骨粗鬆症とともに生きる
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の中がスカスカになって、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨は体の中で常に古い骨を壊して、新しい骨を作り替えています。骨粗鬆症になると、このバランスが崩れて、骨を作る量より壊す量が多くなってしまいます。
重要な事実
- 骨粗鬆症は、ふつう初期には痛みなどの症状がありません。
- 気づいたときに、ちょっとした拍子に骨折していることもあります。
- 早期に見つけて、食生活や運動、治療を続けると、骨折をかなり防げる病気です。
骨粗鬆症はとても身近な病気です。特に閉経後の女性や高齢者に多くみられますが、男性でもかかることがあります。
中高年の女性に最も多くみられますが、男性でもかかります。また、若い人でも、栄養不足、運動不足、特定の病気やお薬の影響で骨が弱くなることがあります。
症状
- 転ぶなどして背中や腰に激しい痛みがあり、体を動かせないとき
- 強い痛みと一緒に、脚のしびれや力が入らない、排尿や便の感覚がおかしいとき
- 強い痛みや変形のために、動けなくなったとき
- ⚠骨折したかもしれないほど関節や骨が痛み、腫れている
- ⚠背中の痛みが強く、夜も眠れない
- ⚠脚にしびれや力が入りにくさがある
一般的な症状
- 初期にはほとんど症状がない
- 背中や腰に痛みやコリがつづく
- 背中が丸くなったり、身長が縮んだりする
- つまずいた、ぶつけたなどの軽い衝撃で骨折する
子供の症状
- 子どもでは非常にまれな病気です。
- 骨折をくり返す、背中や腰の痛みを訴える、身長の伸びが悪いなどの場合は、小児科で相談しましょう。
- ただし、これらの症状があっても、必ずしも骨粗鬆症とは限りません。
高齢者の症状
- 背中が曲がってくる(円背:えんぱい)
- 身長が2cm以上縮む
- ちょっとした転倒で手首や太ももの付け根の骨を折る
- 背中や腰に長く続く痛みがある
原因
主な原因
- 加齢によって骨を作る力が落ちる
- 閉経後の女性ホルモンの減少で、骨が壊れやすくなる
- カルシウムやビタミンD、たんぱく質などの栄養不足
- 運動不足や日光を浴びる時間が少ない
- 骨を作り替える働きのバランスが崩れる
リスク要因
- 女性である(特に閉経後)
- 年齢を重ねている
- やせすぎ(低体重)
- カルシウム不足の食生活
- 喫煙や過度の飲酒
- 運動不足・日光不足
- 家族に骨粗鬆症や骨折した人がいる
- 特定の持病、または長期にわたって薬を服用している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転倒や衝撃のあとに、骨や関節が強く痛んで動かせない
- 背中や腰に強い痛みがあり、脚のしびれや脱力をともなう
- 骨折の疑いがある(変形や腫れがある、体重をかけられない)
定期受診を予約すべき場合:
- 閉経後、または50歳をすぎて骨密度検査をまだ受けたことがない
- 身長が縮んだ、背中が丸くなってきた
- 腰や背中の痛みが長くつづく
- 骨粗鬆症の治療をすすめられたが、受けていない
- 家族に骨粗鬆症や骨折の人がいる
診断
医療機関では、まず症状や生活習慣についての問診があります。そのうえで、骨密度を測る検査や、背骨などのレントゲン検査を行い、骨折があるかどうかも確認します。血液や尿の検査で、骨の代謝や栄養状態を調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 骨密度検査(レントゲンを用いて、腰や太ももの骨の密度を測ります)
- 背骨のレントゲン検査(骨の骨折やつぶれがないかを確認します)
- 血液・尿検査(骨の代謝や、カルシウム・ビタミンDの状態などを調べます)
診察で予想されること
骨密度検査は痛みがなく、ベッドの上で10〜15分ほどで終わることがほとんどです。検査結果はその場で説明されることもありますが、後日あらためて医師から説明を受ける場合もあります。
治療
骨粗鬆症の治療は、骨折を防ぐことが目的です。治療の柱は「骨を強くするお薬」と「生活習慣の改善」の2つです。医師は、年齢や骨密度、骨折のリスクなどを考えて、あなたに合った治療計画を立ててくれます。
自宅でのセルフケア
- 自宅の段差をなくし、手すりをつけるなど、転びにくい環境を整える
- 毎日15分程度、日光を浴びて、骨に必要なビタミンDを体内で作りやすくする
- 禁煙し、飲酒はほどほどにする
- 無理のない範囲で、ウォーキングや水中運動などの運動を続ける
- 家の中を整理整頓し、歩きやすい靴をはく
医療治療
骨を壊す働きを抑えるお薬、骨を作る働きを助けるお薬、骨の材料を補うお薬など、いくつかの種類があります。飲み薬、注射薬、貼り薬など、生活スタイルや体の状態に合わせて医師が選択します。お薬の種類や飲み方、気になる副作用などは、医師または薬剤師に遠慮なく相談してください。
手術が検討される場合
骨折してしまった場合は、痛みを和らげたり、歩けるようにするために、手術が必要になることがあります。特に太ももの付け根や背骨の骨折では、骨を固定する手術や、体への負担が少ない治療が検討されます。手術の必要性は整形外科医が患者さんやご家族とよく話し合って決めます。
この病気と共に生きる
骨粗鬆症は、長く付き合っていく病気ですが、決して「動いてはいけない」わけではありません。適度な運動は骨を強くし、体のバランス感覚を保つのに役立ちます。毎日の食事と運動を少しずつ整え、転ばないための工夫をしながら、今の生活を大切に続けていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- ウォーキングやスクワットなど、骨に軽い刺激を与える運動をする
- 重い荷物を持ち上げるときは、膝を曲げて腰に負担をかけない
- 背筋を伸ばし、背中を丸めない姿勢を心がける
- 定期的に骨密度を測って、変化を確認する
- 家の中のコードやじゅうたんなど、つまずく原因を減らす
食事と運動
食事は、カルシウム(乳製品、小魚、豆腐、小松菜など)、ビタミンD(鮭やいわし、きのこ類など)、ビタミンK(納豆やほうれん草など)、たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)をバランスよくとりましょう。運動は、ウォーキングや水中歩行のような「骨に体重をかける運動」と、スクワットのような筋力トレーニングがおすすめです。
精神的健康と心の健康
骨折の不安から、外に出るのがおっくうになったり、気分が落ち込んだりすることがあります。これは自然な気持ちです。一人で抱え込まず、家族や友人、医師に話してみましょう。地域の運動教室や転倒予防教室に参加すると、同じ悩みを持つ人と出会え、気持ちが楽になることもあります。
予防
骨粗鬆症は、完全には防げないこともありますが、骨密度の低下をゆるやかにして、骨折を防ぐことは十分にできます。若いうちから骨に良い食事と運動を続けて「骨の貯金」をつくることが大切です。すでに骨密度が低い人でも、これからの生活習慣と治療で、悪化を防ぐことができます。
ワクチン
骨粗鬆症に直接効く予防接種はありませんが、骨折や寝たきりのあとに感染症にかかると、回復が遅くなることがあります。インフルエンザや肺炎球菌など、感染症の予防接種については、かかりつけ医と相談し、受けられる場合は検討しましょう。
検診プログラム
日本では、自治体が行う健康診査で骨密度検査が実施されることがあります。特に閉経後の女性やリスクの高い方は、一度は自分の骨密度をチェックしましょう。
合併症
治療しない場合
- 太ももの付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)で歩けなくなることがある
- 背骨の圧迫骨折で、背中が曲がり、身長がさらに縮む
- 手首の骨折で、日常生活の動作が一時的に制限される
- 骨折後の痛みや運動不足で、筋力や体力が落ちる
- 外出が減り、人との交流が減ることで気分が沈みがちになる
長期的な見通し
骨粗鬆症は、適切な治療と生活管理を行えば、骨折のリスクを大きく下げられる病気です。骨密度が維持または改善する人も多く、多くの人が元気で自立した生活を続けています。焦らず、自分のペースで、できることから一つずつ始めましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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