腎臓のセルフケアの基本
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎臓は、血液をきれいにし、余分な水分や老廃物を尿として体の外に出す大切な臓器です。腎臓のセルフケアとは、腎臓に負担をかけない生活習慣を心がけ、腎臓の働きを保つことをいいます。
重要な事実
- 健康な腎臓は、働きが6割ほどに低下するまで自覚症状が出にくいと言われています。
- 高血圧と糖尿病は腎臓に大きな負担をかける2大原因です。
- 適度な水分補給、バランスの良い食事、適度な運動が腎臓を守ります。
- たばこは血管を傷つけ、腎臓の血流を悪くします。
- 市販薬(特に痛み止め)を長期間・大量に使うと腎臓を傷めることがあります。
腎臓の病気は「沈黙の病気」と言われ、健康診断で見つかることが多いです。日本では成人の約8人に1人に慢性腎臓病が疑われるという調査結果があります(厚生労働省のデータより)。
年齢や性別を問わず起こり得ます。特に高齢者、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を持つ方、肥満の方、喫煙者の方に多く見られます。
症状
- すぐに119番:突然、尿がまったく出なくなった
- すぐに119番:強い息苦しさがある
- すぐに119番:意識がもうろうとしている
- すぐに119番:胸の痛みがある
- ⚠目に見える血尿がある
- ⚠朝起きると顔やまぶたが普段よりはれている
- ⚠足や脚が急にはれてきた
- ⚠吐き気やおう吐が続く
- ⚠血圧が普段より著しく高い
一般的な症状
- 顔やまぶた、足、脚のむくみ
- 疲れやすくなる
- 尿の変化(泡立ち・血が混じる・量が減る)
- 息切れや動悸
- 食欲がない、吐き気
子供の症状
- 成長の遅れ
- おねしょが長引く
- 顔や体のはれ
- 顔色が悪い
- 元気がない、疲れやすい
高齢者の症状
- 体がだるい
- 食欲の低下
- 足や体のむくみ
- ぼんやりする、判断力が落ちる
- 尿の回数や量の変化
原因
主な原因
- 糖尿病(血糖値が高い状態が続くと腎臓の血管を傷つけます)
- 高血圧(血圧が高いと腎臓に負担がかかります)
- 慢性糸球体腎炎(免疫の異常で腎臓に炎症が起こる疾患)
- 自己免疫疾患(免疫が自分の体を攻撃する疾患)
- 薬の影響(特に鎮痛薬などの市販薬を長期間使う場合)
- 遺伝性の腎臓病
リスク要因
- 家族に腎臓病の人がいる
- 過度の飲酒
- 運動不足
- 脱水を繰り返す
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- むくみが続く、疲れがなかなか取れない
- 尿の泡立ちが気になる
- 健康診断で尿検査・血液検査の異常を指摘された
- 血圧が高いままである
- これらに当てはまる場合は、早めに腎臓内科または泌尿器科を受診しましょう
定期受診を予約すべき場合:
- 年に1回は健康診断を受け、尿検査と血液検査を行う
- 糖尿病・高血圧などの生活習慣病がある人は、定期的に腎機能の検査を受ける
- 妊娠を考えている場合は、腎機能の状態を確認しておく
診断
腎臓の働きを調べるには、まず尿検査と血液検査を行います。必要に応じて、超音波(エコー)検査やCT検査などの画像検査も行われます。
行われる可能性のある検査
- 尿検査:たんぱく尿や血尿、尿中の成分を調べます
- 血液検査:血清クレアチニン値などから、腎臓が血液をろ過する速さ(eGFR)を計算します
- 超音波(エコー)検査:腎臓の大きさや形、水たまりなどを確認します
- 腎生検:腎臓の組織を針で一部採取して、顕微鏡で調べる検査です。原因の確定に必要な場合があります
診察で予想されること
検査は外来で受けることができます。所要時間は通常30分程度で、結果が出るまでに数日かかります。医師が結果を説明し、今後の生活や治療方針を一緒に考えます。
治療
腎臓病の治療は、原因となる病気の管理(高血圧や糖尿病など)と、腎臓に負担をかけない生活習慣の見直しが中心です。進行具合に応じて、薬物療法や専門的な治療が加わります。
自宅でのセルフケア
- 水分は、のどが渇いたときに十分に補給する(医師から指示があればその量に従う)
- 塩分は控えめにする(目安は1日6g未満。病気の状況により医師から指示がある場合があります)
- 野菜や果物、肉や魚、卵など、さまざまな食品をバランスよく食べる
- ウォーキングなどの軽い運動を、無理のない範囲で続ける
- たばこは吸わない
- お酒は休肝日を設け、飲みすぎない
- 市販薬を長期間使わない。特に痛み止めを頻繁に使う場合は医師に相談する
- 処方された薬は、医師や薬剤師の説明どおりに使う
医療治療
医師は、血圧や血糖を管理するお薬、尿にたんぱくが出るのを抑えるお薬、腎臓の負担を減らすお薬などを、患者さんの状態に合わせて処方することがあります。腎機能が大幅に低下した場合は、血液透析(じんこう透析)や腹膜透析、腎移植などの治療が必要になることがあります。
手術が検討される場合
腎臓に腫瘍ができる腎がんや、尿管結石などが薬や体外衝撃波で治療できない場合には、手術が検討されます。手術の必要があるかは、泌尿器科の専門医が検査結果をふまえて説明します。
この病気と共に生きる
腎臓病があっても、多くの方は仕事や家事、趣味を続けながら生活できます。毎日の体重や血圧を記録し、尿の様子にも目を向けることで、変化に早く気づくことができます。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためすぎない
- 疲れを感じたら休む
- お酒は控えめにする
- 禁煙する
食事と運動
塩分を控えることが基本です。また、腎臓の状態によってはたんぱく質やカリウム、リンの摂り方に注意が必要です。管理栄養士の指導も受けながら、無理のない範囲でウォーキングなどの軽い運動を続けましょう。
精神的健康と心の健康
慢性の病気と付き合うことは、ときに不安やストレスをもたらします。自分だけが悩んでいると思い込まず、家族や友人、医療者に気持ちを話してください。気分の落ち込みが長く続く場合は、医師に相談し、必要に応じて心のケアも受けましょう。
予防
腎臓病の多くは、健康的な生活習慣と生活習慣病の管理によって、予防したり進行を遅らせたりできます。特に、塩分を控えめにし、適度な運動を続け、禁煙・節酒を心がけることが重要です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎などの感染症にかかると、腎臓に負担がかかることがあります。感染症の予防接種を検討することも、腎臓を守る手段の一つです。
検診プログラム
年に1回の健康診断で尿検査と血液検査を受けることが、腎臓病の早期発見に最もつながります。生活習慣病のある人は、定期的に腎機能のチェックを受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 腎機能がさらに低下する
- 腎不全が進み、透析や腎移植が必要になることがある
- 心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患のリスクが高まる
- 貧血や骨の病気(腎性骨異栄養症)を合併しやすくなる
長期的な見通し
腎臓病は早期に見つけて早期に治療を始めれば、進行を遅らせることができます。腎機能が低下しても、医療者とともに治療を続けることで、多くの方が日常生活を続けています。希望を持って、一歩ずつケアを続けていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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