尿路感染症(UTI)と診断されたあとに知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿路感染症は、おしっこを作る腎臓や、おしっこが通る道(尿管、膀胱、尿道)に細菌が入って炎症を起こす病気です。多くは膀胱の感染で、排尿時の痛みや違和感として現れます。
重要な事実
- 尿路感染症は、女性に多く見られますが、子どもから高齢者まで誰でもかかる可能性があります。
- 適切な治療を受ければ、多くの場合、数日で症状は良くなります。
- 途中で薬をやめずに、医師の指示を守ることが再発を防ぐために大切です。
- 水分をしっかりとり、排尿を我慢しないことも予防や回復に役立ちます。
はい、とてもよく見られる感染症です。日本では、多くの人が一生に一度は経験するともいわれています。特に女性に多く、20代以降で受診する人も少なくありません。
女性に最も多く見られますが、男性、子ども、高齢者にも起こることがあります。妊娠中の人、尿路にカテーテルを入れている人、免疫力が低下している人もかかりやすくなります。
症状
- 高熱(39度以上)と激しい震えがある場合は、119番に電話してください
- 肉眼ではっきりわかる血尿がある場合も、119番に電話してください
- 腰や背中に強い痛みがあり、動けない場合は119番です
- 吐き気や嘔吐が続き、水分もとれない場合は119番に電話してください
- 意識がぼんやりしている、呼びかけに反応が弱い場合は119番です
- ⚠排尿時の痛みが強く我慢できない場合は、その日のうちに受診しましょう
- ⚠発熱がある、または症状が急に悪化した場合は、早めに医療機関に連絡を
- ⚠妊娠中や持病がある方で尿路感染症の症状がある場合は、すぐに医師に相談を
- ⚠子どもや高齢者で元気がない、食欲がない場合は、早めに受診してください
一般的な症状
- 排尿するときの痛みやしみる感じ
- トイレが近く、尿の量が少ない
- 尿が濁っていたり、強いにおいがする
- 下腹部や腰の違和感
- 軽い発熱やだるさ
子供の症状
- 説明が難しい乳幼児では、不機嫌になる、泣く、熱が出る、食欲がないなどのサインが見られることがあります。
- 普段できていたおねしょが急に増えることもあります。
- おしっこの回数が少なかったり、色がおかしいときは受診を検討してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、典型的な痛みや発熱が目立たず、ぼんやりする、意識がはっきりしない、転びやすくなる、だるさが続くなどの症状が出ることがあります。
- 急に「元気がない」「反応が鈍い」と感じたら、尿路感染症の可能性もあります。
原因
主な原因
- 細菌(多くは腸内にいる細菌)が尿道の出口から入り込み、膀胱で増えることで感染が起こります。
- 腎臓まで感染が広がると、「腎盂腎炎(じんうじんえん)」という、より重い状態になることがあります。
リスク要因
- 女性の尿道は短くて入り口が近いため、細菌が入りやすい
- 妊娠、閉経後のホルモンの変化
- 尿路にカテーテル(管)が入っている、以前に尿路の手術を受けたことがある
- 糖尿病などで免疫力が低下している
- 前立腺肥大や結石で尿の流れが悪い
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱や血尿など、緊急のサインがあるとき
- 症状が落ち着かず、仕事や生活に支障が出るとき
- 妊娠中、または持病がある方で症状があるとき
定期受診を予約すべき場合:
- 排尿時の痛みや違和感が続くとき
- 尿の濁りやにおいが気になるとき
- 繰り返し感染していると感じるとき
診断
おしっこの検査(尿検査)が中心です。尿の中の細菌や炎症のサインを調べます。必要に応じて、採血や、エコー(超音波)などで尿路の状態を確認することもあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(尿をとって、細菌や白血球、血液が混ざっていないか調べます)
- 尿培養検査(細菌の種類を特定するため、数日かかることがあります)
- 血液検査(発熱が続く場合や重症の場合)
- 超音波(エコー)検査(腎臓や膀胱、尿路の形の異常を調べる場合)
診察で予想されること
受診すると、まず症状について聞かれます。尿を容器にとって渡す検査が一般的です。検査結果は当日わかることもありますが、培養検査は数日かかります。診断後に治療方針が説明されます。
治療
尿路感染症は、細菌を抑える抗生物質による治療が一般的です。感染の場所や重症度によって、飲み薬または点滴での治療が選ばれます。自己判断で薬をやめず、医師の指示に従うことが重要です。
自宅でのセルフケア
- 水分を多めにとる(ただし、心臓や腎臓に持病がある方は医師に相談してください)
- トイレを我慢しない
- 排尿後は前から後ろに拭く
- カフェインやアルコールは膀胱に刺激を与えることがあるため、症状がある間は控える
- 痛みが強い場合は、医師または薬剤師に相談する
医療治療
医師の診断に基づき、抗生物質(細菌の増殖を抑える薬)が処方されます。通常は数日間内服しますが、腎臓まで感染が広がっている場合は、点滴や入院が必要になることもあります。症状が良くなっても、薬は最後まで飲み切ることが大切です。
手術が検討される場合
まれに、結石や前立腺肥大など、尿の流れを妨げる原因が繰り返す感染の背景にある場合は、その原因を調べて、必要に応じて治療が検討されます。外科的な対応が必要かどうかは、専門医が総合的に判断します。
この病気と共に生きる
診断後は、薬を指示どおりに飲み、水分をしっかりとりながら様子を見ます。症状が改善しても、尿検査で菌が残っていないか確認するために再診が必要なことがあります。
生活習慣のアドバイス
- 排尿を我慢せず、こまめにトイレに行く
- 下着は清潔なものを選び、通気性の良いものを心がける
- 入浴よりシャワーを好む人は、シャワーで済ませることも選択肢です(医師と相談)
- 睡眠を十分にとり、疲れをためないようにする
- 尿路を冷やさないように温かくする
食事と運動
食事は特別な制限はありませんが、水分を十分に摂ることが大切です。目安は1日1.5リットル程度ですが、心臓や腎臓の病気がある場合は量を医師に確認してください。運動は、症状がつらい間は無理をせず、体調が落ち着いたら普段通りで問題ありません。
精神的健康と心の健康
尿路感染症を繰り返すと、「また再発するのでは」という不安や疲れを感じることがあります。そうした気持ちは自然なものです。ひとりで抱え込まず、医師や看護師、周りの人に相談してください。
予防
尿路感染症を完全に予防する方法はありませんが、リスクを減らすことはできます。日頃から水分を十分にとり、排尿を我慢しないことが基本です。
ワクチン
日本国内では、尿路感染症全般を予防する一般的なワクチンはありません。個人の状況に合わせた予防法については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
一般的に、無症状の人が尿路感染症の検査を定期的に受けることは推奨されていません。ただし、妊娠中や手術前など、医師が必要と判断した場合は尿検査が行われます。
合併症
治療しない場合
- 膀胱だけでなく、腎臓まで感染が広がり、腎盂腎炎になることがあります。高熱や腰の痛み、吐き気などを伴います。
- まれに、細菌が血液に入り込み、全身の炎症反応(敗血症)という重い状態になることがあります。
- 妊娠中の感染は、母体と赤ちゃんの両方に影響を与える可能性があるため、早めの対応が必要です。
長期的な見通し
尿路感染症は、きちんと治療すれば多くは数日でよくなる、予後の良い病気です。再発を防ぐためには、日々の水分摂取や排尿習慣に気をつけ、気になる症状があれば早めに医療機関を受診することが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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