腎臓結石と診断されたあと:知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎臓結石とは、尿の中のカルシウムやシュウ酸などの成分が固まって、腎臓の中で石のようになってしまう病気です。石ができること自体はあまり症状を出しませんが、石が動いて尿道(尿の通り道)に詰まると、強い痛みやその他の症状を引き起こすことがあります。
重要な事実
- 腎臓結石は、多くの人がかかる身近な病気です。
- 小さな石は自然に尿と一緒に体の外へ出ることがあります。
- 再発しやすい病気ですが、普段の生活や食事で予防できることもあります。
腎臓結石は日本人にもよく見られる病気で、近年は増えているとも言われています。100人のうち数人が一度は経験するといわれています。
働き盛りの男性に多く見られますが、女性にも起こります。また、小さい子どもやお年寄りでも起こる可能性があります。
症状
- 強い痛みに加えて、高熱(38度以上)がある
- 吐き気やおう吐がひどく、水分が取れない
- まったく尿が出ない
- 意識がぼんやりする、ぐったりしている
- ⚠痛みが激しく、動けないほどの場合
- ⚠血尿が続いている場合
- ⚠痛みに加えて、悪寒や震えがある場合
- ⚠妊娠中の方は、結石の痛みや出血がある場合
一般的な症状
- 腰やわき腹に突然起こる強い痛み(差し込むような痛み)
- 痛みが数分から数十分続き、波のように強くなったり弱くなったりする
- 吐き気やおう吐
- 血尿(尿に血が混じる)
- 尿をするときの痛み
- 頻尿(尿の回数が多い)、尿が少ない
子供の症状
- 小さい子どもは痛みをうまく言葉で伝えられず、ぐずったり泣いたりすることがあります。
- 腹部や背中の痛みを訴えることがあります。
- 吐き気やおう吐、発熱を伴うこともあります。
- おねしょが続く、尿がにごるなどのサインも見られることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、典型的な強い痛みを感じないこともあります。
- 発熱、だるさ、食欲不振など、全身の不調として現れる場合があります。
- 尿の回数が減る、尿が出にくいなど、尿の異変に注意が必要です。
原因
主な原因
- 尿が濃くなり、結石のもとになる成分が溶けきれずに固まってしまうことが主な原因です。
- 水分不足で尿が少なく濃くなると、石ができやすくなります。
- 食生活の乱れ(塩分や動物性たんぱく質のとりすぎ、シュウ酸を多く含む食品のとりすぎ)が関係することがあります。
リスク要因
- 水分をあまりとらない、汗をかくのに水を飲まない
- 家族に腎臓結石を経験した人がいる
- 尿路感染症を繰り返している
- 痛風や糖尿病などの病気がある
- 特定の薬を服用している(薬と結石の関係は医師に相談してください)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい痛みが続く、または痛みがだんだん強くなる
- 発熱を伴う
- 吐き気やおう吐で水分が取れない
- 尿が出ない、または尿の量が極端に少ない
定期受診を予約すべき場合:
- 診断されたあと、医師から指示された受診日を守る
- 結石が体から出たか確認するための尿検査や画像検査を受ける
- 痛みや違和感は落ち着いているが、今後の治療について相談したい場合
診断
診断では、まず症状や病歴を医師が詳しく聞きます。そのうえで、尿検査や血液検査、画像検査を行い、結石の有無や大きさ・位置を確認します。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(血尿や感染の有無を調べます)
- 血液検査(腎臓の働きや結石の原因になりやすい物質を調べます)
- CT検査(体内を詳しく撮影し、結石を確実に見つけます)
- 超音波(エコー)検査(おなかの外から結石の有無を確認します)
- 腹部X線(レントゲン)検査(一部の結石は写ります)
診察で予想されること
これらの検査は、多くは痛みを伴わず、短時間で終わります。まずは尿と血液の検査を行い、必要に応じて画像検査をするのが一般的です。検査の結果をもとに、どのような治療が適しているか医師が説明してくれます。
治療
治療は、結石の大きさ、場所、症状の強さによって決まります。小さな石は自然に尿と一緒に出てくることが多いため、水分をしっかりとって排尿を促しながら、経過を見ることがあります。痛みや症状がある場合は、医師が適切な対処法を説明します。
自宅でのセルフケア
- 水分を十分に飲む(石を流しやすくするため、尿量を増やすのが目的です)
- 痛みが強いときは無理に動かず、安静にする
- 医師から指示された痛み止めを、指示どおりに使う
- 発熱や悪寒がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関へ連絡する
医療治療
結石が大きい場合や、自然に排出されない場合は、医療機関での治療が必要になります。主な治療法としては、体外から衝撃波を当てて結石を砕く方法、内視鏡を使って尿道から結石を取り除く方法、薬を使って結石を出やすくする方法などがあります。どの方法が適しているかは、結石の状態や体の状態によって医師が判断します。
手術が検討される場合
結石が大きく、自然に排出できない場合、痛みが強い場合、感染症や腎臓の働きに影響をおよぼす場合には、手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
診断後も普段の生活はほとんど変えずに過ごせます。ただし、水分をこまめにとること、強い痛みや発熱などの異常を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。結石がまだ体内にある間は、急に激しい運動をするよりも、ウォーキングなどの軽い運動を心がけ、体調の変化に注意しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 水分を1日1.5~2リットルを目安にとる(ただし、心臓や腎臓の病気がある人は医師の指示に従ってください)
- 塩分をとりすぎない
- 動物性たんぱく質のとりすぎに注意する
- お酒はほどほどにし、飲みすぎない
- 適度な体重を維持する
食事と運動
結石の再発を防ぐためには、バランスのよい食事と適度な運動が基本です。特に、水分を十分に取り、尿を薄く保つことが大切です。結石の成分によっては、シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草やナッツなど)をとりすぎない、カルシウムを適量とるなど、食事の工夫が役立つことがあります。具体的な食事の目安は、医師や管理栄養士に相談してください。
精神的健康と心の健康
強い痛みや再発の心配は、不安やストレスにつながることがあります。無理に我慢せず、家族や友人、医療者に気持ちを話しましょう。不安は強いプレッシャーになりますが、適切な治療と予防でコントロールできる病気でもあります。
予防
腎臓結石は、毎日の習慣で予防できる可能性があります。十分な水分をとることは特に重要です。また、塩分や動物性たんぱく質をとりすぎない食事、適度な運動、健康的な体重を維持することも予防につながります。結石の原因となる体質や病気がある場合は、医師と相談のうえ、適切な対策をとりましょう。
ワクチン
腎臓結石を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
一般的な健康診断で腎臓結石を見つけることはあまり多くありませんが、腹部の超音波検査などで偶然見つかることもあります。結石と診断された後は、再発をチェックするために、医師の指示に従って定期的な検査を受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 結石が尿の通り道をふさぐと、尿がたまって水腎症(腎臓に水がたまる病気)になり、腎臓の働きが低下することがあります。
- 尿路感染症を合併し、重症化すると敗血症(全身に感染が広がる状態)を引き起こすことがあります。
- 長く放置すると、腎臓の機能が低下して、腎不全になることもあります。
長期的な見通し
腎臓結石は、適切に治療すれば、ほとんどの場合、症状はよくなり、日常生活に戻れます。小さな石は自然に排出されることもあり、大きな石も今の医療では、体への負担が少ない方法で治療できることが多くあります。再発はしやすい病気ですが、水分と食事の習慣を見直すことで、再発を大きく減らせます。まずは医師と相談し、自分に合った管理方法を見つけていきましょう。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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