妊娠中の腎結石(じんけっせき)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎結石(じんけっせき)とは、尿の中に含まれるカルシウムや尿酸などの成分が固まって、石のような塊になったものです。妊娠中はホルモンの変化や水分補給が不足しがちなことで、腎結石ができやすくなることがあります。
重要な事実
- 妊娠中の腎結石は、腰やおなかの強い痛みを引き起こすことがあります。
- 多くは自然に排出されますが、痛みや感染症の管理が大切です。
- 赤ちゃんへの直接の影響は少ないとされますが、お母さんの健康を守ることが赤ちゃんを守ることにつながります。
妊娠中の腎結石は、1000人に1人から2人程度とされる、比較的まれな病気です。
妊娠中の女性、特に過去に腎結石になったことがある方や、水分を十分にとれていない方に多く見られます。
症状
- 激しい痛みで動けない
- 高熱がある(38度以上)
- おしっこがまったく出ない
- ⚠腰やおなかの痛みが続く
- ⚠血尿がある
- ⚠発熱がある
- ⚠おしっこの痛みがある
一般的な症状
- 腰や横腹(わきばら)に突然起こる激しい痛み
- 血尿(おしっこに血が混じる)
- 吐き気やおう吐
- おしっこの痛みや、おしっこがしみる感じ
子供の症状
- この記事は妊娠中の方のためのものです。子どもの腎結石については、かかりつけの小児科医にご相談ください。
高齢者の症状
- 妊娠中の方のための記事です。高齢の方では痛みを感じにくいこともありますが、妊娠中の場合は、この記事の症状を参考に早めに受診しましょう。
原因
主な原因
- 妊娠中のホルモンの変化で、尿の中の成分が固まりやすくなることがあります。
- 水分不足による尿の濃縮
- 子宮が大きくなって尿の流れがにぶくなり、尿がたまりやすいこと
リスク要因
- 過去に腎結石になったことがある
- 腎結石の家族歴がある
- 水分を十分にとらない習慣
- 尿路感染症の既往歴
- 塩分や動物性たんぱく質の多い食事
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 強い痛みで我慢できない場合
- 発熱や悪寒がある場合
- 血尿が続く場合
- おしっこが出ない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中の定期健診で尿の異常を指摘された場合
- 軽い腰やおなかの痛みが続く場合
- 痛みが良くなったり悪くなったりする場合
診断
妊娠中は、おなかの赤ちゃんへの影響をできるだけ避けるため、超音波検査(エコー)を中心に行います。尿検査や血液検査も併せて行い、腎結石かどうかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 超音波検査(エコー)
- 尿検査(血尿や感染の有無を調べます)
- 血液検査(腎臓の働きや炎症の有無を調べます)
診察で予想されること
診察では、痛みの場所や程度、妊娠週数、赤ちゃんの心拍などを確認します。検査はお母さんと赤ちゃんの状態に合わせて、安全に行われます。
治療
妊娠中の腎結石の治療は、まず水分をしっかりとって、痛みをコントロールしながら、結石が自然に排出されるのを待つのが基本です。痛みや感染症が強い場合は、入院して治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 水分をこまめにとる(1日2リットル程度を目安に、医師の指示に従いましょう)
- 安静にし、おなかや腰に負担をかけない
- 痛みが強いときは無理をせず、医師に相談する
医療治療
医療機関では、痛みを和らげるための薬や、感染症がある場合には抗菌薬による治療が行われます。妊娠中でも安全に使えるものを、医師が慎重に選びます。日本では、産婦人科と泌尿器科の専門医が妊婦さんと赤ちゃんの安全を最優先に、診療ガイドラインに沿って治療を行います。
手術が検討される場合
結石のサイズが大きく自然に排出できない、感染症を繰り返す、激しい痛みが続く場合には、尿管ステント(細い管)を入れて尿の流れを確保する手術や、体外から衝撃波で結石を砕く治療が行われることがあります。ただし、妊娠中は赤ちゃんへの影響を考慮し、専門医が慎重に判断します。
この病気と共に生きる
妊娠中は体がデリケートになっているので、無理をせず、こまめに水分をとり、十分な休息を心がけましょう。痛みや異変を感じたら、一人で抱え込まずに受診してください。
生活習慣のアドバイス
- 毎日こまめに水分をとる
- 塩分の摂りすぎを控える
- おなかが張るときは安静にする
- 適度な運動(ウォーキングなど)は医師に確認してから行う
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、特に水分を多めにとることが大切です。運動は血流をよくするためによいですが、妊娠中の運動は必ず産婦人科医に相談してから始めましょう。
精神的健康と心の健康
痛みや治療が長引くと、不安になったり、気分が落ち込んだりすることがあります。そんなときは、ひとりで悩まず、産婦人科医や助産師、家族に話してください。必要に応じて、カウンセリングなどの専門支援も紹介してもらえます。
予防
腎結石は体質にもよりますが、水分を十分にとることや塩分を控えることで、予防できる可能性があります。特に妊娠中は、意識して水分補給をしましょう。
合併症
治療しない場合
- 結石が尿管に詰まってしまうと、尿の流れが止まり、水腎症(腎臓に水がたまる状態)を起こすことがあります。
- 尿路感染症を合併し、高熱や敗血症(細菌が血液に入る重い状態)につながることがあります。
- 強い痛みや感染症が子宮の収縮を引き起こし、早産のリスクを高めることがあります。
長期的な見通し
妊娠中の腎結石は、産婦人科医と泌尿器科医が連携して治療にあたれば、多くの場合、お母さんと赤ちゃんの両方にとって良い結果が得られます。焦らず、医師の指示に従って治療を続けましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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