めまいのスクリーニング検査とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
めまいのスクリーニング検査とは、めまいの症状がある人が受ける、原因を調べるための初期の診察と検査です。「まわる」「ふらつく」「立ちくらみ」など、めまいの種類や起こり方を詳しく聞き、眼の動きや体のバランス、耳の状態を確認して、原因を絞り込みます。
重要な事実
- めまいは一つの病気ではなく、さまざまな原因で起こる症状です。
- 問診(いつから、どんな時になったか)が最も重要な手がかりになります。
- 耳の奥にある内耳(ないじ)の問題が、めまいの代表的な原因です。
- 多くのめまいは命に関わりませんが、まれに脳の病気が潜んでいることがあります。
- 日本では、めまいだけを対象にした全国的な健康診断は一般的ではありません。
めまいはとても身近な症状で、年齢を問わず多くの人が一度は経験すると言われています。
どの年代でも起こりますが、特に中高年以降に多く、女性にやや多い傾向があります。
症状
- 突然の強いめまいとともに、ろれつが回らない、顔や手足の片側が動かない・しびれる場合は、すぐに119番へ連絡してください
- 激しい頭痛を伴う場合は、すぐに119番へ連絡してください
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応が弱い場合は、すぐに119番へ連絡してください
- めまいと同時に胸の痛みや息苦しさがある場合は、すぐに119番へ連絡してください
- ⚠めまいが何時間も続き、吐き気がひどくて食事や水分がとれない
- ⚠突然の難聴や耳鳴りを伴う
- ⚠転んで頭をぶつけた後からのめまい
- ⚠物が二重に見える、目のかすみがある
- ⚠高熱や首の強いこわばりを伴う
一般的な症状
- 自分や周りが回っているように感じる回転性のめまい
- 足元がふらつき、バランスが取りにくい浮動性のめまい
- 立ち上がったときにクラッとする立ちくらみ
- 吐き気や嘔吐(おうと)を伴うことがある
- 耳鳴りや難聴、耳のつまり感を伴うことがある
- 目の動きが一定方向に動く「眼振(がんしん)」が見られることがある
子供の症状
- めまいを言葉でうまく説明できず、「頭が痛い」「気持ち悪い」と訴えることがある
- ふらふらして転びやすい、歩き方がいつもと違う
- 風邪や熱の後にめまいを訴えることがある
高齢者の症状
- 立ちくらみやふらつきが増え、転倒の危険が高まる
- 目を閉じるとさらに不安定に感じることがある
- 持病や服用中の薬が原因になっていることがある
原因
主な原因
- 内耳(耳の奥の平衡感覚をつかさどる器官)の異常
- 良性発作性頭位めまい症(頭を動かしたときに起こるめまい)
- メニエール病(めまいと難聴・耳鳴りを繰り返す病気)
- 前庭神経炎(平衡をつかさどる神経の炎症)
- 脳の血流や神経の異常(脳梗塞など)
- 起立性低血圧(立ち上がったときに血圧が下がって起こるめまい)
- 貧血や脱水
- ストレス、疲労、睡眠不足、不安
- 薬の副作用
リスク要因
- ストレスが多い生活や寝不足
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病
- 過去の頭部外傷
- 長時間の同じ姿勢や運動不足
- 特定の薬を使用している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の強いめまいや、言葉が出にくい、片側の手足が動かせないなどの脳卒中を疑う症状があれば、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください
- めまいのために立っていられない、歩けない場合も、救急の受診を検討してください
定期受診を予約すべき場合:
- めまいを繰り返すとき
- めまいと一緒に難聴や耳鳴りがあるとき
- 市販のめまい薬を使ってもよくならないとき
- 不安が強く、日常生活に支障があるとき
診断
めまいの診察では、まず「どのようなめまいか」「いつから、どんなときに起こるか」を詳しく聞きます。その後、目の動き、体のバランス、耳の状態を診察し、必要に応じて聴力検査や画像検査を行います。めまいの原因は一つとは限らないため、複数の検査を組み合わせることがあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の詳しい経過、持病、服用中の薬の確認)
- 眼振検査(目の動きを観察する検査)
- 頭位変換検査(頭や体の向きを変えてめまいを確認する検査)
- 聴力検査(聞こえの状態を調べる検査)
- 平衡機能検査(重心の動きや体のバランスを調べる検査)
- 血圧測定(立ち上がり前後の血圧を測る場合がある)
- MRIやCTなどの画像検査(脳の病気を除外するために行うことがある)
診察で予想されること
検査の多くは外来で受けることができます。一部の検査では一時的にめまいが誘発されることがありますが、多くは数分で落ち着きます。検査中は医師の指示に従い、まわりの物にぶつからないよう安全に配慮して行われます。不安なときは遠慮なく医師や看護師に伝えましょう。
治療
治療はめまいの原因によって異なります。内耳が原因のめまいには、症状をやわらげる薬や、バランス機能を回復するためのリハビリテーションが行われることがあります。脳や心臓など他の病気が原因の場合は、その病気の治療を優先します。正しい診断が治療の第一歩です。
自宅でのセルフケア
- めまいがするときは無理に動かず、安全な場所で座るか横になる
- 急に立ち上がらず、ゆっくり動作を変える
- 水分をこまめにとり、脱水を防ぐ
- 十分な睡眠と休養をとる
- 転倒を防ぐために、家の中の段差や床の物を片付ける
- 照明を明るくし、階段や廊下に手すりをつける
医療治療
薬物治療では、めまいそのものを抑える治療や、吐き気をやわらげる治療、血行を改善する治療などが行われることがあります。また、前庭リハビリテーションといって、目と体の動きを合わせながら平衡感覚を取り戻す訓練が行われることもあります。具体的な薬や治療法は、原因や体の状態に合わせて医師が判断します。自己判断で治療をやめたり、薬を増やしたりしないでください。
手術が検討される場合
薬物治療やリハビリテーションで十分に改善しない場合、ごくまれに手術が検討されることがあります。しかし、多くのめまいは手術をせずに治療できます。
この病気と共に生きる
めまいと付き合いながら暮らすときは、「いつ、どんなときにめまいが起きたか」をメモしておくと、受診時に役立ちます。症状がなくても、動作はゆっくり、休養はしっかり、という習慣を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠を十分にとり、疲れや寝不足をためない
- ストレスを一人で抱え込まない
- 飲酒やカフェイン、塩分のとりすぎに注意する
- 規則正しい生活リズムを保つ
- 車の運転や高所作業など、めまいのリスクがある行動は体調に合わせて判断する
食事と運動
めまいだけに効く特別な食事はありませんが、バランスのよい食事、適度な水分補給、無理のない運動は全身の血流や体調を整え、めまいの予防や改善に役立つことがあります。運動を始めるときは、医師に相談し、転倒しない範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
めまいが続くと、外出や仕事に不安を感じたり、気分が落ち込んだりすることがあります。「つらい」「不安」という気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話しましょう。必要に応じて、心の専門家の支援を受けることも選択肢の一つです。
予防
すべてのめまいを予防することはできませんが、睡眠や食事、ストレス管理などの生活習慣を整えることで、起こりにくくできる場合があります。高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、医師の指示に従って管理することが大切です。
検診プログラム
めまいだけを対象にした定期的なスクリーニング検査は、一般的な健康診断には含まれていません。めまいの症状がなくても心配な場合や、繰り返す場合は、医療機関で一度相談してみるとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- めまいによる転倒で、骨折や頭部のけがをする
- 運転や仕事中に事故を起こす
- 外出が減り、筋力や体力が低下する
- 不安やうつ状態など、心の不調が出ることがある
- まれに、脳卒中などの重い病気の発見が遅れることがある
長期的な見通し
めまいの多くは、適切な診断と治療によって改善します。原因によって経過はさまざまですが、多くの場合、時間の経過とともに症状は落ち着いていきます。正しい診断を受け、医師と一緒に治療を続けることで、安心して生活できるようになります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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