S状結腸内視鏡検査
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
軟性S状結腸鏡検査(なんせいエスじょうけっちょうきょうけんさ)は、肛門から細くて柔らかい内視鏡を挿入し、直腸とS状結腸(大腸の下部、約60センチ)の内側を観察する検査です。大腸がんやポリープ、炎症などの異常を調べる目的で行われます。
重要な事実
- 検査時間は通常10~20分程度で、鎮静剤を使わなくても行えることが多いです。
- 大腸全体を見る大腸内視鏡検査と比べ、準備が簡単で体への負担が少ないです。
- ポリープが見つかった場合、その場で切除できることがあります(生検など)。
日本では大腸がん検診の一環として広く行われており、特に50歳以上の方で推奨されることが多い検査です。
主に大腸がんや炎症性腸疾患のリスクがある成人が対象です。便潜血検査で陽性になった方や、おなかの症状がある方にも行われます。
症状
- 検査後、大量の出血(鮮やかな赤い血や血の塊)がある
- 強い腹痛が続く、または悪化する
- 発熱(38度以上)や寒気がある
- 意識がもうろうとする、めまいがひどい
- ⚠検査後数日たっても少量の出血が続く
- ⚠普段と違う持続する腹痛や膨満感がある
- ⚠排便の状態が大きく変わった(下痢や便秘が続く)
一般的な症状
- 検査前に下剤や浣腸で腸を空にするため、軽い腹痛や不快感を感じることがあります。
- 検査中に肛門やお腹に圧迫感や軽い痛みが出ることがあります。
子供の症状
- 小児に行うことはまれですが、行う場合は下剤や鎮静剤を使用することが多く、子どもは検査後に眠気を感じることがあります。
高齢者の症状
- 高齢の方は、下剤による脱水や血圧変動に注意が必要です。
- 検査中の痛みや不快感を感じにくい場合もあります。
原因
主な原因
- この検査は原因を調べるためのものであり、特定の病気を引き起こすものではありません。
- 検査の目的は、大腸がん、ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)、憩室症などの診断です。
リスク要因
- 50歳以上であること
- 大腸がんやポリープの既往歴がある
- 家族に大腸がんの人がいる
- 喫煙、肥満、赤身肉や加工肉の多い食生活
- 炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)を持っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 検査後の大量出血や強い腹痛が続く場合
- 発熱や悪寒がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 便に血が混じる、便の形が細くなる、便秘や下痢が続くなど気になる症状がある
- 大腸がん検診で便潜血検査が陽性だった
- 50歳を過ぎたので定期的な検診を考えている
診断
この検査自体が診断のためのものです。医師が内視鏡で直接腸の内側を観察し、異常があれば組織を少し取って調べる生検を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 軟性S状結腸鏡検査(内視鏡検査)
- 便潜血検査(事前に行われることが多い)
- 大腸内視鏡検査(必要に応じて大腸全体を調べる)
- 画像検査(CTスキャンなど)
診察で予想されること
検査前には、腸の中をきれいにするために下剤や浣腸を使用します。検査中は横向きに寝て、医師が内視鏡を肛門からゆっくり挿入します。痛みを感じる場合は医師に伝えてください。検査後はすぐに普段の生活に戻れますが、鎮静剤を使った場合はしばらく安静が必要です。
治療
検査で異常が見つかった場合、その結果に応じて治療方針が決まります。例えば、ポリープは切除できることがあり、炎症があれば薬で治療します。大腸がんが見つかった場合は、手術や抗がん剤治療などが検討されます。治療法は個人の状態に合わせて医師が説明します。
自宅でのセルフケア
- 検査後は水分を十分に取り、軽い食事から始めてください。
- お腹にガスがたまることがあるので、ゆっくり歩くなど軽い運動をすると良いです。
- 医師の指示に従い、出血や痛みがないか注意しながら過ごしましょう。
医療治療
検査結果に基づいて、炎症性腸疾患には抗炎症薬や免疫調整薬が使われることがあります。ポリープは内視鏡的に切除されることが多く、進行したがんには手術や放射線治療、化学療法などが検討されます。治療法の選択は、病状や患者さんの希望を考慮して決められます。
手術が検討される場合
大腸がんの進行度によっては、外科手術が必要になることがあります。ポリープが大きく内視鏡で切除できない場合も手術が考慮されます。
この病気と共に生きる
軟性S状結腸鏡検査は基本的にその場限りの検査です。異常が見つかった場合は、その後の経過観察や治療が必要になることがあります。大腸の病気が見つかっても、適切な治療と生活管理で多くの方は普段通りの生活を送れます。
生活習慣のアドバイス
- 食物繊維の多い食事(野菜、果物、全粒穀物)を心がける
- 赤身肉や加工肉の摂取を控える
- 適度な運動(週に150分以上の有酸素運動)
- 禁煙、節酒
- ストレスをためないようリラックスする時間を作る
食事と運動
腸の健康にはバランスの良い食事と定期的な運動が大切です。特に食物繊維は便通を整え、大腸がんのリスクを減らすとされています。水分を十分に取り、便秘にならないようにしましょう。
精神的健康と心の健康
がんの疑いや検査結果への不安は自然なことです。家族や友人に話したり、医師や看護師に相談することで気持ちが楽になることがあります。必要に応じて心理的なサポートも受けられます。
予防
大腸がんやポリープのリスクは、健康的な生活習慣によって減らせることが分かっています。定期的な検査で早期発見・早期治療を目指すことが重要です。
検診プログラム
50歳以上の方は、便潜血検査や軟性S状結腸鏡検査などの大腸がん検診を定期的に受けることが推奨されています。家族歴や症状に応じて、より早い年齢からの検討も必要です。
合併症
治療しない場合
- 見つかったポリープを放置すると、将来大腸がんに進行する可能性があります。
- 炎症性腸疾患を治療しないと、症状が悪化したり合併症が起きることがあります。
- 大腸がんを放置すると、進行して治療が難しくなることがあります。
長期的な見通し
軟性S状結腸鏡検査は安全な検査ですが、ごくまれに腸に穴が開く穿孔や出血などの合併症があります。しかし、早期に発見・治療すれば、ほとんどの大腸疾患は良好な経過が期待できます。定期的な検診と適切な治療を受けることで、健康を維持できる可能性が高まります。
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- 日本消化器内視鏡学会 · 日本
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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