職場でできる副鼻腔炎(ちくのう症)の予防
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔炎(ちくのう症)は、顔の骨の中にある「副鼻腔」という小さな空洞に炎症が起こる病気です。かぜなどでウイルスが入ると、副鼻腔の粘膜がはれ、鼻水や膿がたまります。
重要な事実
- 副鼻腔炎の多くはウイルスが原因で、数週間で自然に良くなることがあります。
- 副鼻腔炎自体はうつりませんが、原因となるかぜやインフルエンザはうつります。
- 職場での手洗い・うがい・換気が予防に役立ちます。
- 症状が10日以上続く場合は、耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう。
とても一般的な病気です。かぜが流行する季節に多く、成人の約13人に1人が年間に発症するといわれています(厚生労働省の患者調査より)。
かぜが流行する冬に多いほか、アレルギー性鼻炎のある人、たばこを吸う人、免疫力が低い人に起こりやすい病気です。子どもから大人まで、誰でもかかる可能性があります。
症状
- 高熱(39度以上)があり、のどが痛くて首を前に曲げられない
- 目が腫れて赤くなる、視界がぼやける、物が二重に見える
- 強い頭痛とともに、意識がもうろうとする
- けいれんが起きる
- ⚠症状が10日以上続く、または一旦良くなった後に悪化する
- ⚠目の周りや額がはれて痛む
- ⚠38.5度以上の発熱が続く
- ⚠鼻の周りの強い痛みが続く
一般的な症状
- 鼻づまり
- 濃い鼻水(黄色や緑色)
- 顔や額の痛み・圧迫感
- 嗅覚の低下
子供の症状
- 機嫌が悪い
- 口呼吸をする
- いびきをかく
- 口臭がある
- 夜のせきが続く
高齢者の症状
- 症状がはっきりしないことがあり、疲れやすさやぼんやりした様子が見られる
- 発熱があまり高くないことも多い
- 鼻水や鼻づまりが長く続く
原因
主な原因
- かぜやインフルエンザなどのウイルス感染
- 細菌感染(ウイルス感染の後に起こることが多い)
- アレルギー性鼻炎による炎症
- ほこりや化学物質などの刺激
- 鼻の構造の問題(まれ)
リスク要因
- 免疫力が低い(睡眠不足やストレスも影響)
- たばこを吸う・受動喫煙
- 乾燥した空気や換気の悪い職場環境
- ほこりや化学物質に触れる機会が多い
- アレルギー性鼻炎
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 緊急症状に当てはまる場合は、すぐに119番に連絡するか、救急医療機関を受診してください。
- 目の周りがはれたり、激しい頭痛がある場合は、当日中に医療機関へ行きましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が10日以上続く
- 症状が改善と悪化を繰り返す
- 仕事や生活に支障がある
- 何度も副鼻腔炎を繰り返す
診断
診察では、医師があなたの症状について詳しく聞き、鼻の中をカメラ(内視鏡)で見たり、顔の骨のあたりをやさしく押して確かめたりします。
行われる可能性のある検査
- 鼻内視鏡検査(鼻の奥を細いカメラで観察)
- CT検査(炎症の範囲を詳しく見る場合)
- アレルギー検査(アレルギーが疑われる場合)
- 細菌検査(重症や長引く場合の原因を調べる)
診察で予想されること
痛みを伴う検査はほとんどありません。内視鏡検査では、鼻に細い管を入れますが、粘膜をしびれさせる薬を使ってくれるので、不快感は少ないです。診察後は、その日のうちに必要なアドバイスや治療方針について説明があります。
治療
副鼻腔炎の多くはウイルスが原因のため、抗菌薬(抗生物質)が最初から必要なことは多くありません。自宅でのケアと、症状をやわらげるための市販薬を使って経過を見ることが基本です。
自宅でのセルフケア
- 十分な水分を取る(のどや鼻の粘膜を乾燥させない)
- 蒸しタオルやシャワーの湯気で鼻を温める
- 市販の生理食塩水を使った鼻うがい(清潔な器具で、薬剤師に相談して行う)
- 頭を少し高くして休む
- 無理をせず、良く寝る
医療治療
細菌感染が疑われる場合は、医師が抗菌薬を処方することがあります。炎症を強く抑える薬や、アレルギーが関係している場合は抗アレルギー薬が使われることもあります。薬の種類や量は必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
慢性化して薬の治療が十分に効かない場合や、鼻茸(ポリープ)が原因で症状が強い場合には、外科的な治療が検討されることがあります。ただし、多くの場合はまず内服薬や洗浄などの治療が優先されます。
この病気と共に生きる
症状があっても無理に仕事を続けず、可能なら同僚や上司に相談して勤務を調整しましょう。睡眠と水分補給を第一に、疲れをためないことが回復への近道です。
生活習慣のアドバイス
- 職場の加湿器を使うか、マスクで喉や鼻の乾燥を防ぐ
- たばこは避ける(受動喫煙にも注意)
- 鼻をかむときは片方ずつ、やさしくかむ
- ほこりの多い環境では、換気や掃除をこまめに行う
食事と運動
バランスの良い食事で免疫力を維持しましょう。体力に合わせて、無理のない範囲で軽いウォーキングなどを行うことも、回復を助けます。
精神的健康と心の健康
痛みや鼻づまりが長引くと、いらいらしたり気分が落ち込んだりすることがあります。無理せず家族や友人に話し、つらい気持ちが続く場合は、医師や職場の相談窓口を利用してください。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、かぜやインフルエンザにかかるリスクを減らすことで、副鼻腔炎になる可能性を大きく下げられます。職場では、手洗い・うがいの徹底、適切な換気、せきエチケットを心がけましょう。
ワクチン
インフルエンザワクチンは、かぜやインフルエンザを予防することで、副鼻腔炎の引き金を減らす効果が期待できます。接種については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
定期検診は特にありませんが、アレルギーがある方や副鼻腔炎を繰り返す方は、耳鼻咽喉科で定期的に状態を確認しておくと安心です。
合併症
治療しない場合
- 慢性副鼻腔炎(症状が長く続く)
- 目の周りの炎症(まれ)
- 頭蓋内への感染(まれ)
- 鼻茸(ポリープ)の形成
長期的な見通し
適切なケアと治療で、多くの副鼻腔炎は数週間で改善します。長引いても原因に応じた治療法があります。希望を持って、医師と一緒に進めていくことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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