感染症による吐き気(おう吐)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ウイルスや細菌が体に入ることでおこる感染症が原因で、吐き気やおう吐、下痢などの症状があらわれることを指します。いわゆる「おなかの風邪」や「食中毒」もこの仲間です。
重要な事実
- 多くの場合、数日で自然によくなります。
- おう吐や下痢で失われた水分と塩分を補うことが大切です。
- 手洗いや食品の十分な加熱で予防できることがあります。
はい。多くの人が生涯に何度か経験する、ごくありふれた症状です。
子どもが最もかかりやすいですが、大人にもうつります。高齢者や持病のある人では重症化しやすいため、注意が必要です。
症状
- 意識を失う、または意識がもうろうとする
- けいれんがおこる
- おう吐物に血が混じる
- 激しい頭痛と吐き気がある
- お腹が腫れて激しい痛みがある
- ⚠おう吐が激しく、水分を一切とれない
- ⚠下痢やおう吐が2日以上続き、症状が悪化している
- ⚠水分がとれず、おしっこが8時間以上出ない
- ⚠39度以上の熱が続く
- ⚠腹痛が強くなり、我慢できない
一般的な症状
- 食欲がない
- 体のだるさ
子供の症状
- ぐったりして元気がない
- おう吐が続いて水分がとれない
- おしっこがいつもより少ない
- 泣いても涙が出ない
- 唇や口の中が乾く
高齢者の症状
- おう吐や下痢による脱水が進みやすい
- めまいや立ちくらみがある
- 意識がもうろうとする
- 皮膚の弾力がなくなる
- 呼吸が速くなる
原因
主な原因
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
- サルモネラ菌
- カンピロバクター
- 黄色ブドウ球菌(毒素による)
リスク要因
- 免疫力が低い(乳幼児、高齢者、妊娠中の人など)
- 集団生活の場(保育園、学校、高齢者施設など)
- 生ものや加熱不足の食品を食べる機会が多い
- 衛生環境が不十分な場所での調理
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おう吐や下痢が激しく、水分をとっても吐いてしまう
- 症状が2日以上続く
- おしっこが極端に少ない
- 血便や血の混じったおう吐がある
- 意識がもうろうとする、けいれんがある
定期受診を予約すべき場合:
- 吐き気はあるが水分はとれる
- 下痢やおう吐が1日程度でおさまった
- おなかの張りや違和感が続く
- 家族や周囲の人に同じ症状がいる
診断
医師が症状や食事の内容、周囲の状況、診察結果から判断します。原因の特定が必要なときは、便や血液の検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 便の検査(ウイルスや細菌の有無を調べる)
- 血液検査(脱水や炎症の程度を調べる)
- 腹部エコー(必要に応じて)
診察で予想されること
診察では、症状の始まった時期や回数、水や食べ物の摂取状況を聞かれます。検査結果が出るまで数時間から数日かかる場合がありますが、症状に合わせた治療はすぐに始められます。
治療
基本は、失われた水分と塩分を補い、胃腸を休めることです。ウイルス性の場合、特別な治療薬はなく自然に回復するのを待ちます。細菌性の場合でも、軽度なら抗菌薬を使わず経過を見ることがあります。重症のときは点滴などが行われます。
自宅でのセルフケア
- 少しずつ何度も水分をとる(冷たい水より、ぬるめのものや経口補水液がおすすめ)
- おかゆ、うどん、すりおろしりんごなど消化のよいものを少量ずつ食べる
- 脂っこいもの、乳製品、刺激物は控える
- 吐き気が強いときは、無理に食べずに休む
- お腹を冷やさないようにする
- タバコやアルコールは控える
医療治療
吐き気止めや整腸剤などが処方されることがあります。また、細菌感染が確認された場合には抗菌薬が使われることがあります。これらはいずれも医師の診断と処方が必要です。市販薬を利用する際は、薬剤師に相談しましょう。
手術が検討される場合
感染症そのもので手術が必要になることは通常ありません。ただし、虫垂炎や腸閉塞など外科的な病気が隠れている場合は、その病気に応じた治療が必要です。
この病気と共に生きる
症状が出ている間は、水分補給を最優先にしてください。仕事や学校は休み、家で安静に過ごしましょう。回復後も、手洗いを徹底するなどして周りの人にうつさない工夫が必要です。
生活習慣のアドバイス
- トイレの後や調理前には必ず手を洗う
- 患者のタオルや食器は別にする
- おう吐物や便を処理するときは使い捨て手袋とマスクを使う
- 十分な睡眠と栄養で免疫力を保つ
食事と運動
吐き気がおさまった後は、少しずつ水分や食事を再開します。最初はおかゆやスープなど消化のよいものにし、症状がなくなったら普通の食事に戻してかまいません。激しい運動は、体力が戻ってから始めましょう。
精神的健康と心の健康
吐き気やおう吐、下痢が続くと、不安になったり気分が落ち込んだりすることがあります。特にひとり暮らしの場合は、症状が長引くと孤独感を感じることもあります。そんなときは、遠慮なく医療機関や相談機関に連絡してください。
予防
感染症の多くは、手洗いや適切な食品の加熱などの予防策で、かかるリスクを大きく減らせます。特に、ノロウイルスやロタウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、石けんと流水での手洗いが基本です。
ワクチン
ロタウイルスとインフルエンザはワクチンで予防できる場合があります。ロタウイルスのワクチンは、日本の定期接種の対象になっている自治体もあります。予防接種の対象や時期については、お住まいの自治体や医療機関にお問い合わせください。
検診プログラム
特に定められた検診はありませんが、普段から手洗いや食品の衛生管理を徹底することが予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 重度の脱水
- 電解質(ナトリウムやカリウムなど)の異常
- 腎機能の低下
- まれに敗血症や髄膜炎などの重い合併症
長期的な見通し
ほとんどの場合、数日から1週間ほどで自然に回復します。特に乳幼児や高齢者でも、適切な水分補給と早めの医療機関の受診があれば、経過は良好です。心配な症状があれば、我慢せずに医師に相談しましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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