PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の症状と上手に付き合うために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、女性ホルモンのバランスが乱れ、卵巣が十分に働きにくくなる状態です。排卵がうまく起こらないため、月経が不規則になったり、卵巣に小さな卵胞がたくさんできたりします。男性ホルモンがやや増えることもあり、体毛やニキビ、体重の変化など、さまざまな症状があらわれることがあります。
重要な事実
- 女性の約5~10人に1人にみられる、よくある体の特徴です。
- 原因はひとつではなく、遺伝や生活習慣、インスリンの働きなどが関係しています。
- 症状は治療や生活習慣の見直しで改善できることが多いです。
はい。10人に1人くらいの女性にみられるとも言われる、決して珍しい状態ではありません。
おもに初めての月経がきてから閉経までの、妊娠しやすい世代の女性にみられます。10代で診断されることもあります。
症状
- 突然、下腹部に強い痛みがあらわれた
- 月経とは思えないほどの大量の性器出血があった
- めまいやふらつきが強く、立っていられない
- ⚠月経が3か月以上こない
- ⚠下腹部の痛みや違和感が続く
一般的な症状
- 月経の間隔が長い、または月経がこない(年に数回しかこない)
- 体毛が濃くなる(顔のうぶ毛・おなか・太ももなど)
- ニキビができやすい
- 体重が増えやすい
- 髪の毛の生え際がうすくなる
- 妊娠しにくい
原因
主な原因
- はっきりとした原因はまだわかっていません。
- インスリンが効きにくくなり、血糖が高くなりやすいことが関係する
- 卵巣で男性ホルモンが多くなりすぎ、卵の成長がうまくいかない
- 遺伝的な影響(家族に同じ症状の人がいる)
リスク要因
- 家族にPCOSや糖尿病の人がいる
- 体重がふえている(肥満)
- 運動不足や偏った食事
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 月経が3か月以上こない場合
- 強い下腹部痛や大量の出血がある場合
- 妊娠の可能性がある場合(すぐに確認が必要)
定期受診を予約すべき場合:
- 月経が不規則で悩んでいる
- 体毛やニキビなど、見た目の変化が気になる
- 妊娠を考えている、または避妊について相談したい
診断
おもに産婦人科で行います。問診、身体の診察、血液検査、超音波(エコー)検査の結果をもとに、ほかの病気ではないことを確認しながら診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(ホルモンの値や血糖値、インスリン値を調べます)
- 超音波検査(卵巣の形や卵胞を確認します)
- 体毛やニキビ、体重の状態をみる身体診察
診察で予想されること
診断には時間がかかることがあります。一度の検査で決まりすぎず、複数回の通院が必要な場合もあります。検査は痛みを伴いませんが、内診(腟の中の超音波)があるときは、医師の説明を聞いてから受けることができます。
治療
PCOSを完全に治す薬はありませんが、症状をよくし、将来の健康トラブルを防ぐための治療があります。治療は、妊娠を望むかどうか、どんな症状に困っているかによって変わります。
自宅でのセルフケア
- 毎日20〜30分のウォーキングなどの有酸素運動
- 野菜を先に食べる・甘い飲み物を減らすなど、血糖値の上がりすぎに気をつけた食事
- 睡眠を十分にとって、ストレスをためない工夫
医療治療
医師は、症状や妊娠の希望に合わせて、月経を整えるお薬、ホルモンのバランスを調整するお薬、インスリンの働きを助けるお薬などを提案することがあります。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
ごくまれに薬で効果が不十分な場合、卵巣の一部に小さな処置をする手術が検討されることがありますが、一般的ではありません。心配な点は医師によく相談してください。
この病気と共に生きる
PCOSがあると、月経や見た目、妊娠のことなどで不安になることがあります。しかし、正しく理解し、生活を見直すことで症状は改善できます。自分の体のリズムを記録して、変化に気づけるようにしておきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 起床・就寝の時間をなるべく一定に
- お酒やたばこを控える
- 体重管理(適正体重に近づける)
- からだを動かす時間を意識的に作る
食事と運動
特に血糖値を安定させることが大切です。野菜、たんぱく質、炭水化物の順に食べる、白いパンやごはんよりも全粒粉や雑穀を取り入れるなどの工夫が効果的です。運動はインスリンの働きを助け、ホルモンのバランスを整えることにつながります。急にがんばるのではなく、続けられるペースで。
精神的健康と心の健康
月経が不規則だったり、見た目の変化があったりすると、自信を失ったり、気分が落ち込んだりすることがあります。それは決してあなたのせいではなく、ホルモンの影響もある自然な反応です。つらいときは、医師やカウンセラーに話すだけでも気持ちが楽になります。
予防
PCOSそのものを予防する方法はまだわかっていません。しかし、健康的な食事・運動・睡眠などの生活習慣は、PCOSによる症状や将来の病気(糖尿病や高血圧など)のリスクを減らすことができます。
検診プログラム
すでにPCOSと診断された人は、定期的に血糖値や血圧、脂質の検査を受けることがすすめられます。健康診断を活用しましょう。
合併症
治療しない場合
- 血糖値が高くなりやすい状態が続き、2型糖尿病のリスクが上がる
- 高血圧や脂質異常症、心臓病のリスクが高まることがある
- 排卵が起こりにくいため、妊娠しにくい
- 子宮の内膜が厚くなりすぎることで、子宮の病気のリスクが高まることがある
長期的な見通し
PCOSがあっても、多くの女性が治療や生活の工夫によって症状をコントロールし、妊娠したり、健康に過ごしたりしています。長い付き合いになることがありますが、一緒に向き合うことができるものだと考えましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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