糖尿病のリスクを減らすために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
糖尿病リスクが高い状態とは、まだ糖尿病と診断されていませんが、血糖値が正常より高めで、このままだと糖尿病になりやすい状態です。特に2型糖尿病は、生活習慣を改善することでリスクを大きく減らせることがわかっています。
重要な事実
- 糖尿病の多くは、食べ過ぎ・運動不足・肥満などの生活習慣と深く関係しています。
- 糖尿病リスクが高い段階でも、生活習慣の改善で発症を防げる可能性があります。
- 年に1回の健康診断で血糖値を確認することが、早期発見と予防の第一歩です。
とても身近な健康課題です。健康診断で血糖値が高めと言われる方も少なくありません。
どの年齢でも発症する可能性がありますが、特に40歳以上、肥満傾向、運動不足、家族に糖尿病の方がいる場合にリスクが高くなります。
症状
- 意識がもうろうとする(すぐに119番を呼ぶ)
- 呼びかけに反応しない
- 呼吸が速く深い
- 強い吐き気や腹痛が続く
- ほとんど水分がとれない
- ⚠のどが異常に渇き、何度もトイレに行く
- ⚠体重が急に減った
- ⚠強い疲れやだるさが続く
- ⚠血糖値が高めと言われていて、症状が悪化している
一般的な症状
- のどが異常に渇く
- 尿の量や回数が増える
- 食べているのに体重が減る
- 疲れやすい
- 目のかすみ
- 手足のしびれ
子供の症状
- おねしょが続く
- 急にやせる
- 元気がない
- のどが渇いて水をよく飲む
高齢者の症状
- のどの渇きを感じにくい
- 体がだるい
- 口や皮膚が乾燥する
- 皮膚のかゆみ
- ぼんやりする
原因
主な原因
- 血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きが悪くなること
- 食べ過ぎや運動不足による体重増加
- 内臓脂肪の蓄積
- 遺伝的な体質
リスク要因
- 肥満(特に内臓脂肪が多い)
- 運動不足
- 高カロリーの食事や甘い飲み物のとりすぎ
- 家族に糖尿病の人がいる
- 妊娠糖尿病の既往がある
- 高血圧や脂質異常症がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血糖値が高めと言われ、のどの渇きや頻尿などの症状がある場合
- 短期間で体重が大きく減った場合
- 体調が急に悪化し、水分もとれない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で血糖値が高めだった場合
- 家族に糖尿病の人がいて、自分の血糖値が気になる場合
- 生活習慣を見直すきっかけがほしい場合
診断
病院では、血液検査の結果と体の状態をもとに、糖尿病か、リスクが高い状態かを医師が判断します。自分で診断せず、必ず医療機関で確認してください。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖(朝食前の血糖値)
- HbA1c(過去1~2か月の平均的な血糖値)
- 随時血糖(食事の時間に関係なく測る血糖値)
- 75g経口ブドウ糖負荷試験(糖入りの試験液を飲んで、時間ごとに血糖値を測る検査)
診察で予想されること
検査は採血が中心です。朝食を抜いて受診する場合や、ブドウ糖負荷試験では2時間ほどかかることもあります。結果や今後の方針は医師が説明します。
治療
糖尿病リスクが高い場合、最初の治療は生活習慣の見直しです。必要に応じて医師が薬物療法を検討することもありますが、まずは食事・運動・体重管理が基本になります。
自宅でのセルフケア
- 3食を規則正しく食べる
- 野菜やきのこ、海藻などを先に食べる
- ごはんやパンなどの食べすぎに注意する
- 毎日10~30分の散歩や軽い運動を続ける
- 体重を管理する(目安は現体重の5%減)
- 睡眠を十分にとり、ストレスをためない
- 禁煙し、お酒は適量までにする
医療治療
医師がリスクの程度に応じて、生活習慣の改善に加えて薬物療法を検討することがあります。薬の名前や用量は、必ず医師の処方を守ってください。自己判断で中止したり量を変えたりせず、医師や薬剤師に相談しましょう。
手術が検討される場合
通常、糖尿病リスクを下げるだけのために手術が行われることはありません。ごく一部の重度の肥満がある方では、減量を目的とした手術が検討されることもありますが、必ず担当医と十分に相談することが必要です。
この病気と共に生きる
糖尿病リスクが高いと知ることは、将来の健康を守るチャンスです。毎日の食事や運動を少しずつ整え、無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日体重計に乗る習慣をつける
- 歩く時間を少し増やす(通勤や買い物で)
- 階段を使う
- 甘い飲み物を控える
- 睡眠時間をしっかり確保する
- 禁煙・節酒を心がける
食事と運動
食事は、野菜やたんぱく質を先に食べ、ごはんなどの炭水化物は最後にすると、食後の血糖値が上がりにくくなります。運動は、息がはずむ程度の早歩きを1日30分、週に150分ほどが目安です。始める前に医師や専門家に相談すると安心です。
精神的健康と心の健康
血糖値のことを考えると不安や焦りを感じることもありますが、それは自然な気持ちです。ストレスは血糖値にも影響するため、リラックスする時間を大切にしましょう。気分の落ち込みや眠れない日が続くときは、一人で抱え込まず医療機関に相談してください。
予防
2型糖尿病は、多くの場合、生活習慣の改善で予防したり、発症を先延ばしにしたりすることができます。体重を適正に保つこと、運動習慣、バランスの良い食事が大きな効果をもたらします。
ワクチン
糖尿病そのものを予防するワクチンは現在ありません。ただし、糖尿病リスクが高い方は感染症にかかると重症化しやすいことがありますので、医師がすすめる予防接種も健康管理の一つとして検討しましょう。
検診プログラム
健康診断の血液検査で血糖値やHbA1cを確認できます。日本では40歳以上を対象に「特定健康診査」が行われており、糖尿病リスクの早期発見に役立ちます。自治体や職場の健康診断を積極的に利用しましょう。
合併症
治療しない場合
- 網膜症:目のかすみや視力低下
- 腎症:腎臓の働きが低下する
- 神経障害:手足のしびれや感覚がにぶる
- 心筋梗塞や脳卒中などの血管のトラブル
- 感染症にかかりやすくなる
長期的な見通し
糖尿病リスクが高いとわかったことは、早めに行動する大切なきっかけです。多くの人は、生活習慣を改善することで発症を防ぎ、健康な日々を長く保つことができます。完璧を目指さなくても、少しずつの変化が未来につながります。医師と一緒に、自分に合った方法を見つけていきましょう。
サポートを探す
地域の団体
- かかりつけ医 / 地域の保健センター · 日本
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。