副腎の手術・処置を受けるときの準備
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副腎(ふくじん)は、腎臓の上にある小さな臓器で、体の調子を整えるホルモンを作っています。副腎に腫瘍(しゅよう)ができたり、ホルモンを作りすぎたりすると、体にさまざまな不調が現れることがあります。そのような場合に、副腎の一部や全部を手術で取り除くことがあります。この記事では、副腎の手術や処置を受ける前に知っておきたいことを、わかりやすい言葉で説明します。
重要な事実
- 副腎は左右に一つずつあり、体のストレス反応や血圧、水分・塩分のバランスを調整するホルモンを分泌しています。
- 副腎の手術は、腫瘍が悪性の可能性がある場合や、ホルモンが過剰に作られて健康に影響が出ている場合に検討されます。
- 手術の前には、ホルモンの値や画像検査などで病状を詳しく調べ、体調を整えることが大切です。
副腎の手術自体は、すべての手術の中ではそれほど多くはありませんが、特定の副腎の病気(ホルモン産生腫瘍や副腎がんなど)にかかった方には行われる治療です。
副腎の病気はどの年齢でも起こり得ますが、多くは成人の方に診断されます。特に高血圧や糖尿病などの持病がある方に、副腎の異常が見つかることがあります。
症状
- 急に激しい腹痛、背中やわき腹の痛みがある
- 重度の吐き気・嘔吐が続き、水分が取れない
- 血圧が急激に下がって意識がもうろうとする
- けいれんが起きる
- ⚠手術前の説明後に、新しい症状や強い不安が出た
- ⚠予定された検査や手術前に発熱がある
- ⚠飲んでいる薬が手元になく、どうすればよいかわからない
一般的な症状
- 長く続く高血圧
- 原因のはっきりしない体重増加やむくみ
- 筋力の低下や疲れやすさ
- 動悸(どうき)や発汗
- 背中やわき腹の痛み
子供の症状
- 成長の遅れや低身長
- 思春期の早すぎる始まり(早発思春期)
- 体重増加や顔の丸み
高齢者の症状
- 認知機能の変化や混乱
- 転びやすさや筋力低下
- 血圧の変動が大きく、めまいを起こしやすい
原因
主な原因
- 副腎にできる良性の腫瘍(腺腫)
- 副腎がん(悪性の腫瘍)
- 副腎がホルモンを作りすぎる病気(クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫など)
- 副腎の過形成(組織が厚く大きくなる)
リスク要因
- 家族に副腎や内分泌の病気の人がいる
- 高血圧や糖尿病がある
- たばこを吸う習慣がある
- 特定の遺伝性疾患がある(まれ)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上に挙げた緊急の症状がある場合は、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。
- 手術前に指示された薬を変更したい場合は、同じ日のうちに担当医へ連絡しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 副腎の病気と診断されて手術をすすめられた場合は、早めに手術の説明を聞き、準備を始めましょう。
- 持病(高血圧、糖尿病など)がある方は、その治療もあわせて調整が必要です。
診断
副腎の病気の診断では、まず血液や尿の検査でホルモンの値を調べます。次にCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)などの画像検査で、副腎の大きさや形を確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(ホルモンや電解質の値)
- 24時間尿検査(ホルモンの排出量)
- CT検査
- MRI検査
- 副腎静脈サンプリング(左右の副腎からのホルモンを比べる検査)
診察で予想されること
検査は特別な準備が必要なものもあります。例えば、24時間尿検査では一日分の尿を集めます。画像検査は、決められた時間、じっとしている必要がありますが、痛みはほとんどありません。検査の目的と内容は、受ける前にしっかり説明があります。
治療
副腎の病気の治療は、原因や重症度によって異なります。手術(副腎摘出術)で腫瘍や過剰なホルモンのもとになる部分を取り除く方法が主な治療です。手術の前後には、ホルモンのバランスを整える薬物療法が行われることがありますが、薬の具体的な名前や用量は担当医が指示します。
自宅でのセルフケア
- 手術前にたばこをやめる(禁煙は術後の回復を助けます)
- 睡眠を十分にとり、体調を整える
- 感染症予防のため、手洗いをしっかり行い、人混みを避ける
- 指示された食事や水分のルールを守る(絶食が必要な場合など)
医療治療
手術の前に、血圧やホルモンの値をコントロールする治療を行うことがあります。また、副腎の機能が十分でない場合には、不足するホルモンを補う「ホルモン補充療法」を続けることがあります。どの薬を使うか、どのような量で使うかは、あなたの状態に合わせて医師が決めます。
手術が検討される場合
手術が必要となるのは、腫瘍が大きい場合、悪性(悪性腫瘍)が疑われる場合、または腫瘍からホルモンが過剰に分泌されて体に危険な影響が出ている場合です。手術の方法(腹腔鏡手術か開腹手術かなど)は、腫瘍の位置や大きさ、患者さんの状態によって決まります。
この病気と共に生きる
手術後は、体の回復にあわせて生活を徐々に戻していきます。副腎を全部摘出した場合は、ホルモン補充療法が長く必要になることがあります。定期的に外来で診察を受け、ホルモンの値や体調を確認しながら生活します。
生活習慣のアドバイス
- 決められた通院を守る
- 体調の変化を記録して、医師や看護師に伝える
- ストレスをためないように、無理のない範囲で活動する
- 急な体調不良に備えて、緊急連絡先を確認しておく
食事と運動
手術後は、医師と相談しながら、消化にやさしい食事から始めます。長期的には、塩分や糖分のとりすぎに注意し、バランスのよい食事を心がけましょう。運動は、ウォーキングなどの軽いものから始め、体調に合わせて徐々に時間や強さを増やしてください。激しい運動は、医師の許可がでるまで控えましょう。
精神的健康と心の健康
手術や病気の治療は、心に大きな負担をかけることがあります。不安や落ち込みが続いたり、日常生活に支障が出たりする場合は、一人で抱え込まずに、医療者にその気持ちを話してください。
予防
副腎の腫瘍やホルモン異常の多くは、はっきりした原因がわからず、完全に予防することはできません。しかし、定期的に健康診断を受け、高血圧や糖尿病などのサインを見逃さないことで、合併症を減らすことができる場合があります。
ワクチン
手術前には、感染症の予防接種を受けるタイミングについて医師と相談することがあります。すべての患者さんに必要なわけではありません。
検診プログラム
副腎の病気をすでに持っている方は、再発やホルモンの異常がないかを確かめるため、定期的な血液検査や画像検査が行われることがあります。
合併症
治療しない場合
- ホルモンの過剰分泌によって、高血圧や糖尿病が悪化する
- 副腎クリーゼ(副腎の機能が急に低下し、血圧が下がり危険な状態になること)
- 腫瘍が大きくなって周囲の臓器を圧迫する
- 悪性腫瘍の場合は、ほかの臓器への転移のリスク
長期的な見通し
適切な治療を受けた場合、多くの方は症状が改善し、健康的な生活を取り戻すことができます。手術後にホルモン補充が必要な場合でも、きちんと治療を続ければ、普通に近い生活を送ることができます。医師とよく話し合い、自分に合った治療を続けることが希望につながります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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