子どもの腱の痛みとケア
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腱(けん)は、筋肉と骨をつなぐ、丈夫なひものような組織です。体を動かすとき、筋肉が縮む力を骨に伝えて、関節(かんせつ)を動かしています。子どもの場合は骨が成長しているため、腱が骨にくっつく部分に負担がかかることがあり、痛みや腫れ(はれ)の原因になります。
重要な事実
- 腱は筋肉と骨をつなぐ組織です。
- 成長期の子どもは、骨と腱のバランスがくずれやすいです。
- 多くの場合、安静と適切なケアで改善しますが、医師の診察をうけることが大切です。
子どもの膝やかかとの痛みとしては、よく見られる原因のひとつです。特にスポーツをする子どもに多いです。
10歳前後から思春期の子どもに多く、とくにサッカーやバスケットボールなどの競技をしている子どもがかかりやすいです。
症状
- 関節を動かせないほど激しい痛みがある(すぐに119番に電話してください)
- 「ポキっ」という音とともに強い痛みと変形がある(すぐに119番に電話してください)
- 深い切り傷があり、腱が見えている(すぐに119番に電話してください)
- 指や足の感覚がなく、色が青白い(すぐに119番に電話してください)
- ⚠痛みが強く、歩けない・体重をかけられない
- ⚠腫れと熱がひどく広がっている
- ⚠痛みが2日以上続く、または夜も痛む
- ⚠しびれや感覚がおかしい(急ぎの受診が必要です)
一般的な症状
- 腱にそった痛み
- 体を動かすときや、押したときの痛み
- 腫れやこわばり
- 運動中や運動後の痛み
子供の症状
- 運動後にあらわれる痛み
- かかと・ひざの下・足の内側などの痛み
- 「歩き始めにふくらはぎが痛い」などの症状
- かばって歩く、走るのをいやがる
- 痛い部分を熱く感じる
高齢者の症状
- 高齢者は腱がもろくなり、軽い力で痛みや断裂(だんれつ)がおこりやすい
- 血流がわるいため回復がおそい
- 肩やアキレス腱などの断裂がしられています
原因
主な原因
- 同じ動きをくりかえして使いすぎる(使いすぎ症候群)
- 準備運動やクールダウンが不十分
- 骨の成長と筋肉・腱の発達のアンバランス
- 急に運動の量や強度を増やした
- 足に合わない靴やグラウンドの状態
リスク要因
- 成長期(およそ10〜15歳)
- かけっこ・ジャンプ・方向転換の多いスポーツ
- 運動のしすぎ・休みなしの練習
- 過去に同じ場所を痛めたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 痛みが強く、歩けない・体重をかけられない
- 関節に強い腫れや赤み、熱がある
- しびれや感覚の低下がある
定期受診を予約すべき場合:
- 運動をすると痛みがでて、休むとよくなる
- 痛みが2週間以上消えない
- 痛みがふたたびくりかえす
- 学校の健康診断や部活動の相談で気になる
診断
医師はお子さんの話を聞きながら、痛い場所をやさしく触り、動かして確認します。スポーツの内容や靴のこと、痛みがでるタイミングもくわしく聞かれます。
行われる可能性のある検査
- エコー(超音波)検査
- レントゲン検査
- 必要に応じてMRI検査
- 痛みが再現される動作のチェック
診察で予想されること
診察では、からだを動かして痛みの場所を確認しますが、特別な副作用や苦しさはありません。検査結果はその場で説明されることが多いです。その後、自宅でのケアや運動の調整についての説明があります。
治療
治療の基本は、腱に負担をかけすぎないことです。ただし、完全に動かさないと筋肉や腱が弱くなるため、痛みのない範囲で動かすことが勧められます。
自宅でのセルフケア
- 痛みがでた部位を休ませる(スポーツを休む、練習量をへらす)
- 痛いときは冷たいタオルや保冷材で10〜15分冷やす
- 運動の前後には、ふくらはぎや太もものストレッチ
- スパイクやシューズのサイズ・ひもの締め具合を確認する
- 痛みが続くときは、無理に動かさない
医療治療
医師の診察の結果、痛みをしずめる薬や塗り薬、外用薬(塗り薬・貼り薬)などが処方されることがあります。また、テーピングや足底板(インソール)で負担を軽くする方法や、理学療法士による運動指導も行われます。薬は必ず医師や薬剤師の指示にしたがって使ってください。
手術が検討される場合
腱が完全に断裂している、骨折をともなう、長期間の治療でもよくならない場合などは、手術が検討されることがあります。ただし、子どもではほとんどおらず、まずは安静やリハビリを行います。
この病気と共に生きる
痛みのあいだは、スポーツを休むか、痛くない動きに変えましょう。走る・跳ぶ動作をひかえ、水泳や自転車など負担の少ない運動をするのもひとつの方法です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない
- 朝ごはんをしっかり食べる(成長を助けます)
- 毎日こまめにストレッチをする
- 練習前に準備運動、練習後にクールダウンをする
- 痛みがでたら無理をせず休む
食事と運動
骨や筋肉の成長には、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDが大切です。食べすぎ・不足に気をつけて、バランスのよい食事を3食とりましょう。運動は、いきなり強度を上げず、少しずつ慣らすことが予防につながります。
精神的健康と心の健康
痛みがつづくと「チームに迷惑をかけている」「もうだめだ」と感じるお子さんもいます。親やコーチは、焦らず「治すことも練習のうち」と伝え、ほかの方法で体づくりをするよう支えてあげましょう。
予防
腱のトラブルを完全に防ぐことはできませんが、負担を減らすことで、多くは予防できます。特に、準備運動を丁寧に行い、休みをとることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 痛みが長引き、慢性的な炎症になる
- 骨への負担が続き、骨の一部がはがれる離断性骨軟骨炎を起こすことがある
- スポーツを楽しむ機会が減り、体力や気持ちの面で影響が出ることがある
長期的な見通し
ほとんどの腱のトラブルは、適切な休養とケアでよくなります。成長とともに症状が落ち着くことも多く、後遺症が残ることはまれです。気になる症状があれば、早めに相談しましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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