腎炎を予防するために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎炎(じんえん)とは、腎臓に炎症が起こる病気の総称です。腎臓は、体の中の老廃物をろ過して尿として出す大切な臓器ですが、炎症が起こるとそのはたらきが弱まってしまいます。
重要な事実
- 腎炎は、感染症や免疫の異常、生活習慣などがきっかけで起こることがあります。
- 早期に気づいて治療すれば、腎臓の機能を保てる可能性が高まります。
- のどの痛みや風邪のような症状のあとに、血尿やむくみが現れることがあります。
腎炎は日本では決して珍しい病気ではありません。特に若い世代にも見られることがあり、慢性腎炎は成人の腎臓病の原因として重要な位置を占めています。
子どもから高齢者まで、どの年代でも起こり得ます。特に扁桃炎などの感染症のあとに起こる急性腎炎は子どもに多く、慢性の腎炎は中高年に多く見られます。
症状
- 急に息苦しくなる
- 意識がもうろうとする
- おしっこが1日中まったく出ない
- ⚠血尿がはっきり見える
- ⚠急にむくみが強くなる
- ⚠発熱と腰背部の痛みがある
一般的な症状
- むくみ(特に朝のまぶたや足)
- 血尿(尿が赤茶色になる)
- 尿の量が減る
- 疲れやすさ
子供の症状
- 風邪やのどの痛みのあと、1〜2週間してから血尿やむくみが出る
- おしっこの量が減る
- 顔色が悪い
高齢者の症状
- 足や顔のむくみ
- だるさや食欲低下
- 動悸や息切れ
- 夜間の尿回数が多い
原因
主な原因
- 細菌やウイルスによる感染症(特に扁桃炎や溶連菌感染症)がきっかけになる
- 自己免疫の異常(自分の免疫が腎臓を攻撃する)
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病
- 特定の薬剤や化学物質の影響
リスク要因
- のどの炎症(扁桃炎)を繰り返す
- 家族に腎臓病の人がいる
- 高血圧や糖尿病を抱えている
- 喫煙や過度の飲酒
- 十分な睡眠や休息が取れない生活
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血尿や強いむくみが見られたら
- 尿の量が急に減ったら
- 高血圧が続く、または頭痛や視界のぼやけがある
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で尿にたんぱくが出ている、または血尿を指摘されたら
- 糖尿病や高血圧で通院中の方は、定期的に腎機能のチェックを
診断
医師の診察では、症状や病歴を詳しくお聞きしたうえで、尿検査や血液検査を行い、腎臓の状態を評価します。必要に応じて、画像検査や腎生検(腎臓の組織を一部採取して調べる検査)が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(たんぱく尿や血尿など)
- 血液検査(腎機能を表す値や炎症の有無)
- 超音波(エコー)検査(腎臓の形や大きさ)
- 腎生検(顕微鏡で詳しく調べるための組織採取)
診察で予想されること
検査は多くが外来で受けられます。腎生検は入院や安静が必要になることもありますが、医師がていねいに説明してくれます。不安な点は遠慮なく質問してください。
治療
治療は腎炎の原因や重症度によって異なります。急性腎炎では、原因となる感染症の治療と安静・食事管理が基本です。慢性腎炎では、進行を抑えるために血圧やむくみの管理、食事療法、生活習慣の見直しを行います。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息と睡眠を取る
- 指示された水分量を守る(むくみがある場合は医師と相談)
- 塩分を控えめにする
- 禁煙を心がける
- アルコールはほどほどにする
医療治療
医師の判断のもと、炎症を抑える薬、血圧を下げる薬、免疫力を調整する薬などが使われることがあります。透析や腎移植が必要になることもありますが、多くの場合は保存的治療(薬と生活管理)で進行を抑えられます。薬の種類や量は必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
手術が行われることはまれですが、尿路の異常などが原因の場合は、それを治療する手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
腎炎と診断されたら、定期的な通院と生活習慣の見直しが大切です。急に悪くなることがあるので、体調の変化に注意し、記録しておくと医師との相談に役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 決められた時間に薬を飲む
- 血圧を毎日測る
- 体重や尿の様子をチェックする
- 疲れをためず、無理をしない
食事と運動
むくみや高血圧があるときは、医師や管理栄養士の指導のもとで塩分を控え、たんぱく質や水分の摂り方にも注意します。運動は医師と相談しながら、無理のない範囲で体を動かすことがすすめられます。
精神的健康と心の健康
慢性の病気と向き合うことは、不安やストレスを感じることもあるでしょう。気持ちのつらさを一人で抱えず、家族や友人、医療者に話すことが大切です。必要に応じて心のケアも受けられます。
予防
腎炎のすべてを予防することはできませんが、感染症を予防し、生活習慣を整えることで、腎臓に負担をかけないようにすることは可能です。特に、のどの炎症を繰り返さないこと、むくみや血尿に早めに気づくことが大切です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は、感染症による腎炎の発症リスクを下げるために役立つことがあります。予防接種については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
健康診断の尿検査は腎炎の早期発見に役立ちます。厚生労働省が推奨する特定健康診査なども活用し、年に1回は必ず受けるようにしましょう。学校検診でも子どもの腎炎のサインが見つかることがあります。
合併症
治療しない場合
- 慢性腎不全(腎臓のはたらきが徐々に低下する)
- 心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)のリスク上昇
- 透析が必要になる腎不全の進行
長期的な見通し
腎炎は早期に発見し、適切に治療すれば、多くの場合、進行をゆっくりに抑えられます。医療の進歩により、以前よりずっとよい状態を長く保てるようになっています。希望を持って、医師と一緒に治療を続けていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。