前立腺の病気と治療の選択肢
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
前立腺は男性だけにある小さな臓器です。膀胱の下、尿道の周りにあります。前立腺の病気には、がんではない前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)、炎症(前立腺炎)、がん(前立腺がん)などがあります。治療は病気の種類や進み具合、年齢や体の状態によって選ばれます。
重要な事実
- 前立腺は精液をつくるはたらきをしています。
- 前立腺の病気はよくあるもので、高齢になるほど増えます。
- 治療には経過観察、薬、手術、放射線など様々な選択肢があります。
- どの治療を選ぶかは、医師とよく相談して決めることが大切です。
前立腺の病気は男性ではとてもよくあるものです。特に50歳代を過ぎると、前立腺の肥大を自覚する人が増えてきます。
主に成人男性です。前立腺肥大症は中高年の男性に多く、前立腺炎は比較的若い男性にも見られます。前立腺がんは60歳以降に増えます。
症状
- 急に尿がまったく出なくなった
- 強い腹痛や腰の痛みに加えて血尿が出ている
- 高熱と悪寒があり、尿の症状が重い
- 意識がもうろうとしている
- ⚠血尿が1日以上続く
- ⚠排尿時の強い痛みがある
- ⚠尿の回数や勢いの変化が急に強くなった
一般的な症状
- 尿の回数が増える(特に夜にトイレへ行く回数が多い)
- 尿の勢いが弱くなった
- 尿を出すまでに時間がかかる、または尿が途中で止まる
- 尿を出したあともまだ残っている感じがする
- 排尿するときに痛みや違和感がある
- 血尿が出る
- 腰やおしりの内側に痛みや重い感じがある
子供の症状
- 小児では前立腺が未発達なため、前立腺の病気による特有の症状はほとんどありません。排尿について心配なことがあれば、小児科で相談しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では尿の回数が増え、夜間に何度も起きることが多くなります。尿が全く出なくなる尿閉(にょうへい)という状態になることもあり、注意が必要です。
- 薬を飲んでいる場合は、ふらつきや転倒にも気をつけましょう。
原因
主な原因
- 前立腺肥大症は、加齢に伴って男性ホルモンの影響で前立腺が大きくなることが関係しています。
- 前立腺炎は細菌の感染が原因となることがありますが、原因がはっきりしない場合もあります。
- 前立腺がんは遺伝子の変化と加齢が関係していると考えられています。
リスク要因
- 年齢(60歳以上で前立腺がんが増える)
- 家族に前立腺がんの人がいる
- 肉や脂肪の多い食事
- タバコを吸うこと
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血尿が続く
- 強い痛みを伴う排尿症状がある
- 急に尿を出せなくなった
定期受診を予約すべき場合:
- 排尿の回数や勢いの変化が数週間続いている
- 健康診断でPSA(前立腺特異抗原)の値が高いと言われた
- 排尿後の残尿感がある
診断
まず医師が問診を行い、尿検査、血液検査(PSA)、超音波検査、直腸診(指を入れて前立腺の状態を調べる触診)などを行います。がんの可能性がある場合は、前立腺の組織を採取して顕微鏡で調べる生検(せいけん)という検査をすることがあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(PSA検査)
- 超音波検査
- 前立腺生検(がんの疑いがある場合)
診察で予想されること
診察や検査は外来で行うものがほとんどです。直腸診や生検は少し不快な感じがありますが、痛みは短時間です。結果を受けて、治療の必要性や選択肢を医師が説明してくれます。
治療
治療法は、病気の種類、症状の強さ、がんの場合は進行度、年齢や健康状態によって異なります。前立腺がんでは、すぐに治療をしないで定期的に経過を見る「監視療法」という選択肢もあります。治療は一人で決めず、医師と十分に話し合って決めましょう。
自宅でのセルフケア
- カフェインやアルコールを控え、排尿の回数や量を整える
- 骨盤底筋を鍛える体操を取り入れる
- 便秘にならないように食物繊維を多くとる
- ストレスをためないように適度に休む
- 長時間座り続けないようにする
医療治療
症状を和らげるための薬物療法や、がんの進行を抑えるホルモン療法、放射線療法などがあります。薬の名前や治療の組み合わせは、病状や患者さんの状態によって医師が判断します。治療を受ける前に、効果や副作用について必ず説明を受けてください。
手術が検討される場合
前立腺肥大症で排尿障害が強い場合や、前立腺がんの進行度によっては、手術(前立腺の一部または全体を摘出する)が検討されます。手術以外にも、放射線療法や監視療法という方法があるため、医師とよく相談してください。
この病気と共に生きる
治療後には排尿の状態や性機能に変化が出ることがあります。それらのことは恥ずかしいことではなく、多くの人が経験します。医療者に気軽に相談し、必要に応じてカウンセラーや患者会のサポートも使いましょう。
生活習慣のアドバイス
- 適度な運動を続ける
- タバコはやめる
- 飲酒はほどほどにする
- 季節を問わず体を冷やさないようにする
食事と運動
野菜や果物を十分に取り、赤肉や加工肉、高脂肪の食事をひかえめにすることがすすめられています。運動は無理のない範囲で、ウォーキングなど週に数回行いましょう。食事と運動は前立腺の健康だけでなく、全身の健康にも役立ちます。
精神的健康と心の健康
前立腺がんの診断や治療中に、不安になったり気持ちが沈んだりすることがあります。これは珍しいことではありません。つらい気持ちを一人で抱え込まず、担当医や看護師、精神科医、カウンセラーに相談しましょう。もし自分を傷つけたい気持ちがある場合は、すぐに119番または近くの医療機関に連絡してください。
予防
前立腺肥大症や前立腺がんを完全に予防する方法はまだ分かっていません。健康的な食事、運動、適正な体重を保つことが、リスクを下げる可能性があると考えられています。
検診プログラム
前立腺がんはPSA検査という血液検査で早く見つけられる場合があります。ただし、検診や検査を受けるかどうかは、年齢や持病、家族歴を考えながら医師と相談して決めることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 前立腺肥大症を放置すると、尿閉(尿が全くでなくなる)や膀胱・腎臓の障害を起こすことがあります。
- 前立腺炎が慢性化すると、排尿の痛みや腰の痛みが長く続くことがあります。
- 前立腺がんを放置すると、骨やリンパ節などに転移する可能性があります。
長期的な見通し
前立腺の病気は、早期に発見して適切な治療を行えば、多くの場合、生活の質を保つことができます。特に前立腺がんは進行がゆっくりなことが多く、治療法もたくさんあります。不安を感じたときは、遠慮なく医療者に質問して、自分の価値観に合った治療を選んでください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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