尿もれのための運動ガイド:骨盤底筋をきたえて、尿漏れを改善しよう
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿失禁(にょうしっきん)とは、自分の意思と関係なく尿が漏れてしまう状態です。尿漏れを改善するための運動として、骨盤底筋(こつばんていきん)トレーニングがあります。骨盤底筋とは、膀胱や子宮などおなかの下の臓器を支えている筋肉のことです。この筋肉をきたえると、尿を止める力が高まり、尿漏れの改善が期待できます。
重要な事実
- 尿失禁にはいくつかのタイプがあり、せきやくしゃみで漏れる場合と、急な尿意で我慢できず漏れる場合などがあります。
- 骨盤底筋トレーニングは自宅で無理なく続けられる方法で、効果を感じるまでに数か月かかることがあります。
- 尿失禁は恥ずかしいことではなく、多くの人が経験する身近な健康問題です。
はい、とてもよくある症状です。日本でも尿失禁を経験したことがある人は少なくありません。特に女性では妊娠や出産の影響で起こりやすいことが知られています。
尿失禁はすべての年代で起こりますが、妊娠・出産を経験した女性や、更年期以降の女性に特に多く見られます。男性にも、前立腺の手術後や神経の病気などによって起こることがあります。高齢になるにつれて、男女ともに増える傾向があります。
症状
- 突然、尿がまったく出なくなり、下腹部が張って強く痛む(すぐに119番に連絡してください)
- 尿漏れとともに、腰や背中、足に強い痛み、しびれ、力が入らない感じがある(救急車が必要です)
- 意識がぼんやりする、呼びかけに反応が弱い
- ⚠尿に血が混じっている
- ⚠排尿時におしっこがしみるような強い痛みがある
- ⚠発熱や腰背部の痛みをともなう
- ⚠尿漏れが急にひどくなった
- ⚠尿がまったく出ないわけではないが、出が悪く苦しい
一般的な症状
- せきやくしゃみ、笑ったとき、走ったときに尿が漏れる
- 急に強い尿意が来て、トイレに間に合わない
- トイレに行く回数が多くなる
- 夜中に何度もトイレで目が覚める
- 排尿したあとに、まだ尿が残っている感じがする
子供の症状
- 5歳を過ぎても夜のおねしょが続く
- 日中に尿漏れがあり、下着がぬれていることがある
- トイレに行くのを我慢したり、しゃがみ込んだりする
- おしっこをするときに痛がる
高齢者の症状
- トイレに行こうと立ち上がったときに漏れてしまう
- 歩くのが遅く、トイレに間に合わない
- 夜間のトイレの回数が多い
- 排尿の感覚に気づきにくくなり、知らないうちに漏れている
原因
主な原因
- 骨盤底筋や、尿を止める筋肉(括約筋)が弱くなる
- 妊娠・出産による骨盤底のゆるみ
- 閉経後の女性ホルモンの変化
- 前立腺肥大や前立腺の手術
- 神経の病気や背骨のけが
- 肥満、慢性的なせき、便秘によるおなかへの圧力
- 尿路感染症(膀胱炎など)
リスク要因
- 出産の経験
- 重いものを持ち上げる仕事や動作
- 喫煙(慢性的なせきの原因になる)
- 糖尿病などの慢性疾患
- 一部の薬の影響
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿に血が混じっている
- 排尿痛や発熱がある
- 急に尿が出なくなり、おなかが張って痛い
- 足のしびれや力が入らない感じをともなう尿漏れがある
定期受診を予約すべき場合:
- 尿漏れが繰り返しあり、気になっている
- 尿漏れのせいで運動や外出をためらうことがある
- トイレの回数が多く、日常生活に支障が出ている
- 骨盤底筋トレーニングを数か月続けても改善しない
- 子どもや高齢者で、おしっこのことで長く悩んでいる
診断
医師が症状について詳しく聞き、おなかや骨盤の状態を確認します。必要に応じて尿検査や超音波検査などを行い、原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の話を聞く)
- 排尿日記(いつ、どのくらい尿をしたかや漏れたかを記録する)
- 残尿測定(排尿後に膀胱に残っている尿の量を超音波で調べる)
- 尿流測定(尿を出す勢いや量を測る)
- 骨盤の診察(女性では内診が行われることもあります)
診察で予想されること
最初は問診が中心で、無理な検査は行われません。超音波検査など痛みのない検査が多く、必要があれば専門的な検査を紹介されることもあります。検査について不安なことは、遠慮せず医師に質問してください。
治療
治療は、生活習慣の見直しと骨盤底筋トレーニングなどの運動から始めるのが一般的です。運動だけでは十分に改善しない場合には、医師が薬物療法や専門的な治療を検討します。
自宅でのセルフケア
- 骨盤底筋トレーニング:おしっこの途中で止めようとするときに使う筋肉を意識し、ゆっくり5秒間しめて、5秒間かけてゆるめます。これを10回くり返し、1日数回を目安に続けます。
- 実際に尿を止めながら行うのは避け、空の膀胱やリラックスした状態で行ってください。
- 膀胱トレーニング:トイレの間隔を少しずつあけて、膀胱が尿をためられる量を増やしていきます。
- 便秘を予防し、水分は適切にとる。
- 体重が増えすぎている場合は、無理のない範囲で減量を目指す。
- カフェインが多い飲み物や、刺激の強い飲み物は控えめにする。
医療治療
医師による治療には、膀胱の働きを整える薬物療法や、骨盤底筋を補助する医療用具、尿漏れの程度に合わせた専門的なリハビリテーションなどがあります。具体的な薬の名前や用量は、医師が症状や原因に合わせて説明してくれます。自分で判断せず、必ず医師に相談してください。
手術が検討される場合
手術は、運動や薬などの治療を続けても症状が改善しない場合や、膀胱や子宮などが下がってくる骨盤臓器脱がある場合に検討されます。どのような手術や処置が合うかは、専門の医師が検査結果をもとに判断します。
この病気と共に生きる
尿漏れを完全に防ごうと頑張りすぎる必要はありません。日中はこまめにトイレに行き、必要なときは尿漏れ用のパッドや吸水ケア用品を使うことで、安心して外出できます。
生活習慣のアドバイス
- 骨盤底筋トレーニングを毎日の習慣にする
- おしっこを長時間我慢しない
- 水分をとりすぎないが、脱水にならない程度にしっかり飲む
- 喫煙をやめる
- 便秘をしないように、毎日無理なく体を動かす
食事と運動
バランスのよい食事と適度な運動で、適正な体重を維持することが大切です。膀胱に特定の良い食品はありませんが、便秘を避けるために野菜や海藻、きのこなど食物繊維を十分にとり、カフェインや炭酸飲料は控えめにするとよいと考えられています。運動は、ウォーキングや水中運動など、体に負担が少ないものを続けましょう。
精神的健康と心の健康
尿失禁は恥ずかしさや不安を感じることがあり、外出を控えたり人と会うのがつらくなったりすることもあります。それは自然な感情です。一人で抱え込まず、家族や医療者に話すだけでも気持ちが楽になります。
予防
すべての尿失禁を予防できるわけではありませんが、骨盤底筋を日ごろからきたえ、体重を適正に保ち、便秘や慢性的なせきを予防することで、尿失禁のリスクを下げられる可能性があります。
ワクチン
尿失禁を直接予防するワクチンはありません。ただし、インフルエンザなどの予防接種でせきを防ぐことは、せきによる腹圧の上昇を減らす間接的な助けになることもあります。予防接種については医師に相談してください。
検診プログラム
尿失禁に特化した一般的な検診はありませんが、健康診断の尿検査や問診をきっかけに、早めに相談することができます。気になる症状があれば、検診のときに伝えてみましょう。
合併症
治療しない場合
- 尿路感染症(膀胱炎など)を繰り返しやすくなることがある
- 尿が皮膚にふれたままだと、おしりの周りがただれたり炎症を起こしたりすることがある
- 夜間にトイレへ行く回数が増え、転倒のリスクが高まることがある
- 尿漏れを気にして外出や人との交流を避け、生活の質が低下することがある
長期的な見通し
尿失禁は「年のせいだから仕方がない」とあきらめる必要のない症状です。適切な運動や治療によって改善する人は多く、医療者に相談すれば、あなたに合った方法を一緒に探すことができます。まずは一歩を踏み出して相談してみてください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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