糖尿病と旅行:安全に楽しむためのガイド
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
糖尿病(とうにょうびょう)は、血糖値(けっとうち)が高くなりすぎる病気です。血糖値とは、血液の中のブドウ糖の量のことです。体の中ではインスリンというホルモンが血糖値を下げる働きをしますが、糖尿病ではインスリンの出方や働きが悪くなります。旅行中は、いつもと違う食事や活動、時間帯の変化によって血糖値が変わりやすいため、事前の準備と工夫がとても大切です。
重要な事実
- 旅行の前には、かかりつけ医に相談し、治療薬を多めに用意してもらいましょう。
- 薬や血糖測定器は、機内持ち込みの手荷物に入れてください。
- 時間帯のずれがあるときは、医師と一緒に薬の時間を調整する計画を立てます。
- 低血糖に備えて、砂糖入りの飲み物や飴を持ち歩きましょう。
糖尿病は、日本でも多くの人が治療している身近な病気です。国内だけでなく海外旅行をする人の中にも、糖尿病の人はたくさんいます。
1型糖尿病は子どもや若い人に、2型糖尿病は中高年を中心に多く見られます。ただし、どの年齢でも発症する可能性があり、旅行の準備はすべての患者さんにとって重要です。
症状
- 意識がもうろうとして、呼びかけに反応しない
- けいれんが起きた
- ぐったりして、水分をとれない
- 息が甘いにおいがする
- ⚠血糖値が非常に高くなり、吐き気や腹痛がある
- ⚠低血糖を起こして、糖分をとっても改善しない
- ⚠高熱や下痢が続き、水分がとれない
- ⚠足に傷ができて、赤くはれている
一般的な症状
- のどが渇きやすい
- トイレの回数が多い
- 疲れやすい
- 体重が減る
- 傷が治りにくい
子供の症状
- 夜おねしょをするようになった
- 急にやせた
- 元気がない
- 甘い物を異常にほしがる
高齢者の症状
- 症状がはっきりせず、見逃されやすい
- 足のしびれや目のかすみなど、合併症で気づくことがある
- 感染症にかかると治りにくい
原因
主な原因
- 1型は、体の免疫の働きが、すい臓のインスリンを作る細胞を壊してしまうことが原因です。
- 2型は、インスリンの働きが悪くなったり、不足したりして起こります。食べ過ぎや運動不足、遺伝が関係します。
リスク要因
- 家族に糖尿病の人がいる
- 肥満や運動不足
- 高血圧や脂質異常症
- 妊娠中に糖尿病になったことがある
- 加齢(特に40歳以上)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 旅行中に、何度も低血糖を起こす
- 血糖値が高く、食事や水分が全然とれない
- 熱や下痢が続き、体がだるくて動けない
定期受診を予約すべき場合:
- 旅行の1〜2か月前に、医師の診察を受けましょう
- 今の治療で血糖のコントロールが安定しているか確認しましょう
- 旅行先に必要な薬や書類(英文の診断書など)を用意してもらいましょう
診断
糖尿病は、血液検査で血糖値を測って診断します。さらに、採血で過去1〜2か月の血糖の平均を表すヘモグロビンA1c(HbA1c)を調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖検査(8時間以上食事をとらずに測る)
- ブドウ糖負荷試験(ブドウ糖を飲んで、時間とともに血糖を測る)
- ヘモグロビンA1c(HbA1c)
診察で予想されること
診察では、症状や家族歴、生活習慣を聞かれます。検査結果を受けて、医師から治療や日常生活のアドバイスがあります。旅行の予定がある場合は、そのことも前もって伝えておきましょう。
治療
治療の中心は、食事・運動・薬をうまく組み合わせて、血糖をよい状態に保つことです。旅行中も、この基本を守りながら過ごします。
自宅でのセルフケア
- 旅行前に、現在の治療薬を多めに処方してもらい、常に2〜3日分の余裕を持たせる
- すべての薬と血糖測定器を、手荷物(機内持ち込み)に入れる
- 低血糖対策に、砂糖入りの飲み物や飴を持ち歩く
- 時間帯がずれる場合は、医師と調整したスケジュールをメモにしておく
- こまめに水分をとり、脱水を予防する
医療治療
糖尿病の治療には、血糖を下げる飲み薬や注射薬があります。必要な人には、インスリンというホルモンを注射する治療も行います。どの薬を使うか、どのタイミングで使うかは、医師があなたの体調や検査値をみて決めます。旅行中に体調が変わったら、自己判断せずに医療機関に相談してください。
この病気と共に生きる
毎日の生活では、食事の時間や量を意識し、定期的に血糖を測ります。旅行中も、いつものパターンをできるだけ崩さないようにしましょう。移動中は、こまめに歩いたり伸びをしたりして、血行をよくすることも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 歩きすぎや激しい運動は低血糖を招くため、休憩をはさみながら無理をしない
- 朝晩、足の裏や指の間をよく観察し、傷やまめがないかチェックする
- 旅行保険に加入し、糖尿病と治療薬について伝えておく
- 旅先の医療機関の場所や連絡方法を把握しておく
食事と運動
食事は、野菜から食べて炭水化物を控えめにするなど、バランスを意識しましょう。運動は血糖値を下げる効果がありますが、食事とのタイミングによっては低血糖になることもあります。旅行中は特に、運動の強さや時間を普段通りに心がけ、体調に合わせて調整します。
精神的健康と心の健康
糖尿病患者さんは、周囲に病気を理解されなかったり、旅行先での食事や薬の管理に不安を感じたりすることがあります。ストレスがたまると血糖値も上がりやすくなります。リラックスする時間を持ち、必要なら家族や友人、医療者に気持ちを話してください。
予防
1型糖尿病は予防することはできませんが、2型糖尿病は、バランスのよい食事、適度な運動、健康的な体重を保つことで予防や発症を遅らせることができます。旅行中のトラブルも、準備と注意によって防げます。
ワクチン
旅行先によっては、風土病の予防接種が必要な場合があります。また、インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は、糖尿病の合併症を防ぐために検討しましょう。接種できるかどうか、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
定期的な健康診断で、血糖値やヘモグロビンA1cをチェックしましょう。特に家族歴がある人や肥満の人は、年に1回の検査がすすめられます。
合併症
治療しない場合
- 血糖値が高い状態が続くと、目(網膜症)、腎臓(腎症)、神経(神経障害)に合併症が起こりやすくなります。
- 心筋梗塞や脳卒中など、重大な血管の病気のリスクも上がります。
- 旅行中に血糖が大きく乱れると、脱水や低血糖で意識を失う危険があります。
長期的な見通し
糖尿病と診断されても、適切な治療と生活管理を続ければ、旅行や普段の生活を元気に楽しめます。あなたの体は、正しいサポートときちんと準備があれば、十分に対応できます。医師と一緒に、無理のない目標を立てましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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