ICD(植込み型除細動器)の概要
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ICD(植込み型除細動器)は、心臓の危険な不整脈を感知し、自動的に電気ショックを与えて正常なリズムに戻す装置です。胸の皮下に埋め込む手術を行います。
重要な事実
- ICDは危険な頻脈(心拍が異常に速くなること)や心室細動(心臓がけいれんする状態)を治療します。
- 装置はバッテリーで動き、5~7年ごとに交換が必要です。
- ICDは突然死のリスクを大幅に減らすことができます。
日本では年間約1万件のICD植込み手術が行われており、比較的よく行われる治療です。
主に心筋梗塞の後や心臓の筋肉が弱っている人(心不全)、または遺伝性の不整脈を持つ人が対象になります。
症状
- 意識を失った(呼びかけに反応しない)
- 呼吸がない、または異常な呼吸
- ICDから連続してショックが何度も出ている
- ⚠ICDが作動したが気分が戻らない
- ⚠傷口から赤みや腫れ、膿が出ている
- ⚠38度以上の発熱が続く
一般的な症状
- 失神(突然気を失う)
- 動悸(心臓がドキドキしたり、飛び跳ねる感じ)
- 胸の痛みや圧迫感
子供の症状
- 運動中に倒れる
- 原因不明の立ちくらみ
- 家族に突然死の人がいる場合は特に注意
高齢者の症状
- 疲れやすい
- めまいやふらつき
原因
主な原因
- 心筋梗塞(心臓の血管が詰まる)の後遺症
- 拡張型心筋症(心臓の筋肉が伸びて弱くなる病気)
- 遺伝性の不整脈(ブルガダ症候群、QT延長症候群など)
リスク要因
- 心臓病の家族歴
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 意識を失う、または失神を繰り返す
- ICDが作動したのに気分が悪い
- ICDの警告音が鳴る
定期受診を予約すべき場合:
- 定期的なICDチェック(3~6か月ごと)が必要です。
- バッテリー残量が少なくなったと知らされたら早めに受診。
診断
ICDが必要かどうかは、心臓の検査と症状、病歴から医師が判断します。
行われる可能性のある検査
- 心電図(心臓の電気活動を記録)
- ホルター心電図(24時間装着する心電図)
- 心エコー(超音波で心臓の形や動きを見る)
- 電気生理学的検査(心臓にカテーテルを入れて不整脈を誘発する検査)
診察で予想されること
診断には数日から数週間かかることがあります。検査は痛みを伴わないものがほとんどです。結果に基づいて、医師がICD植込みの必要性を説明します。
治療
ICD植込みは手術室で行われます。局所麻酔または全身麻酔で、鎖骨の下に切開し、リード(電極のついた細い線)を心臓まで通し、本体を皮下に置きます。手術は約1~2時間です。
自宅でのセルフケア
- 手術後は傷を清潔に保ち、シャワーは医師の許可が出てから。
- 重いものを持ったり、激しい運動は1か月ほど避ける。
- ICDの作動状況を記録する日記をつけると良い。
医療治療
ICDに加えて、心臓の負担を減らす薬が処方されることがあります(例:血圧を下げる薬、心臓の働きを助ける薬)。薬は必ず医師の指示通りに飲んでください。
手術が検討される場合
ICD植込みは手術です。通常は1泊2日~数日の入院が必要です。
この病気と共に生きる
ICDと共に生活するには、定期的な装置のチェックと、強い磁気を避けることが大切です。スマートフォンやヘッドホンをICDの上に置かないようにし、空港の金属探知機を通る前に医師に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 携帯電話はICDの反対側の耳で使い、胸ポケットには入れない。
- 高圧電線や電磁調理器(IH)のそばに長時間いない。
- コンタクトスポーツ(ラグビーなど)は医師と相談。
食事と運動
心臓に良い食事(塩分控えめ、野菜多め)を心がけ、ウォーキングなど軽い運動を続けましょう。医師の許可があれば、通常の運動が可能です。
精神的健康と心の健康
ICDが作動することへの不安や、体に埋め込まれている違和感からストレスを感じることがあります。その場合は医師やカウンセラーに相談してください。
予防
ICDが必要になる根本的な心臓病を予防することが大切です。健康的な生活(禁煙、適度な運動、バランスの良い食事)で心臓病のリスクを下げましょう。
ワクチン
省略
検診プログラム
心臓病の家族歴がある場合は、かかりつけ医に相談し、定期的な心電図検査を受けることを検討してください。
合併症
治療しない場合
- 不整脈による突然死のリスクが高まる
- 心不全が悪化する
- 日常生活に支障をきたす失神の繰り返し
長期的な見通し
ICDは突然死を防ぐ効果が高く、多くの人が手術後も長く元気に暮らしています。定期的なフォローアップと生活管理で、ICDと共に普通の生活を続けられます。希望を持ちましょう。
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最終更新: 2026年7月31日
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