尿路感染症(UTI)の基礎知識
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿路感染症(にょうろかんせんしょう、UTI)は、尿の通り道(腎臓、尿管、ぼうこう、尿道)に細菌が入り込んで増えることで起こる感染症です。多くはぼうこうで起こり、「ぼうこう炎」と呼ばれます。ひどくなると腎臓にまで広がる「腎盂腎炎」になることもあります。
重要な事実
- 尿路感染症は、女性に多く見られる一般的な病気です。
- 多くは細菌が尿道から入って起こります。
- 早めに治療すれば、通常は数日から1週間程度でよくなります。
はい。尿路感染症はとても一般的で、特に女性は一生のうちに一度は経験すると言われています。
子どもから高齢者まで誰でもかかる可能性があります。特に、女性、妊娠中の方、閉経後の女性、前立腺の病気がある男性、尿の流れが滞りやすい方、免疫力が低下している方はリスクが高くなります。
症状
- 高熱が続く
- 腰や背中に強い痛みがある
- 吐き気やおう吐が激しい
- 意識がもうろうとする
- ⚠肉眼ではっきり分かる血尿がある
- ⚠排尿ができない
- ⚠妊娠中に尿路感染症の症状がある
- ⚠子どもに高熱やふらつきがある
一般的な症状
- おしっこをするときの痛みやしみる感じ
- おしっこの回数が多くなる(頻尿)
- おしっこが濁る、血が混じる
- 下腹部に違和感や重い感じがある
子供の症状
- ぐずる、機嫌が悪い
- おしっこの回数が少ない
- おなかや腰の痛みを訴える
高齢者の症状
- 急にぼんやりする、意識がもうろうとする
- ふらついて転びやすい
- 食欲がなくなる
- 尿失禁が急に増える
原因
主な原因
- 腸にいる細菌(大腸菌など)が尿道から入り込む
- おしっこの流れが滞ると、細菌が繁殖しやすくなる
- 性行為によって細菌が尿道に入りやすくなる
リスク要因
- 女性であること
- 尿道にカテーテル(管)を長期間入れている
- 尿路の形や働きに問題がある
- 免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱や腰の強い痛みがあり、ぐったりしている場合は、ためらわずに119番へ電話してください。
- 血尿が続く、排尿ができない、吐き気がひどい場合は、同じ日に受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- これまでにないおしっこの痛みやしぶりがある
- 尿路感染症を繰り返す
- 妊娠中に症状がある
診断
医師が症状を聞き、尿を調べる検査(尿検査)で細菌や炎症の有無を確認します。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(細菌や白血球が混ざっていないか)
- 場合によっては血液検査
- 繰り返す場合は、超音波(エコー)などで尿路の形を調べることもあります
診察で予想されること
受診時は、紙コップなどで尿をとるよう案内されます。清潔にして、途中の尿をとる「中間尿」という方法で行うことが一般的です。結果はその場で分かることもありますが、細菌の培養検査は数日かかる場合があります。
治療
治療の基本は、抗菌薬(細菌の増殖を抑える薬)を医師の指示に従って飲むことです。症状がなくなっても自己判断でやめずに、処方された分を最後まで飲み切ることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 水分を多めに取り、おしっこをこまめに出す
- おしっこを我慢しない
- 体を冷やさない
- トイレの後は、前から後ろへ拭くなど清潔を心がける
医療治療
尿路感染症の治療には、細菌の増殖を抑える抗菌薬が使われます。症状の重症度や感染の広がりに応じて、内服薬または注射薬が選択されます。妊娠中や再発を繰り返す場合は、治療期間を長めに設定したり、再発予防のための方法を医師と相談することがあります。具体的な薬の名前や用法・用量は、医師または薬剤師にご確認ください。
手術が検討される場合
通常は外科手術が必要になることはありません。ただし、尿路に結石や腫瘍などがあって感染を繰り返す場合は、その原因を取り除くための処置や手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
感染の治療中は、無理をせず十分に休みましょう。水分を多めに取り、おしっこを我慢しないことが大切です。排尿後や入浴時に清潔を保つよう心がけてください。
生活習慣のアドバイス
- トイレを我慢しない
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためない
- 体を冷やさない
食事と運動
特別な食事制限はありません。水分をこまめに取り、バランスのよい食事と適度な運動で免疫力を保つことが役立ちます。症状がある間は激しい運動を避け、体調に合わせて無理のない範囲で活動しましょう。
精神的健康と心の健康
おしっこの痛みや頻尿は不便でつらいものです。再発への不安やストレスを感じることもあるでしょう。一人で抱え込まず、医師や家族、友人に気持ちを伝えることが大切です。
予防
完全に予防することは難しいですが、日頃の習慣でリスクを減らすことはできます。水分を十分に取り、トイレを我慢せず、外陰部を清潔に保つことが大切です。
検診プログラム
特に定期的なスクリーニング(検査)は通常ありません。ただし妊婦健診では尿検査が行われ、感染の有無を確認します。
合併症
治療しない場合
- 腎臓に炎症が広がり、腎盂腎炎(じんうじんえん)になることがある
- 高齢者では意識障害や全身の状態が急に悪化することがある
- まれに、細菌が血液に入り、敗血症(はいけつしょう)という重い状態になることがある
長期的な見通し
尿路感染症は、適切な治療を受ければ多くの場合、数日から1週間程度でよくなります。再発する方もいますが、医師と相談して予防策を取れば、症状をうまくコントロールできます。不安なときは、ひとりで悩まず早めに医療機関へ相談してください。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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