職場でできる腎臓結石の予防~水分補給と上手な働き方~
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎臓結石は、尿の中に含まれるカルシウムやシュウ酸などの成分が、腎臓の中で固まって石のようなものになる病気です。石ができても症状がないこともありますが、尿の通り道に動くと、腰やわき腹に強い痛みや血尿を引き起こすことがあります。
重要な事実
- 水分をこまめに補給することで、腎臓結石を予防しやすくなります。
- デスクワークや夜勤のようにトイレに行く機会が少ない仕事では、意識して水分をとることが大切です。
- 腰痛や血尿などがサインになることがありますが、痛みのない結石もあるため、健康診断での尿検査も重要です。
腎臓結石は日本人に比較的多く見られる病気で、働き盛りの世代で診断されることが多いです。
20〜50代の男性に多い病気ですが、近年は女性やデスクワークをする人にも増えています。屋外で働く方や、夜勤のある方も、水分不足に注意が必要です。
症状
- 突然の激しい腰やわき腹の痛みで動けない場合
- 痛みとともに高熱が出ている場合
- 尿がまったく出ず、おなかが張って苦しい場合
- ⚠肉眼でわかる血尿がある
- ⚠痛みはあるが、何とか我慢できる程度
- ⚠吐き気やおう吐が続く
- ⚠仕事中に痛みが起きて、座っていられない
一般的な症状
- 腰やわき腹の突然の強い痛み
- 血尿(尿に血が混じる)
- 吐き気・おう吐
- 尿がにごる
- 残尿感や排尿時の痛み
原因
主な原因
- 尿が濃くなると、結石ができやすくなります。特に、汗をかく仕事や水分補給が少ないと、尿が濃くなりやすいです。
- 職場の冷房が強くても、無意識のうちに水分が出ていくことがあり、水分不足になることがあります。
- 塩分の多い食事や動物性たんぱく質のとりすぎも、結石の原因になります。
リスク要因
- 水分を1日1.5リットル以上とらない
- 汗をかく仕事(屋外作業・厨房など)
- トイレを我慢する習慣
- 夜勤や残業で水分補給のタイミングが少ない
- 塩分や甘い飲み物を多くとる
- 家族に腎臓結石の人がいる
- 肥満や糖尿病、高血圧の治療をしている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 腰やわき腹の強い痛みが突然始まった場合
- 発熱や血尿をともなう場合
- 排尿ができない、または極端に少ない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で血尿を指摘された場合
- 過去に腎臓結石と診断されたことがある人は、定期的な泌尿器科の検査を受けてください。
- 仕事中や通勤中に繰り返し腰や下腹部の不快感がある場合
診断
泌尿器科で、問診、尿検査、血液検査、画像検査を行って診断します。痛みの程度や結石の位置・大きさを確認し、適切な治療方針を決めます。
行われる可能性のある検査
- 腹部の超音波(エコー)検査
- X線(レントゲン)検査
- CT検査
- 血液検査
診察で予想されること
検査は外来で行われることがほとんどで、痛みはありません。ただし、強い痛みがある場合は、状況に応じて痛みを和らげる処置をした上で検査を行います。まずは現在の症状や仕事の環境、水分補給の習慣などを医師に伝えましょう。
治療
結石の大きさや場所、症状によって治療の選択肢は異なります。小さな石の場合は、水分と食事の指導を受けながら、自然に排出されるのを待つことがあります。
自宅でのセルフケア
- こまめに水分をとる(のどが渇く前に)
- 尿意を感じたら、我慢せずにトイレに行く
- 痛みがあるときは、無理に動かずに休む
- 塩分の多い食事やお酒の飲みすぎを控える
医療治療
症状に応じて、結石を出しやすくする薬や、尿の流れをよくする薬が処方されることがあります。痛みが強い場合には、医師が適切な痛み止めを使用します。また、食事・水分指導や生活習慣の見直しも治療の一部です。
手術が検討される場合
大きな結石、強い症状がある場合、腎臓に影響が出ている場合などには、体外から衝撃波で結石を砕く「体外衝撃波結石破砕術」や、内視鏡を使う手術が検討されることがあります。緊急性がなければ、仕事の予定に合わせて治療を計画的に受けることも可能です。
この病気と共に生きる
仕事中は、いつでも水分をとれるように、机の上にペットボトルや水筒を置き、1時間に1回は水分補給をおこなう習慣をつけましょう。トイレに行けない状況が続く夜勤などでは、休憩時間を利用して水分を補給することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- こまめな休憩と水分補給
- トイレを我慢しない
- バランスのよい食事と、塩分を控える工夫
- 適度な運動と十分な睡眠
- 仕事のストレスや疲れをためすぎない
食事と運動
塩分を控えめにし、シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、ナッツ類、ココアなど)を一度に大量に食べないよう心がけましょう。動物性たんぱく質はほどほどにし、野菜や果物を十分にとるとよいです。運動は適度なおこなうことが大切ですが、激しい運動で汗をかく場合は、運動前後の水分補給を忘れないでください。
精神的健康と心の健康
仕事中に強い痛みが起きるかもしれないという不安や、何度も結石ができてしまうことにストレスを感じることもあります。無理をして休憩をとらずにいると、症状が悪化したり、仕事に集中できなくなったりすることがあります。周囲に症状や必要な休憩について伝え、自分だけで抱え込まないようにしましょう。
予防
腎臓結石は、水分を十分にとることと、生活習慣を整えることで、予防しやすくなります。特に仕事中の水分補給を工夫することが効果的です。
検診プログラム
職場の健康診断の尿検査で血尿や異常が指摘された場合は、医療機関で追加の検査を受けましょう。結石を繰り返している人は、定期的な画像検査や血液検査で経過を確認します。
合併症
治療しない場合
- 結石が尿の流れをふさぐと、腎臓の内圧が上がり、水腎症という腎臓のはれが起こることがあります。
- 感染をともなうと、腎盂腎炎という炎症を起こし、高熱やショック状態になることがあります。
- 長期間放置すると、腎機能が低下することもあります。
長期的な見通し
腎臓結石は、多くの場合、適切な治療と生活習慣の改善によって、痛みや症状の緩和、再発予防が期待できます。急いで結論を出さず、泌尿器科医の説明を聞きながら、自分のペースで対策を続けましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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