尿路感染症の合併症について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿路感染症(にょうろかんせんしょう)とは、腎臓や膀胱、尿道など尿の通り道に細菌が入って起こる感染症です。多くは膀胱だけにとどまりますが、治療が遅れたり、もともとリスクがある方では腎臓にまで感染が広がり、腎盂腎炎などの合併症を起こすことがあります。
重要な事実
- 尿路感染症は女性に多く見られますが、男性や子どもでも起こります。
- 膀胱炎の多くは抗菌薬で治りますが、腎臓に広がると治療が長引くことがあります。
- 妊娠中や高齢者、糖尿病などの基礎疾患がある方は、合併症を防ぐために早めの受診が大切です。
はい、とても一般的な感染症です。特に20代から40代の女性に多く見られます。
女性は男性よりかかりやすいですが、年齢や性別を問わず誰にでも起こりえます。妊娠中の方、高齢者、糖尿病や腎臓の病気がある方、尿路の結石や前立腺肥大がある方、尿を出すためのカテーテルを使っている方は、合併症のリスクが高くなります。
症状
- 高熱(39度以上)と悪寒(ふるえ)がある
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 息が苦しい、呼吸が速い
- おしっこがまったく出ない
- 背中やわき腹に激しい痛みがあり、動けない
- ⚠高熱や悪寒がある
- ⚠腰や背中の強い痛みがある
- ⚠血尿が続く
- ⚠吐き気やおう吐がある
- ⚠妊娠中に発熱や排尿痛がある
一般的な症状
- 排尿時に痛みや焼けつく感じがある
- トイレが近い、または尿が少ししか出ない
- 尿がにごる、血が混じる
- 残尿感がある
- 腰や下腹部の違和感や痛み
- 軽い発熱
子供の症状
- 元気がない、ぐずる
- 食欲がない
- おしっこの色やにおいが変わる
- 今までなかった夜のおねしょが増える
高齢者の症状
- 突然の混乱やぼんやりした様子になる
- 失禁(尿を我慢できない)が増える
- 元気がない、食欲がない
- 発熱(ない場合もあります)
- 動きがにぶくなる
原因
主な原因
- 細菌(多くは大腸菌)が尿道の外から入り、膀胱で増えることが原因です。
- 細菌が尿管をさかのぼって腎臓に達すると、腎盂腎炎という合併症になります。
- 尿の流れが滞ると、細菌が繁殖しやすくなります。
リスク要因
- 女性(尿道が短くて細菌が入りやすい)
- 更年期(女性ホルモンの変化)
- 尿路の結石や前立腺肥大
- 尿道カテーテルを使用している
- 糖尿病や免疫機能の低下
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱や悪寒、腰痛がある
- 血尿や強い痛みがある
- 吐き気やおう吐がある
定期受診を予約すべき場合:
- 排尿時の痛みや頻尿が続く
- 尿の色やにおいがおかしい
- 妊娠中に症状がある場合
診断
診察では、まず症状についてお聞きし、尿検査(検尿)を行って尿の中に細菌や白血球が増えていないかを調べます。必要に応じて血液検査や超音波検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査:採取した尿を顕微鏡や検査キットで調べます
- 血液検査:炎症の程度や腎臓の働きを確認します
- 超音波検査:腎臓の腫れや結石などの異常を確認します
診察で予想されること
診察は通常5〜10分ほどで、尿を容器に取っていただくだけです。痛みはほとんどありません。尿の一番簡単な検査はその場で結果が出ますが、細菌の種類を調べる培養検査には数日かかることがあります。
治療
尿路感染症の治療は、原因となっている細菌を退治する抗菌薬(抗生物質)が中心です。症状の重さや患者さんの状態に合わせて、飲み薬または点滴で治療します。どの薬をどのくらいの期間使うかは、医師が決めます。処方された薬は、指示通りに最後まで飲み切ることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 水分を多めに摂り、尿の流れを良くする
- トイレを我慢せず、膀胱を空にする
- しっかり休む
- カフェインやアルコールを控える
- 下腹部や腰を温めて楽にする(痛みが強い場合は医師に相談)
医療治療
細菌培養の結果に基づいて抗菌薬が選ばれます。軽症の場合は数日から1週間程度の飲み薬で治ることが多いですが、腎盂腎炎などに進行している場合は入院して点滴治療が必要になることがあります。妊娠中や高齢者、基礎疾患がある場合は、安全性に配慮して治療方針が決まります。
手術が検討される場合
感染の原因となる尿路の結石や狭さがある場合は、感染を抑えた後に体外衝撃波や内視鏡などの手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は、処方された薬を最後まで飲みきることが最も大切です。症状が消えても自己判断でやめないでください。また、水分を十分に摂り、こまめに排尿することで回復を助けます。
生活習慣のアドバイス
- 排尿後は前から後ろへ拭く(特に女性)
- 性行為の前後は排尿し、水分を摂る
- 締め付けの強い下着を避け、通気性のよい綿素材を選ぶ
- 1日あたり1.5〜2リットルを目安に水分を摂る
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動で免疫力を保ちましょう。クランベリージュースが予防に良いという話もありますが、確実な根拠は不十分です。
精神的健康と心の健康
感染を繰り返したり、なかなか治らなかったりすると、不安やストレスを感じることがあります。ひとりで抱え込まず、医療者や家族に話しましょう。
予防
尿路感染症を完全に防ぐことはできませんが、水分をしっかり摂る、トイレを我慢しない、排尿後は前から後ろへ拭くなどの生活習慣でリスクを減らせます。
ワクチン
一般的な尿路感染症を予防するワクチンは、現在のところ実用化されていません。
検診プログラム
妊娠中は、無症候性細菌尿(症状のない尿中細菌)を調べる検査が行われることがあります。一般的な健康診断での尿路感染症スクリーニングは、推奨されていません。
合併症
治療しない場合
- 腎盂腎炎(腎臓にまで感染が広がる)
- 血流感染(敗血症)
- 妊娠中の早産や低出生体重児のリスクが高くなる
- 繰り返す感染による腎臓の傷(腎瘢痕)
長期的な見通し
尿路感染症は、適切な治療を受ければほとんどの場合、後遺症なく治ります。腎臓に感染が広がっても、入院治療などの適切なケアで回復が期待できます。大切なのは、早めに医療機関を受診し、治療を続けることです。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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