子どもの骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の中のカルシウムなどが減って、骨がもろくなり、折れやすくなる病気です。子どもの骨粗鬆症はまれですが、ほかの病気や薬、遺伝的な原因で起こることがあります。
重要な事実
- 子どもの骨粗鬆症は非常にまれです。
- 多くの場合、ほかの病気や治療が原因になります。
- 骨は子ども時代に最も強く成長します。丈夫な骨を作るには、栄養と運動が大切です。
- 子どもの骨密度の検査結果は、大人と同じようには判断できません。専門医の評価が必要です。
- 早期に気づき、原因を治療すれば、多くの子どもは改善が期待できます。
子どもでは非常にまれです。骨粗鬆症は高齢者では多く見られますが、子どもの骨粗鬆症は数万人に1人程度ともいわれています。ただし、慢性の病気がある子どもや、ステロイド薬を長期間使っている子どもでは、もう少し多く見られることがあります。
骨粗鬆症になりやすい子どもには、遺伝性の骨の病気を持っている子ども、長期間ステロイド薬を使う子ども、炎症性腸疾患や腎臓病などの慢性疾患がある子ども、運動や食事のバランスが悪い子どもなどが含まれます。また、思春期の遅れや体重の極端な減少もリスクになります。
症状
- 強い痛みで動けない、手や足を全く動かせない場合は、すぐに119番に電話してください。
- 骨が突き出ている、変形しているなど、重度の骨折が疑われる場合は、119番に電話してください。
- 意識がなくなった、呼吸が苦しい、強いけがを伴う場合は、すぐに救急車を呼んでください。
- ⚠数日続く強い背中や腰の痛みがある
- ⚠けがをしていないのに、足や腕をかばって歩けない
- ⚠身長が急に縮んだ、姿勢が大きく変わった
一般的な症状
- 骨が痛む(特に背中や腰)
- ちょっとした衝撃で骨を折る
- 身長が伸びにくい
- 姿勢が悪くなる
子供の症状
- 腕や脚の骨折を繰り返す
- 背中や腰に痛みがある
- 身長の伸びが悪い、成長が遅れる
- 疲れやすくなる、活動量が減る
- 症状がないこともあり、骨折して初めて気づくこともある
高齢者の症状
- 背中や腰の痛み
- 背中が丸くなる(円背)
- 身長が縮む
- 転んですぐ手首や太ももの付け根を骨折する
原因
主な原因
- 遺伝性の骨の病気(骨形成不全症など)
- ステロイド薬など、骨に影響する薬の長期使用
- カルシウムやビタミンDが極端に不足した食事
- 長期間の安静や運動不足
- 炎症性腸疾患、腎臓病、内分泌の病気などの慢性疾患
リスク要因
- カルシウム、ビタミンD、タンパク質が不足している
- 体重が極端に少ない
- 思春期の遅れ
- 長期間寝たきりや安静が必要だった
- 骨に影響する薬の長期使用
- 骨に影響する慢性の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 骨を折ったかもしれない、または骨折を繰り返す
- 強い骨や背中の痛みがある
- 原因不明の骨折があった
定期受診を予約すべき場合:
- 学校や健康診断で骨密度の低さを指摘された
- 骨に影響しそうな慢性の病気を持っている
- これまでに2回以上の骨折をしたことがある
診断
診断は、医師の診察と問診から始まります。どんな症状があるか、どんな病気や薬を使っているかを詳しく聞かれます。そのうえで、骨密度の検査や血液検査、レントゲン検査などが必要か判断します。子どもの骨密度検査は、年齢や体格を考慮して、専門の医師が慎重に評価します。
行われる可能性のある検査
- 骨密度検査(DXA法)
- 血液検査(カルシウム、ビタミンD、ホルモンの値など)
- レントゲン検査(骨折や骨の形の確認)
- 必要に応じて、遺伝子検査
診察で予想されること
検査は体に負担が少ないものが多く、痛みを伴わない場合がほとんどです。小児の専門医が、お子さんの年齢や発達に合わせて説明してくれます。結果が出るまで数日かかることもあります。診断後は、子どもと家族が納得できるように、治療や生活の進め方を一緒に相談していきます。
治療
治療の目的は、骨を強くして骨折を防ぐことです。まず、原因となっている病気や薬の影響を可能な範囲で改善します。食事や運動などの生活習慣の見直しが中心になります。子どもの骨は成長途中なので、大人と同じ治療にはなりません。小児科や整形外科の専門医が、お子さんの状態に合わせた計画を立てます。薬物治療は、状態が重い場合に限り、医師が説明したうえで検討されます。必ず医師の指示に従いましょう。
自宅でのセルフケア
- 毎日、走る、跳ぶ、ボール遊びなど、骨に適度な刺激が伝わる運動をする
- 骨の材料になる食品をバランスよく食べる(カルシウム、ビタミンD、タンパク質など)
- 屋外で日光を浴びて、ビタミンDを作ることも大切
- 骨折を防ぐために、家の中の段差や滑りやすい場所を整える
- 座りっぱなしを避け、体を動かす習慣をつくる
医療治療
子どもへの薬物治療は、大人と同じ薬が使われるわけではありません。原因や骨の状態によって、骨を強くする薬やビタミンD、カルシウムの補助食品を医師が検討することがあります。ただし、必ず医師が処方し、量や期間を管理します。自己判断でサプリメントや薬を始めないでください。
手術が検討される場合
骨折をしたときには、骨を元の位置に戻す整復や、ギプスなどによる固定が必要になることがあります。まれに、骨の変形が強い場合に手術が検討されますが、成長に合わせて整形外科の専門医がよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
骨粗鬆症があっても、安全に気をつけながら、学校生活や友だちとの遊びを続けることができます。医師や看護師、学校の先生と情報を共有し、体育の授業や運動の制限が必要か相談しましょう。子ども自身が自分の体を理解し、無理をしないことも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを保つ
- 楽しく続けられる運動を、無理のない範囲で行う
- 骨折のリスクが高い高い場所での無理な遊びや運動は避ける
- 必要に応じて学校や家庭で安全対策をする
食事と運動
骨の元になる栄養は、毎日の食事からとります。カルシウムは牛乳や小魚、小松菜などに、ビタミンDはきのこや魚に多く含まれます。運動は、骨に適度な刺激を与えることが大切ですが、医師の指示に従い、状態に合わせた運動を選びましょう。
精神的健康と心の健康
子どもが「ほかの子と違う」と感じたり、骨折のたびに不安になったりすることがあります。親は、子どもが気持ちを話せる場を作ってあげましょう。必要に応じて、学校の先生やスクールカウンセラー、心理の専門家にも相談できます。一人で抱え込まないことが、心の健康にもつながります。
予防
すべての骨粗鬆症を予防することはできませんが、子どものころから骨を丈夫にする習慣を身につけることは、将来の骨の健康に役立ちます。生活習慣の改善で、骨粗鬆症になるリスクを減らすことが期待できます。
検診プログラム
大人では骨密度の検診が行われますが、子どもでは、骨粗鬆症になりやすい特別な病気や薬の使用がない限り、一般的な検診は推奨されていません。専門医が、必要に応じて骨密度検査を検討します。
合併症
治療しない場合
- 骨折を繰り返す
- 背骨のゆがみや変形が起こる
- 身長の伸びが悪くなる
- 痛みや活動制限で、生活の質が低下する
長期的な見通し
子どもの骨はまだ成長しているため、早く正しい対応を始めれば、大きく改善する可能性があります。基礎にある病気の治療や生活習慣の見直しで、骨の強さを回復できることが多いです。長い目で見守りながら、医療者と一緒に取り組んでいきましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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