胆嚢摘出術
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
胆囊摘出術(たんのうてきしゅつじゅつ)とは、胆嚢(たんのう)という臓器を手術で取り除くことです。胆嚢は肝臓の下にある小さな袋で、胆汁(たんじゅう)という消化液をためています。胆石(たんせき)や炎症(えんしょう)などの問題がある場合に、この手術が行われます。手術後も体は問題なく働きます。
重要な事実
- 胆嚢摘出術は、日本では年間約10万件以上行われている一般的な手術です。
- ほとんどの場合、腹腔鏡(ふくくうきょう)という細いカメラを使った小さな傷で済む手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術)が行われます。
- 手術後は、胆嚢がなくても生活に大きな影響はなく、多くの人が普段通り過ごせるようになります。
はい、胆嚢摘出術はとても一般的な手術です。胆石症や胆嚢炎の治療として、世界中で頻繁に行われています。
胆嚢の病気は40代以降の女性に多く見られますが、男性や若い人、子どもにも起こることがあります。肥満の方や急な体重減少があった方にも多い傾向があります。
症状
- 突然の強い右上腹部痛が続く
- 高熱(38度以上)と寒気がある
- 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
- 意識がぼんやりする
- ⚠みぞおちの痛みが数時間以上続く
- ⚠吐き気やおう吐がひどくて食事や水分がとれない
- ⚠痛みがだんだん強くなる
- ⚠便の色が白っぽくなる
一般的な症状
- みぞおちや右のあばらの下あたりの痛み(特に脂肪の多い食事の後)
- 吐き気やおう吐
- 背中や右肩に広がる痛み
- 腹部の張りやガスがたまった感じ
子供の症状
- 腹痛(特に右上腹部)
- 吐き気やおう吐
- 黄疸(おうだん:皮膚や白目が黄色くなる)
高齢者の症状
- 腹痛がはっきりしないこともある
- 食欲不振や体重減少
- 発熱やだるさ
- 意識がもうろうとするなどの全身症状(重症の場合)
原因
主な原因
- 胆石(コレステロールやビリルビンが固まった石)が胆嚢の出口をふさぐ
- 胆嚢の細菌感染による炎症(胆嚢炎)
- 胆泥(たんでい:胆汁がドロドロになったもの)
リスク要因
- 女性であること
- 40歳以上
- 肥満(特に腹部肥満)
- 急な体重減少(ダイエットなど)
- 脂肪分の多い食事
- 家族に胆石症の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 強い腹痛で動けない
- 発熱を伴う腹痛
- 黄疸(皮膚や白目が黄色い)
- 吐き気やおう吐が続く
定期受診を予約すべき場合:
- 食後にみぞおちや右側が痛むことが何度もある
- 腹部の不快感が続く
- 軽い痛みや張りが気になる
診断
医師が問診やお腹の触診を行い、必要に応じて画像検査や血液検査を行います。症状や検査結果をもとに総合的に診断します。
行われる可能性のある検査
- 腹部超音波(エコー)検査:胆石や胆嚢の状態をみる
- CT検査:より詳しい画像で診断する
- 血液検査:炎症や黄疸の程度を調べる
- MRIやMRCP:胆管の状態を詳しくみる
診察で予想されること
診断は外来で行われることがほとんどです。検査前に絶食が必要な場合もあります。結果はその日か後日説明されます。不快な検査ではありませんが、不安なことは遠慮なく医師や看護師に聞いてください。
治療
胆嚢の病気の治療は、症状の程度や胆石の大きさ、炎症の有無によって異なります。無症状の場合は経過観察が選ばれることもあります。症状がある場合は、食事指導や薬物療法、そして手術が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 脂肪分の多い食事を控える(揚げ物、脂身の多い肉、バターなど)
- 規則正しい食生活を心がける(特に朝食を抜かない)
- 適正体重を保つ(急なダイエットは避ける)
- 痛みが出たときは安静にする
医療治療
症状を和らげるために、炎症を抑える薬や痛みを軽減する薬が使われることがあります。ただし、胆石そのものを溶かす薬や体外から石を壊す治療は、現在ではあまり行われていません。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
胆嚢摘出術(手術)は、胆石による症状が繰り返し出る場合や、胆嚢炎を起こした場合、合併症のリスクが高いと判断された場合に勧められます。手術の方法には、腹腔鏡下(傷が小さく回復が早い)と開腹(従来の方法)があり、患者さんの状態に合わせて選ばれます。
この病気と共に生きる
胆嚢摘出後、多くの人は数週間で日常生活に戻れます。腹腔鏡手術の場合は翌日から歩けることもあります。抜糸はなく、傷の手当ては簡単です。手術後しばらくは脂肪の消化に注意が必要ですが、体が慣れてくると以前と同じような食事がとれるようになります。
生活習慣のアドバイス
- 手術後1~2週間は重いものを持たない、激しい運動を控える
- 脂肪の多い食事は少しずつ試して、消化の様子をみる
- 十分な水分をとる
- 便通を整える(便秘や下痢に注意)
食事と運動
手術後は低脂肪の食事から始め、徐々に通常の食事に戻します。野菜や果物、全粒穀物を多くとり、油は控えめに。適度な運動(ウォーキングなど)は回復を助けますが、医師の許可を得てから始めてください。
精神的健康と心の健康
手術に対する不安や、体の変化への戸惑いを感じることは自然なことです。痛みが続いたり、食事がうまくいかないときはストレスを感じることもあります。そんなときは家族や友人に話したり、医師や看護師に相談しましょう。気分が落ち込んだり、不安が強い場合は、早めに医療機関に相談してください(厚生労働省の情報では、心の健康相談窓口もあります)。
予防
胆石や胆嚢炎を完全に予防する方法はありませんが、健康的な生活習慣を心がけることでリスクを減らせます。特に肥満を避け、急な体重減少をしないことが重要です。また、規則正しい食事(特に朝食)をとり、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂ることも役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 胆嚢炎の再発や慢性化
- 胆管や膵臓に胆石がつまり、黄疸や急性膵炎(きゅうせいすいえん)を起こす
- 胆嚢の壁に穴があく(穿孔)
- 胆嚢がんのリスクが高まる(まれ)
長期的な見通し
胆嚢摘出術は安全で効果的な治療法であり、ほとんどの方は術後問題なく生活できます。手術後の合併症はまれで、胆嚢がなくても体はうまく適応します。適切な治療を受ければ、多くの方が症状から解放され、元気に過ごせます。定期的なフォローアップも重要ですが、希望を持って治療に臨んでください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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