつ減らす
- 水分をしっかりとる(ただし糖分の入った飲み物は控える)
- 血糖測定を指示された方は、記録して医師に見せる
- ストレスをためず、睡眠を十分にとる
- お薬がある方は、決められた時間に飲み忘れなく使う
医療治療
医師は、血糖値や体格、年齢などを考慮して治療方針を決めます。食事・運動療法の効果が十分でない場合は、血糖値を下げるお薬を使うことがあります。お薬には錠剤や注射などいくつか種類があり、それぞれ働き方が異なります。状態が進んだ場合は、インスリン注射を使用する可能性もありますが、必ず医師や専門医から使い方の説明を受けてください。また、高血圧や脂質異常症があれば、それらの治療並行して行います。
手術が検討される場合
高血糖そのものが手術の対象になることはほとんどありませんが、糖尿病や合併症(目の病気、腎臓病など)で治療が必要な場合があります。必ず主治医に相談してください。
この病気と共に生きる
高血糖と診断されても、普段の生活を大きく変える必要はありません。毎日の食事、動く時間、睡眠、ストレスの管理を少しずつ整えていくことが大切です。自分を追い詰めすぎず、ゆっくり継続することを心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 食事は野菜から食べ、よく噛んでゆっくり食べる
- 甘い飲み物を控え、水やお茶にする
- 食後に少し歩く
- テレビを見ながらストレッチをし、座りっぱなしを避ける
- 睡眠時間を確保し、夜更かししない
- タバコや過度のアルコールを見直す
食事と運動
食事は、主食・主菜・副菜をバランスよく、1日3食規則正しくとりましょう。野菜や海藻、きのこ類を多く食べ、糖質や脂質の多いものは控えめに。運動は、ウォーキングや水中歩行など、続けやすいものを1日20~30分行うのが基本です。運動が苦手な方は、1分間のスクワットや階段歩きから始めても良いでしょう。スポーツをする場合は、低血糖(血糖が下がりすぎること)に注意して、医師の指導に従ってください。
精神的健康と心の健康
血糖値が気になって不安になる、食事制限がつらい、治療のやる気が続かないなど、心の負担を感じる方は少なくありません。また、高血糖の方はうつ傾向になりやすいという報告もあります。つらい気持ちは無理に隠さず、家族や医師・看護師に話しましょう。
予防
2型糖尿病の多くは、生活習慣を整えることで予防または発症を遅らせることができます。特に、適正体重を保つこと、食事の質と量に気をつけること、定期的に体を動かすことが効果的です。すでに血糖値が高めの方でも、発症を防げる可能性があります。
検診プログラム
健康診断で血糖値やHbA1cをチェックしましょう。40歳以上の方は年に1回の受診をすすめます。妊娠中の方は産婦人科で血糖検査を行います。また、家族に糖尿病の人がいる方は、自覚症状がなくても定期的な血液検査をお勧めします。
合併症
治療しない場合
- 目の網膜の血管が傷つく(糖尿病網膜症)
- 腎臓の働きが低下する(糖尿病腎症)
- 神経の障害でしびれや感覚の低下が起こる
- 動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる
- 感染症にかかりやすく治りにくい
- 足の血流が悪くなり、壊疽(えそ)を起こすことがある
長期的な見通し
高血糖は、正しく管理すれば合併症を防ぎ、健康な生活を長く続けられます。医療機関で定期的にチェックし、生活習慣を整えることで、血糖値が改善する方もたくさんいます。我慢を強いられると思わず、自分の体を知るチャンスととらえて、医療者と一緒に無理のない目標を立ててください。希望を持って、一歩ずつ進みましょう。
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最終更新: 2026年8月19日
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