前立腺の合併症を正しく知ろう
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
前立腺は、男性だけにある小さな臓器で、膀胱の下で尿道を囲んでいます。ここで問題が起きると、尿の出が悪くなる、頻繁にトイレに行くなどの症状が出ることがあります。前立腺の問題を大きく分けると、炎症(前立腺炎)、加齢による肥大(前立腺肥大症)、がんに分けられます。
重要な事実
- 前立腺は男性だけにあります
- 前立腺の病気の多くは、おしっこのトラブルが最初のサインです
- 前立腺がんは初期症状がほとんどなく、健診で見つかることが多いです
50歳をすぎると、前立腺のトラブルを経験する方はとても多くなります。前立腺肥大症は加齢とともに増え、前立腺がんも日本人男性で増加しているがんで、決してめずらしいものではありません。
前立腺があるのは男性だけなので、男性の病気です。前立腺炎は若い世代でも起こりますが、前立腺肥大症は40〜50代以降、前立腺がんは60代以上で多く見られます。
症状
- 尿がまったく出ない(急性尿閉)
- 突然の激しい腹痛や腰痛
- 高熱(38℃以上)と腰や下腹部の痛み、悪寒
- 尿に大量の血が混じる
- ⚠症状が急に悪化した
- ⚠排尿時や射精時に強い痛みがある
- ⚠血尿や排尿時の出血が続く
- ⚠発熱や不快感があり、泌尿器科の受診が難しい場合
一般的な症状
- 尿の勢いが弱くなった
- 排尿に時間がかかる、始まりが遅い
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 排尿後にまだ尿が残っている感じがする
- 排尿時や射精時に痛みや違和感がある
- 尿に血や膿が混じる
子供の症状
- 前立腺は思春期までは小さいため、子どもの前立腺の病気はほとんどありません。もしおしっこの症状があれば、前立腺以外の泌尿器の問題の可能性もあるため、小児科や泌尿器科で相談しましょう。
高齢者の症状
- 高齢男性では、前立腺肥大症による症状が目立ちやすくなります。尿が出にくい、頻尿、残尿感などが続くほか、進行した前立腺がんでは腰や骨の痛みが現れることもあります。いつもと違う症状を感じたら、すぐに相談してください。
原因
主な原因
- 前立腺炎:細菌感染が原因となる場合と、精神的・身体的ストレスや神経の緊張が関係する場合があります。
- 前立腺肥大症:加齢により前立腺が大きくなることで起こります。はっきりした原因はまだ分かっていませんが、男性ホルモンの変化が関係します。
- 前立腺がん:前立腺の細胞に遺伝子の変化が起こり、がん化すると考えられています。加齢や家族歴が影響します。
リスク要因
- 年齢(特に60歳以上)
- 家族に前立腺がんの人がいる
- 運動不足やバランスの悪い食事
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿が出ない、あるいは激しい痛みがある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 高熱と腰・下腹部の痛みがある場合も早めの受診が必要です。
定期受診を予約すべき場合:
- おしっこの勢いが弱くなった
- 夜中に何度もトイレに起きる(1〜2回以上)
- 残尿感がある
- 排尿時に痛みや違和感がある
- 血尿が見られた(ただし、数日で治っても一度は受診する)
診断
泌尿器科で、問診と、尿検査・血液検査・直腸診・超音波検査などを組み合わせて総合的に調べます。前立腺がんが疑われる場合は、前立腺の組織を取って調べる生検が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状や健康状態の聞き取り)
- 尿検査(感染や血尿の有無)
- 血液検査(PSAという前立腺特有のたんぱく質、腎機能など)
- 直腸診(医師が指で前立腺の硬さや形を調べる)
- 超音波検査(前立腺の大きさや形を画像で確認)
- 前立腺生検(がんの有無を顕微鏡で確認)
診察で予想されること
検査の中で直腸診や生検は多少の違和感や痛みを伴うこともありますが、時間はとても短く、医師の説明を受けながら進められます。結果が出るまでに数日から数週間かかることもありますが、結果に基づいて次のステップを一緒に考えてくれます。
治療
治療は、原因や症状の重さ、年齢、全身の健康状態によって異なります。前立腺炎には抗菌薬などの薬が、前立腺肥大症には症状を和らげる薬や手術が、前立腺がんには経過観察、手術、放射線治療、薬による治療などが選ばれます。
自宅でのセルフケア
- 水分はこまめにとりましょう(就寝前は控えめに)
- アルコールやカフェインをとりすぎない
- おしっこをがまんしない
- 便秘にならないよう食物繊維を意識する
- 長時間のすわりっぱなしを避け、休憩と適度な運動をとる
医療治療
医療機関では、おもに薬物療法、手術、放射線治療などが行われます。薬を使って症状を和らげる、進行を抑えるなどの方法がありますが、具体的な薬の名前や用量は医師が個別に判断します。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
前立腺肥大症の場合、尿が全く出なくなったり、薬の効果が不十分で日常生活に支障がある場合に手術が検討されます。前立腺がんの場合も、がんの進行度や年齢に応じて手術を含む治療が検討されます。どの治療にも利点とリスクがあるため、医師と十分に相談することが大切です。
この病気と共に生きる
治療中や治療後は、通院や検査が続くことがあります。排尿に関する症状や治療の影響(排尿の変化、性機能への影響など)に不安を感じるかもしれませんが、困ったときは医師や看護師に遠慮なく相談しましょう。日常生活では、無理をせず、ご自身のペースを大切にしてください。
生活習慣のアドバイス
- おしっこの回数や量をメモしておくと診察に役立ちます
- 毎日のウォーキングなど、無理のない運動を続ける
- 座位が長い場合は、途中で立ち上がって伸びをする
- ストレスをためないよう、趣味やリラックス方法を見つける
食事と運動
バランスのよい食事と適度な運動は、前立腺の健康にもよい影響が期待できます。野菜や果物、魚を多くとる、脂っこい食品を控えるなどの工夫が勧められます。特定の食品やサプリメントに頼るのではなく、食事全体のバランスを大切にしてください。
精神的健康と心の健康
排尿の症状は気分や睡眠に影響することがあります。また、がんなどの診断を受けたときは、不安や落ち込みを感じるのは自然なことです。あなたの気持ちを大切にし、家族や友人、医療者に話してみましょう。必要に応じて、心の専門家や相談窓口もあります。つらい気持ちが続く場合も、一人で抱え込まないでください。
予防
前立腺肥大症や前立腺がんを完全に防ぐ方法はまだわかっていません。ただし、健康的な食事、運動、禁煙などによってリスクを下げる可能性はあります。また、気になる症状を早めに相談することで、重症化を防げることが大切です。
ワクチン
前立腺の合併症を直接予防できるワクチンは、現在のところありません。感染が原因の前立腺炎をすべて防ぐこともできませんが、日頃から清潔を心がけ、無理をしないことが大切です。
検診プログラム
前立腺がんについては、血液検査(PSA検査)による検診があります。日本では、50歳以上または家族歴のある方に対して受診が検討されることがありますが、検診を受けるかどうかは医師と相談して決めましょう。症状がなくても、定期的に健康診断を受けることが勧められます。
合併症
治療しない場合
- 急性尿閉(尿がまったく出なくなる)
- 尿路感染症、膀胱炎、腎盂腎炎を繰り返す
- 腎機能の低下
- 前立腺がんが進行した場合の骨転移や痛み
長期的な見通し
前立腺の問題の多くは、早期に発見すれば適切な治療で症状が改善し、生活の質を保つことができます。前立腺がんは進行がゆっくりなことが多く、近年は治療法も多様化しています。希望を持って、医師とともに自分に合った方法を見つけていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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