子どもの腎炎(じんえん) – 腎臓に炎症が起きる病気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎炎(じんえん)は、腎臓に炎症がおこる病気です。腎臓は、体の中の老廃物を尿として出すために大切な臓器です。炎症が続くと腎臓のはたらきが弱くなり、むくみや血圧の異常などが現れることがあります。
重要な事実
- 腎炎は、きっかけとなる感染症や免疫の状態によって、起こり方が異なります。
- 血尿やむくみが主な症状ですが、初期には症状がほとんどないこともあります。
- 多くは治療で改善しますが、長く経過を見る必要があることもあります。
子どもの腎炎は、それほど多くはありませんが、小児科や腎臓科で診られる重要な病気のひとつです。特に学齢期の子どもで見られます。
多くは4~12歳くらいの子どもに見られます。特に溶連菌という細菌に感染した後に発症することがあります。
症状
- 呼吸が苦しそう
- けいれんが起きた
- 意識がぼんやりしている
- 尿がまったく出ない
- ⚠尿に血がはっきり混じっている
- ⚠高熱が続く
- ⚠激しい頭痛や腹痛がある
- ⚠急にむくみが強くなった
一般的な症状
- 血尿(血が混じる尿)
- むくみ(特に顔やまぶた)
- 尿の量が減る
子供の症状
- 風邪やのどの痛みの後に血尿やむくみが現れる
- 顔がむくんでまぶたが腫れぼったくなる
- 普段より元気がなく、だるそうにする
原因
主な原因
- 感染症(特に溶連菌感染)の後に免疫の反応が関わって起こる
- 自己免疫の異常(体が自分の腎臓を攻めてしまう)
- そのほか原因がはっきりしない場合もある
リスク要因
- 最近、のどや皮膚の感染症にかかった
- 腎炎や自己免疫の病気が家族にいる場合(必ずしも遺伝とは限らない)
- 何らかの免疫のバランスが崩れている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急の症状がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 血尿、むくみ、高血圧が疑われる場合は、その日のうちに受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 尿検査で異常を指摘された場合
- 体調不良が続き、学校の検尿で再度の検査が必要と言われた場合
診断
医師は、問診や診察、尿検査、血液検査などを行います。必要に応じて、腎臓の形や状態を調べる検査や、腎臓の組織を調べる検査(腎生検)をおこなうこともあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(たんぱく尿や血尿の確認)
- 血液検査(腎臓のはたらきや炎症の程度を確認)
- 超音波検査(腎臓の大きさや形を確認)
- 腎生検(腎臓の組織の一部を採取して詳しく調べる)
診察で予想されること
検査は、通常は痛みをともなわないものが多いです。腎生検は小さい子どもでは麻酔を使いながら行うため、入院が必要なことがあります。医師が検査の説明を丁寧にしてくれます。
治療
治療の目的は、腎臓の炎症を落ち着かせて、腎臓のはたらきを守ることです。原因や症状の程度によって、治療の進め方は異なります。
自宅でのセルフケア
- しっかり休息をとる
- 医師の指示に従って水分をとる(尿の量やむくみで調整する)
- 塩分をとりすぎない
- 毎日おしっこやむくみの様子を観察する
医療治療
医師から処方される薬で、血圧を下げる薬や、免疫の働きを調整する薬などが使われることがあります。薬の種類や量は、子どもの年齢や症状、腎臓の状態に合わせて慎重に決められます。絶対に自己判断で薬をやめたり増やしたりしないでください。
手術が検討される場合
腎炎そのものに対して手術が必要になることはほとんどありません。まれに腎不全が進んでしまった場合、透析や腎移植という治療が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は、学校や日常生活に制限があることもあります。医師の指示を守りながら、無理のない範囲で過ごすことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとる
- 規則正しい生活を心がける
- かぜや感染症にかからないように手洗い・うがいを習慣にする
- 学校の先生にも病気のことを伝えて協力してもらう
食事と運動
食事は医師や栄養士の指示に従い、特に塩分のとりすぎに注意します。運動は、症状が落ち着いていれば通常通りできることが多いですが、水泳などは医師に相談して決めます。
精神的健康と心の健康
病気の子どもは、学校を休んだり、運動を制限されたりすることで、不安やストレスを感じることがあります。保護者も心配が続きます。そんなときは、無理をせずに、医師や看護師、臨床心理士などに相談しましょう。必要に応じて心の健康を支える専門家につながることもできます。
予防
すべての腎炎を予防することはできませんが、感染症を予防することで、腎炎のきっかけを減らせる可能性があります。手洗いやうがいをしっかり行いましょう。
ワクチン
感染症を予防するため、医師がすすめる予防接種を計画的に受けることが大切です。
検診プログラム
日本では、学校で定期的に尿検査(検尿)が行われます。これにより、症状がなくても腎炎の早期発見につながることがあります。
合併症
治療しない場合
- 腎臓のはたらきが低下し続け、慢性腎不全に進む可能性がある
- 高血圧が続いて心臓や血管に負担がかかる
- むくみが強くなり、呼吸困難などの症状を引き起こすことがある
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの子どもは改善し、普通の生活を取り戻すことができます。経過を見るために通院が長くなることがありますが、多くの場合、治療に前向きに取り組めば将来の見通しは明るいものです。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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