高血糖のスクリーニング(血糖値チェック)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
高血糖のスクリーニングとは、まだ自覚症状のない人の血液中の糖分(血糖値)を定期的に測って、糖尿病やその一歩手前の状態(糖尿病予備群)を早く見つけるための検査です。血糖値は、食べ物から得るエネルギーを体がうまく使うための調整がうまくいかないと高くなることがあります。早期発見すれば、健康的な生活を続けることで重い病気に進むのを防ぎやすくなります。
重要な事実
- 高血糖は初期のうちはほとんど症状がないため、検査でしか気づかないことが多いです。
- 健康診断の血液検査で簡単に測ることができ、負担が少ない検査です。
- 血糖値が高めでも、生活習慣の改善や医師の指導によってリスクを大きく減らせます。
はい、とても一般的です。日本では糖尿病が強く疑われる人が約1,000万人、可能性を否定できない人を含めると約2,000万人いると言われています。年齢を重ねるほど増えるため、特に中高年では多くの人が検査を受ける価値があります。
誰にでも起こり得ますが、家族に糖尿病の人がいる方、肥満傾向の方、運動不足の方、食生活が偏っている方、40歳以上の方は特に注意が必要です。妊娠中に血糖値が高くなった経験のある方もリスクが高まります。
症状
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 深く速い呼吸(息をはくときに甘い果物のようなにおいがする)
- 激しい腹痛や嘔吐が続く
- これらの症状がある場合はすぐに救急車(119番)を呼んでください
- ⚠高熱や下痢、嘔吐があり水分が取れない
- ⚠血糖値が著しく高く(自分の測れる人は)体調が急に悪い
- ⚠普段と違う強いだるさや眠気が続く
- ⚠このような場合は、当日中に医療機関に連絡してください
一般的な症状
- のどの渇きが強く、水を多く飲むようになる
- トイレ(尿)の回数が増える
- 体がだるい、疲れやすい
- 食べているのに体重が減る
子供の症状
- めったにありませんが、まれに急に血糖値が高くなることがあります
- 極端なのどの渇きと頻尿が続く
- 元気がない、体重が減る
- おねしょが急に増える(幼い子どもの場合)
高齢者の症状
- のどの渇きなどを感じにくいこともあるため、気づかないことがあります
- なんとなく元気が出ない、ぼんやりする
- 視界がかすむ
- 皮膚や尿道の感染症をくり返す
原因
主な原因
- すい臓から出るインスリン(血糖を下げるホルモン)の働きが弱くなる
- インスリンが十分に分泌されない
- 食べすぎや運動不足など、生活習慣の乱れが長期間続く
- 遺伝的な体質も関係する
リスク要因
- 家族(親・兄弟姉妹)に糖尿病の人がいる
- 過体重または肥満(特に内臓脂肪が多い)
- 運動習慣がない
- 高血圧、脂質異常症、脂肪肝がある
- 妊娠中に糖尿病(妊娠糖尿病)と診断されたことがある
- 年齢が40歳以上
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状・急変サインがある場合はすぐに医療機関へ
- めまいや意識がぼんやりするなど、いつもと様子が違う場合は急いで受診
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断や人間ドックで血糖値が「高め」「要再検査」と言われた場合は、早めにかかりつけ医または内科を受診
- 40歳以上の方は年に1回は血糖値の検査を
- リスク(家族歴・肥満など)がある方は年1回の検査がおすすめ
- 妊娠を計画している方、妊娠中の方は産婦人科で血糖値を確認
- 糖尿病と診断されている方は医師の指示に従って定期的に受診
診断
高血糖があるかどうかは、主に血液検査で調べます。通常の健康診断で行う「血糖値」のほか、過去1~2か月の平均的な血糖の状態がわかる「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」という検査も使われます。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖検査:8~10時間以上食事を抜いた状態での血糖値
- HbA1c検査:過去1~2か月の平均的な血糖値を反映する指標
- 75g経口ブドウ糖負荷試験:糖を溶かした水を飲み、時間を追って血糖値を数回測る検査
診察で予想されること
検査はからだへの負担が少なく、採血するだけです。結果は通常、数日でわかります。空腹時血糖検査は前日の夜から朝まで食事を控える必要があります。予約時に医療機関から指示があるので、それに従ってください。診断は1回の検査だけでなく、日を変えて2回繰り返すなど、慎重に判断されます。
治療
高血糖の治療は、まず食事・運動・ストレス管理などの生活習慣を見直すところから始まります。それでも目標に達しない場合は、医師の判断で薬による治療が加わります。治療の主な目的は、血糖値を安全な範囲に保ち、長い目で見て合併症を防ぐことです。
自宅でのセルフケア
- 野菜やきのこ、海藻などの食物繊維をしっかり取り、ご飯やパンなどの糖質を一度に取りすぎないようにする
- 毎日30分程度の軽い運動(歩く・体操など)を続ける
- 十分な睡眠と休養をとり、ストレスをためないようにする
- お酒や甘い飲み物、脂っこい食事はほどほどにする
- 自分の血糖値を測定している場合は、記録をつけて医師や看護師と共有する
医療治療
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合、糖尿病の治療薬が処方されることがあります。薬には飲み薬と注射薬がありますが、どの薬が合うかは個人差が大きく、年齢や腎臓の状態、ライフスタイルなどを考慮して医師が決めます。必ず医師の指示された用量・回数を守り、自己判断で中止したり量を変えたりしないでください。気になることがあれば、薬剤師や医師に相談しましょう。
この病気と共に生きる
高血糖と診断されても、日々の暮らしを大きく悲観する必要はありません。朝の散歩を増やす、食事の野菜を先に食べる、といった小さな工夫を積み重ねることが何より大切です。定期的に血糖値をチェックし、体調の変化に耳を傾けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎年(または医師の指示に従って)定期的に血液検査を受ける
- 通院や処方された治療を中断しない
- 外出時は飲み物や「もしもの時のブドウ糖」の代わりになるものを持ち歩く
- 禁煙・節酒を心がける
- かかりつけ医をつくり、気になることは早めに相談する
食事と運動
食事は、主食(ご飯・パン・麺)、主菜(魚・肉・卵・大豆)、副菜(野菜・きのこ・海藻)をバランスよく並べましょう。食べる順番は野菜→主菜→主食にすると血糖の上がり方がゆるやかになります。運動は、食後に10分歩くだけでも効果があります。運動を始める前に、持病や体調に合わせて医師に確認すると安心です。
精神的健康と心の健康
高血糖や糖尿病の診断を受けると、「これからの生活が変わってしまう」と不安やショックを感じるのは自然なことです。時にはイライラしたり気分が落ち込んだりすることもあるでしょう。それは決して「あなたの弱さ」ではなく、どんな人にもある反応です。つらいときは、ひとりで抱え込まずに医療者や家族に話してください。日本では、糖尿病の患者さん向けの心理的サポートや相談窓口も全国にあります。
予防
多くの場合、高血糖は生活習慣の見直しである程度予防できます。特に、体重を適正に保つこと、歩くことを増やすこと、甘い飲料を控えること、野菜をしっかり食べることなどが効果的とされています。家族歴がある方でも、早めに生活を整えることで発症や進行を抑えられる可能性があります。
検診プログラム
日本では厚生労働省が40歳以上の方を対象に特定健診(メタボリックシンドローム健診)を行っており、その中で血糖値の測定も行われます。症状がなくても、年に1回は健康診断を受けましょう。すでに糖尿病と診断されている方も、合併症の有無を確認するために定期的な検査が欠かせません。
合併症
治療しない場合
- 心臓病や脳卒中(血管の病気)のリスクが高まる
- 腎臓の働きが低下し、腎不全になることがある
- 神経が傷つき、しびれや感覚の低下が起こる
- 網膜の血管が傷み、視力低下や失明のリスクがある
- 感染症にかかりやすくなり、治りにくくなる
長期的な見通し
高血糖とわかったからといって、絶望する必要はありません。実際、多くの人が治療と生活改善を続けて、健康な生活を何十年も送っています。早期に発見し、きちんと管理すれば、合併症を防いで穏やかな日常生活を保つことができます。あなたのペースで一歩ずつ取り組んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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