腎結石(じんけっせき)の検査とスクリーニング
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎臓(じんぞう)の中で、尿の中のカルシウムや尿酸などが固まって、石のようなもの(結石)ができることがあります。これが「腎結石(じんけっせき)」です。多くは腎臓の中にありますが、石が動いて尿の通り道に詰まると、強い痛みや血尿などを引き起こすことがあります。
重要な事実
- 腎結石は比較的よくある病気で、多くは水分不足や食習慣が関係しています。
- 石の大きさや場所によって、自然に尿と一緒に出てくることもありますが、治療が必要な場合もあります。
- 健康診断やなんらかの検査で偶然見つかることも多く、自覚症状がないこともあります。
日本では、生涯のうちに約10人に1人が一度は尿路結石を経験すると言われる身近な病気です。近年は増加傾向にあります。
30〜50歳代の男性に多いですが、女性や子どもでもかかることがあります。食生活の変化や肥満、水分摂取の不足が影響すると考えられています。
症状
- 突然、動けないほどの強い痛みがある
- おしっこがまったく出ない
- 高熱が出て、意識がもうろうとする
- 激しい痛みとともに血尿があり、ふらふらする
- ⚠痛みが続いているが我慢できるレベル
- ⚠37.5度以上の熱がある
- ⚠吐き気や嘔吐が続く
- ⚠血尿が続く
- ⚠水も飲めないほどの体調不良
一般的な症状
- 背中やわき腹が急に激しく痛む
- 血尿(尿に血が混じる)
- 吐き気や嘔吐、冷や汗
- トイレに行きたい感じが続く
- 排尿時の痛み
子供の症状
- わき腹や背中ではなく、「おなかが痛い」と訴えることが多い
- おしっこの痛みやおしっこの回数が多い
- 原因がはっきりしない発熱がある
高齢者の症状
- 痛みを感じにくいことがあり、なんとなくだるい、食欲がないといった症状だけのこともある
- 発熱や、尿の濁り、排尿の違和感をきっかけに見つかることもある
- 意識がもうろうとするなど、感染症を合併しているサインに注意が必要
原因
主な原因
- 水分不足で尿が濃くなり、尿の中の成分が結晶化してしまうこと
- カルシウムやシュウ酸、尿酸など、結石のもとになる成分が尿に多く含まれること
- 尿検査や超音波検査で偶然見つかることもあり、原因がはっきりしないこともある
リスク要因
- 男性である
- 家族(親や兄弟)に尿路結石の人がいる
- 水分をあまり飲まない
- 塩分や動物性たんぱく質の多い食事
- 暑い環境での仕事や屋外活動で汗をかくことが多い
- 尿酸値が高い、糖尿病、高血圧などの持病がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 前述の「緊急」症状がひとつでもある場合
- 痛みが強くて日常生活が送れない場合
- おしっこがスムーズに出ない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で尿に血が混じると結果が出た場合
- 血尿が何度か続く場合
- 背中やわき腹の痛みがくり返す場合
- 過去に腎結石と診断されて、フォローアップをすすめられた場合
診断
腎結石の診断は、まずお話をうかがって(問診)、そのあとに尿検査、血液検査、超音波(エコー)検査、X線やCT検査などを行います。これらの検査で、石の場所、大きさ、数量、水分の状態を確認します。
行われる可能性のある検査
- 尿検査:血尿や感染の有無を調べます
- 血液検査:腎臓の働きや、尿酸・カルシウムなどの値を調べます
- 超音波検査:おなかの上から検査する痛みの少ない検査です
- CT検査:石の有無を詳しく確認でき、詰まりの程度もわかります
診察で予想されること
検査は通常、外来で行い、多くの場合、その日のうちに結果の説明を受けられます。すでに激しい痛みがあるときは、まず痛みをやわらげるための処置が先に行われます。検査を不安に感じる方は、遠慮なく医師や看護師にその気持ちを伝えましょう。
治療
腎結石の治療は、石の大きさや場所、症状の有無、腎臓への影響などを考えて決めます。小さな石で症状がなければ、自然に排尿とともに出てくるのを待つこともあります。痛みや合併症がある場合は、専門的な治療が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 水分をこまめに多めに飲み、尿を薄く保つ
- 痛みが続くときは、無理に動かず安静にする
- バランスのよい食事を心がける
- 激しい痛みや発熱があれば、自己判断せず医療機関に連絡する
医療治療
一般的な治療には、「体外衝撃波結石破砕術」という体の外から石に衝撃波を当てて砕く方法や、内視鏡(ないしきょう)という細い管を使って石を尿道から取り出す方法などがあります。これらの方法は、状況に応じて医師が選択します。薬を使う場合もありますが、どの治療が適しているかは、必ず医師に相談して決めてください。
手術が検討される場合
石が大きく、自然に排石(はいせき)できない場合や、詰まりで水腎症(尿が腎臓にたまること)を起こしている場合、感染症を合併している場合などは、入院しての治療や手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
腎結石と診断された後も、ほとんどの方は普通に日常生活を送れます。大切なのは、水分を十分に取り、尿を濃くしないことです。痛みがぶり返すこともあるので、違和感があれば早めに医療機関へ相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日こまめに水分を補給する(目安は1日2リットル程度)
- 夜寝る前と朝起きたときに1杯の水を飲む
- 塩分を取りすぎない
- 適度な運動で肥満を予防する
- アルコールはほどほどにし、飲みすぎに注意する
- 痛みや血尿が出たときのために、受診先を決めておく
食事と運動
腎結石の予防には、水分を十分に取ること、塩分を控えめにすることが大切です。また、肉や魚などの動物性たんぱく質をとりすぎない、腸内環境を整えるために野菜や果物を意識して食べる、といったこともすすめられます。運動は尿の成分バランスを整えるのに役立つとされていますが、汗をかく場合は、その分しっかり水分補給をしましょう。
精神的健康と心の健康
激しい痛みがくり返すと、不安や恐怖を感じることがあるかもしれません。「また痛みが出るのでは」という気持ちは自然なものです。気になる症状や心配事は、医師や看護師に率直に話してみてください。必要に応じて、痛みの対処法や生活面での工夫を一緒に考えてくれます。
予防
すべての腎結石を完全に予防することはできませんが、水分を十分に取ること、食生活を見直すこと、適度な運動を続けることで、結石ができるリスクをかなり下げられることがわかっています。特に、水分不足は結石の大きな要因なので、毎日の習慣として水を飲むことがたいせつです。
検診プログラム
日本では集団検診としての腎結石スクリーニングは一般的ではありませんが、健康診断の尿検査や腹部超音波検査で偶然見つかることも多いです。症状がなくても尿検査で血尿を指摘された場合や、過去に結石を指摘されたことがある方は、定期的に泌尿器科の検査を受けることがすすめられます。
合併症
治療しない場合
- 石が尿の通り道に詰まって、尿が流れなくなる「水腎症」になることがある
- 腎臓に負担がかかり、腎機能が低下することがある
- 尿路感染症を合併し、重症化すると全身に炎症が広がるおそれがある
- 発熱や強い痛みが続き、日常生活に大きな影響が出ることがある
長期的な見通し
腎結石は、多くが治療で改善する病気です。早期に見つけて適切な対応をすれば、腎臓の働きに深刻な影響が残ることはまれです。長く付き合う可能性はありますが、水分摂取や食事の工夫で再発を予防できることが分かっています。安心して、医療者と一緒に管理を続けましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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