ERCPの概要
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)は、口から内視鏡という細い管を入れ、胆管や膵管(消化液の通り道)を調べたり治療したりする検査方法です。内視鏡の先端のカメラで胆管や膵管の状態を見ながら、必要に応じて石を取り除いたり、狭くなった部分を広げたりします。麻酔をして行うため、痛みはほとんどありません。
重要な事実
- ERCPは、胆管や膵管の病気の診断と治療の両方に使われる手技です。
- 多くの場合、静脈麻酔(眠くなる薬)を使って行うため、検査中の痛みはほとんど感じません。
- ERCPでは、石を取り除いたり、ステント(管を広げる細い筒)を入れたりする治療も同時に行えます。
ERCPは、胆石や胆管の炎症、すい臓の病気の診断・治療として、日本では年間約20万件行われている、比較的一般的な検査・治療法です。
主に胆石症、胆管炎、膵炎、胆管がんや膵臓がんが疑われる方など、胆管や膵管に問題がある方に行われます。特に40歳以上や肥満、胆石の既往がある方に多く行われます。
症状
- 急激な右上腹部の激しい痛み
- 高熱(38.5℃以上)と悪寒
- 意識障害や混乱
- 黄疸が急に悪化する
- ⚠黄疸が続く、または悪化する
- ⚠腹痛が治まらない
- ⚠発熱が続く
一般的な症状
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 右上腹部やみぞおちの痛み
- 発熱や悪寒
- 濃い尿や薄い便
- かゆみ(黄疸による)
子供の症状
- 子どもでは胆石や胆管の異常による腹痛、嘔吐、黄疸が現れることがありますが、ERCPが必要となるケースはまれです。
高齢者の症状
- 高齢者では、無症状の胆石が黄疸や感染症を引き起こしやすく、ERCPが必要になることがあります。症状は軽いこともあるため注意が必要です。
原因
主な原因
- 胆石(胆管に石が詰まる)
- 胆管の炎症や狭窄(狭くなる)
- 膵臓がんや胆管がんなどの腫瘍
- 慢性膵炎
- 胆管の異常(先天性など)
リスク要因
- 年齢(40歳以上)
- 胆石症の既往
- 脂っこい食事の摂り過ぎ
- 肝臓や膵臓の病気
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に激しい腹痛や高熱が出た場合
- 黄疸が急に現れた、または悪化した場合
- 意識がぼんやりするなど全身状態が悪い場合
定期受診を予約すべき場合:
- 黄疸が数日続く、または徐々に強くなる
- 右上腹部の鈍い痛みがある
- 便や尿の色が変わった
診断
ERCPは、診断と治療を同時に行う手技です。まず血液検査や超音波(エコー)、CT、MRIで胆管や膵管に異常があるか調べます。必要に応じてERCPを行い、造影剤を流してX線で詳しく観察します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(肝機能、膵酵素、ビリルビンなど)
- 腹部超音波(エコー)
- CTスキャン
- MRIまたはMRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)
- ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)
診察で予想されること
ERCPは、入院または日帰りで行います。のどに麻酔スプレーをかけ、静脈から眠くなる薬を投与します。横向きに寝て、口から内視鏡を入れます。検査時間は通常30分~1時間程度です。検査後は、合併症がないか数時間観察します。
治療
ERCPは、胆管や膵管の病気に対する治療手段としても使われます。内視鏡を通して、石を取り除いたり、狭くなった部分を広げたり、ステント(管を広げる細い筒)を留置したりします。治療は診断と同時にできるため、症状の改善が早いことが多いです。
自宅でのセルフケア
- ERCP後は、安静にして様子を見ましょう。
- 当日は食事を控えめにし、医師の指示に従ってください。
- 痛みや発熱があればすぐに医療機関に連絡しましょう。
医療治療
ERCPの前に、抗生物質や膵炎予防の薬を使うことがあります。また、検査後の痛みには鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)が使用されることがあります。ERCPで石を取った後は、胆石の再発を防ぐためにウルソデオキシコール酸(UDCA)などの薬が処方されることがありますが、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
ERCPで石が取りきれない場合や、がんなどで胆管が広く閉塞している場合は、外科手術(胆管空腸吻合術や膵頭十二指腸切除術など)が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
ERCPを受けた後は、しばらく安静にし、医師から指示された食事や活動に従ってください。合併症の兆候(発熱、腹痛、出血)がないか注意しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 脂肪分の多い食事を控え、バランスの良い食事を心がけましょう。
- 適度な運動を続け、肥満を予防しましょう。
- 定期的に医療機関で経過観察を受けましょう。
食事と運動
胆管や膵臓に負担をかけないよう、低脂肪で消化の良い食事を心がけてください。揚げ物や脂っこい料理は控え、野菜や魚を中心とした和食がおすすめです。適度なウォーキングなどの有酸素運動を続けることで、胆石の再発リスクを減らせます。
精神的健康と心の健康
ERCPは内視鏡を使うため、不安を感じる方もいます。また、原因ががんなどの重い病気だった場合、精神的なショックを受けることもあります。気持ちがつらいときは、医師や看護師、医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。
予防
ERCP自体を予防することはできませんが、ERCPが必要となる胆管や膵臓の病気を予防することは可能です。健康的な体重を維持し、バランスの良い食事を摂り、適度な運動をすることで、胆石や胆管炎のリスクを減らせます。
検診プログラム
胆石や胆管の病気は、定期的な健康診断(血液検査や腹部超音波)で早期発見できることがあります。特にリスクが高い方(肥満、糖尿病、胆石の家族歴がある方)は、年に一度は検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 胆管炎や膵炎の悪化
- 敗血症(全身に感染が広がる)
- 黄疸による肝障害
- がんの進行(腫瘍が原因の場合)
長期的な見通し
ERCPは、多くの場合、安全で効果的な治療法です。適切な処置により、症状は改善し、合併症を予防できます。ただし、まれに膵炎や出血、感染などの合併症が起こることがあります。医師の指示に従い、定期的なフォローアップを受けることで、ほとんどの方は良い経過をたどります。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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