Steroid emergency card
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ステロイド緊急カードとは、長期間ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)を服用している方が、けがや病気などの緊急時に必ず携帯しておくカードです。このカードには、服用中の薬や緊急時に必要な追加のステロイドの情報が書かれており、救急医療の現場で医療者に正しい処置をしてもらうために使います。
重要な事実
- ステロイドを長期間服用していると、副腎(ふくじん)という臓器の働きが弱まることがあります。
- けがや感染症などのストレスがかかったときに、副腎が十分なホルモンを出せず、「副腎クリーゼ」という危険な状態になることがあります。
- 緊急カードは、医師が発行し、服用中のステロイドの種類や量、緊急時に追加すべき薬の指示が書かれています。
- カードは常に携帯し、家族や職場の人にも見せられるようにしておくことが大切です。
ステロイドを長期間服用している方にとって、このカードはとても重要ですが、まだ広く知られているとは言えません。主治医から渡されることが多いです。
主に、関節リウマチ、ぜんそく、炎症性腸疾患、臓器移植後などで、長期間(通常3週間以上)ステロイド薬を服用している方に必要です。
症状
- 意識がもうろうとしている
- 血圧が極端に低い(ショック状態)
- けいれんが起きている
- 呼吸が苦しい
- 急に高熱が出てぐったりしている
- ⚠いつもより強い疲れや脱力感がある
- ⚠吐き気や嘔吐が続く
- ⚠おなかや背中が痛い
- ⚠下痢がある
- ⚠めまいがして立っていられない
一般的な症状
- ステロイド緊急カードそのものには症状はありません。カードを使うべき状況(副腎クリーゼの初期症状)として、強い疲労感、脱力感、食欲不振、めまいなどがあります。
子供の症状
- 子どもがステロイドを服用中の場合、カードの存在を保護者がしっかり把握し、学校や保育園にも伝えておくことが大切です。症状としては、いつもより元気がない、吐き気を訴える、顔色が悪いなどがあります。
高齢者の症状
- 高齢者は症状が分かりにくいことがあります。意識がぼんやりする、動きたがらない、血圧が低くなるなどの変化に注意が必要です。
原因
主な原因
- 長期間(通常3週間以上)のステロイド内服により、自分の副腎がホルモンを作る力が落ちていること。
- 感染症、けが、手術、歯科治療など、体に強いストレスがかかったときに副腎が対応できなくなること。
リスク要因
- 1日あたりプレドニゾロン換算で5mg以上のステロイドを3週間以上服用している。
- 最近ステロイドを急に減らしたりやめたりした。
- 副腎不全やアジソン病の既往がある。
- 糖尿病や感染症など、ほかの病気を併せ持っている。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状や緊急を要する症状がある場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼び、ステロイド緊急カードを提示してください。
- 発熱やけがで普段より体調が悪いと感じたら、すぐに主治医か医療機関に連絡し、カードの指示に従って追加のステロイドを服用する必要があります。
定期受診を予約すべき場合:
- 定期的な受診の際に、ステロイド緊急カードを持っているか確認してもらいましょう。
- 薬の量が変わったときは、カードを更新してもらってください。
診断
ステロイド緊急カードは病気の診断ではなく、ステロイドを服用中の方が医師から発行されるものです。主治医があなたの服用中の薬と病状に基づいてカードを作成します。
行われる可能性のある検査
- 特別な検査は必要ありません。ただし、副腎の働きを調べるために「ACTH負荷試験(ふかしけん)」という検査を勧められることがあります。
診察で予想されること
医師からカードを受け取ったら、内容(薬の名前と量、緊急時の指示)をよく確認しましょう。カードは財布やスマホケースなど、いつも持ち歩くものに入れてください。家族や同居人にもカードの場所と使い方を伝えておくと安心です。
治療
ステロイド緊急カードの治療的な役割は、副腎クリーゼを予防するための「ストレス時補充療法(ストレスじほじゅうりょうほう)」です。これは、体にストレスがかかった時に、通常の服用量に加えて追加のステロイドを服用する方法です。
自宅でのセルフケア
- カードを常に携帯する。
- カードに書かれている医師の指示を家族や周囲の人と共有する。
- ちょっとした体調の変化でも、早めに医師に相談する習慣をつける。
- 旅行など遠出をする際は、余分の薬とカードを必ず持参する。
医療治療
医師は、緊急時に飲む追加のステロイド薬を処方します。通常は服用中の薬とは別に、注射用の薬や内服薬が準備されます。具体的な薬の種類や用量は個人の状態によって異なるため、医師の指示に従ってください。決して自己判断で薬を増やしたり減らしたりしないでください。
手術が検討される場合
手術や歯科処置を受ける前には、必ず主治医や担当医にステロイドを服用していることと緊急カードを見せてください。その際、医師の指示に従って追加のステロイドを投与してもらう必要があります。
この病気と共に生きる
ステロイドを長期間服用していても、緊急カードがあれば安心して日常生活を送ることができます。カードを携帯し、いざという時の行動を家族と話し合っておきましょう。外出時はカードと追加の薬をセットで持歩くと良いです。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活を心がけ、感染症予防のために手洗い・うがいを徹底する。
- 体調に変化があったら無理をせず、早めに休む。
- 緊急時の連絡先をメモして一緒に携帯する。
食事と運動
特に特別な食事制限はありませんが、ステロイドの副作用(高血糖や骨粗しょう症など)を防ぐために、バランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう。具体的な運動量は医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
長期間の治療や常にカードを携帯することに不安を感じる方もいます。それは自然なことです。医師や看護師に気持ちを話したり、同じ治療を受けている人と交流することで安心できることもあります。
予防
副腎クリーゼは、ステロイド緊急カードを正しく使うことで多くは予防できます。重要なのは、カードを常に持ち歩き、体調が悪い時に早めに対応することです。
ワクチン
感染症がきっかけで副腎クリーゼになることがあるため、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種を主治医と相談することをおすすめします。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、定期的に医師の診察を受け、ステロイドの服用量や全身の状態をチェックしてください。
合併症
治療しない場合
- 副腎クリーゼ(意識障害やショック状態)を起こすと、命に関わることがあります。
- 低血圧が続いて臓器に十分な血液が届かなくなる。
- 重症の場合は集中治療が必要になる。
長期的な見通し
ステロイド緊急カードを正しく使えば、副腎クリーゼはほとんど防げます。緊急時の対応をあらかじめ準備しておくことで、安心して日常生活を送ることができます。医師の指導に従い、カードを活用すれば、リスクは大きく減らせます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月27日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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