股関節の手術を受ける前に
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
股関節の痛みは、関節の病気やけがが原因で起こることがあります。重症の場合は手術や処置が必要になる可能性があります。この記事では、痛みの原因や診断、手術や処置の前に準備することについて説明します。
重要な事実
- 股関節の痛みは、加齢や負担、けがなどが原因で起こることがあります。
- 手術は最後の手段ではなく、生活の質を保つための選択肢のひとつです。
- 手術前には、十分な検査と生活の準備が必要です。
股関節の痛みはとても一般的で、特に中高年の方に多く見られます。股関節の手術(人工股関節置換術など)は、日本でも年間数万件行われています。
高齢者や、股関節に負担がかかる仕事やスポーツをしている方、骨折を経験した方などに多く見られます。
症状
- 股関節に強い痛みがあり、動かせない、または歩けない(迷わず119番へ)
- 転倒やけがのあと、体重をかけられないほどの痛みがある
- 股関節の形が変形している
- 発熱とともに股関節が腫れて熱を持っている
- ⚠痛みが数日続き、日常生活が難しい
- ⚠痛みで足が上がらない、しびれや力が入らない
- ⚠夜も眠れないほどの痛みがある
一般的な症状
- 股関節や太もも、お尻に痛みがある
- 朝のこわばり(動きにくさ)を感じる
- 足を引きずる、歩き方が変わる
- しゃがむ、靴下を履く、爪を切るなどの動作が難しい
- 夜間の痛みで目が覚める
子供の症状
- 子どもの股関節の痛みは、成長に伴う一時的な痛みの場合もありますが、感染症や股関節のずれが原因のこともあります。
- 足をかばって歩く、わがままに歩く、泣いて足を動かさないなどが見られたら注意が必要です。
高齢者の症状
- 高齢者では、転倒による骨折や変形性股関節症による痛みが多く見られます。
- 転んで股関節が痛い場合や、体重をかけられない場合は、すぐに整形外科を受診してください。
原因
主な原因
- 変形性股関節症(関節の軟骨がすり減る病気)
- 大腿骨頚部骨折(高齢者に多い、股関節の骨折)
- 大腿骨頭壊死(骨に血流が行かなくなり骨が壊死する)
- 関節リウマチなどの炎症性の関節の病気
- 股関節の滑液包炎(関節のクッションの部分の炎症)
リスク要因
- 年齢(加齢)
- 過去の股関節のけが
- 家族に股関節の病気を持つ人がいる
- 長時間の立ち仕事やスポーツなど、股関節に負担がかかる動作
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転倒後に強い股関節痛があり、歩けない
- 熱や腫れを伴う突然の痛みがある
- 足に力が入らない、またはしびれがある
定期受診を予約すべき場合:
- 股関節の痛みが数週間以上続く
- 朝のこわばりが30分以上続く
- 歩く、階段を登るなどの動作で痛みを感じる
- 日常生活に支障が出てきた
診断
医師があなたの痛みの状況を詳しく聞き、股関節の動きや痛みの場所を診察します。必要に応じてX線検査などで原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- X線(レントゲン)検査:骨の形や関節の隙間を確認
- MRI検査:軟骨や骨、筋肉、腱の状態を詳しく調べる
- 血液検査:炎症や感染症の確認
- 必要に応じてCT検査や超音波検査
診察で予想されること
診察は5〜15分程度です。痛みのある部位や動きを確認します。検査結果を待って、治療法を一緒に決めていきます。手術が決まった場合は、全身状態のチェックや、場合によっては麻酔科の診察も行われます。
治療
股関節の治療は、痛みの原因や重症度によって異なります。まずは安静や運動、生活習慣の改善などの「保存的な治療」から始めることが多いです。それでも改善しない場合や、日常生活に支障がある場合は、手術が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 痛みがあるときは無理をせず、安静にしましょう。
- 腫れや炎症があるときは冷やし、こわばりのときは温めると症状がやわらぐことがあります。
- 体重を適正に保つよう心がけましょう。
- 杖や手すりを使って股関節への負担を減らしましょう。
- 医師や理学療法士の指示に従って、無理のない範囲で運動しましょう。
医療治療
使用する薬は、痛みや炎症を抑える飲み薬・塗り薬・坐薬、関節に注射する薬などがあります。ただし、どんな薬が合うかは人によって違うため、医師や薬剤師に相談し、処方された薬を正しく使いましょう。また、理学療法(リハビリ)で関節の動きを改善したり、筋力を維持したりすることも重要です。
手術が検討される場合
関節の痛みが強く、保存的な治療では良くならない場合や、X線で関節が大きく傷んでいるときには、人工股関節置換術などの手術が検討されます。手術の前には、健康状態のチェック、生活環境の調整(手すりの設置、段差の解消)、リハビリの準備など、医師や看護師、理学療法士と一緒に進めます。
この病気と共に生きる
手術や処置の前の期間は、無理なく生活しながら体調を整えることが大切です。禁煙や栄養バランスのよい食事、十分な睡眠を心がけましょう。また、通院のための移動や、入院中の身の回りの準備なども少しずつ整えておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙:喫煙は創傷治癒や麻酔のリスクに影響するため、手術前の禁煙が推奨されます。
- 生活環境の整備:自宅の手すりや段差など、退院後の生活を想像して準備しておきましょう。
- 家族や支援者との連絡を取っておく。
- 入院中に使う物をまとめておく。
食事と運動
手術前に筋力や全身の状態を整えることは、回復をスムーズにします。無理な運動は逆効果なので、理学療法士の指導のもと、股関節に負担のかからない運動(腕や足の力を保つ運動など)を行いましょう。食事は、たんぱく質やカルシウム、ビタミンDを意識して、体を作る材料をしっかり摂りましょう。
精神的健康と心の健康
痛みや手術への不安は、気分の落ち込みやイライラにつながることがあります。ひとりで抱え込まず、医師や看護師に不安なことを相談してください。家族や親しい人に話すことも、気持ちを楽にする助けになります。不安が強く、気分の落ち込みが続く場合や、命の危機を感じるほどの精神的な苦痛がある場合は、すぐに医師や相談機関に連絡してください。
予防
股関節の痛みや変形をすべて予防することはできませんが、健康的な体重を維持し、適度な運動で筋肉を保ち、転倒を防ぐことで、痛みのリスクを減らすことができます。
ワクチン
手術を予定している場合、肺炎球菌やインフルエンザなどの感染症予防接種が勧められることがあります。時期や種類については医師に相談しましょう。
検診プログラム
股関節の痛みがない方でも、骨粗鬆症のリスクがある場合(閉経後の女性、高齢の方、骨折の既往がある方など)は、骨密度検査を検討することがあります。
合併症
治療しない場合
- 痛みが続き、歩行や日常生活に支障が出る
- 筋肉が弱り、転倒のリスクが高くなる
- 関節の変形が進行すると、治療が難しくなる
長期的な見通し
股関節の痛みは、適切な治療と生活管理で多くの場合良くなります。手術が必要な場合でも、人工股関節置換術は安全性の高い手術であり、多くの方が術後に痛みから解放され、快適に歩けるようになっています。焦らず、医師と相談しながら一歩ずつ進みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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