LEEP手術
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
LEEP(ループ電気外科切除術)とは、子宮頸部(子宮の入り口)から異常な細胞を取り除く小さな手術です。細いワイヤーの輪(ループ)に電気を通して、異常部分を切り取ります。この方法で、子宮頸部の異形成(前がん状態)を治療したり、がんかどうかを調べるための組織を取ることができます。
重要な事実
- LEEPは外来で10~20分程度で終わる日帰り手術です。
- 局所麻酔(その部分だけを麻痺させる)で行うため、手術中の痛みはほとんどありません。
- 手術後は数日から1週間で普段の生活に戻れますが、性行為やタンポンの使用は約1か月控えます。
LEEPは、子宮頸部の異常が見つかった女性に対して日本でもよく行われる治療法です。
主に20代~40代の女性で、子宮頸部の細胞診で異常が認められた方に行われます。妊娠中や妊娠の可能性がある場合は、医師とよく相談する必要があります。
症状
- 手術後、1時間に1枚以上のナプキンがすぐに真っ赤に染まるほどの大量出血がある
- 息苦しさや意識がもうろうとする
- 激しい腹痛や発熱(38度以上)がある
- ⚠手術後、出血が続く、または量が増える
- ⚠痛みが強く、市販の痛み止めで治まらない
- ⚠悪臭のあるおりものが出る
一般的な症状
- 子宮頸部の異形成(前がん状態)は、ほとんどの場合、自覚症状がありません。
- 進行すると、性交後の出血や生理以外の出血、おりものの増加や異常な臭いが現れることがあります。
子供の症状
- LEEP手術は子どもには通常行われません。子宮頸部の異常は思春期以降にみられることがあります。
高齢者の症状
- 閉経後の女性では、出血のサインを見逃さないことが大切です。手術後の治りが遅くなることがあります。
原因
主な原因
- 子宮頸部の異常細胞の主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染です。HPVは性的接触で感染するよくあるウイルスで、多くの女性が一生に一度は感染します。
リスク要因
- 免疫力が低下している(例:喫煙、ストレス、病気など)
- 複数の性交相手がいる
- 経口避妊薬の長期使用
- 初交年齢が早い
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 性交後や生理と関係なく出血がある
- おりものの量や色、臭いが普段と違う
- 生理が重くなった、または生理の間にも出血がある
定期受診を予約すべき場合:
- 20歳以上の女性は2年に1回、子宮頸がん検診(細胞診)を受けることが厚生労働省から推奨されています。検診で異常があった場合は、必ず精密検査を受けてください。
診断
まず子宮頸がん検診(細胞診)で異常細胞が見つかると、コルポスコピー(拡大鏡で子宮頸部を詳しく観察する検査)と組織生検(一部を切り取って調べる)を行い、診断を確定します。
行われる可能性のある検査
- 子宮頸部細胞診(パップテスト)
- コルポスコピー(拡大鏡検査)
- 組織生検(子宮頸部の一部を採取)
診察で予想されること
検査は婦人科の診察室で行います。細胞診は数分で終わり、痛みはほとんどありません。コルポスコピーでは子宮頸部に酢酸を塗って異常部分を見やすくします。生検はごく小さい組織を取るため、一瞬チクッとすることがあります。これらの検査でLEEP手術が必要かどうか判断されます。
治療
LEEP手術は、子宮頸部の異常細胞を切除する安全で効果的な治療法です。局所麻酔で痛みを抑え、ループ状の器具で異常部分だけを切除します。手術後は切除した組織を顕微鏡で調べ、完全に取り除けているかを確認します。
自宅でのセルフケア
- 手術後は数日間安静にし、激しい運動や重いものを持つことは避けてください。
- 手術後2~4週間は性行為やタンポンの使用を控えてください。
- 入浴は医師の指示を守り、通常は翌日からシャワーが可能です。湯船につかるのは1か月後まで待ちましょう。
医療治療
LEEPの代わりに、異常の程度によってはレーザー治療や円錐切除術(CKC)と呼ばれる手術が行われることもあります。いずれも医師と相談し、最適な治療法を選びます。
手術が検討される場合
LEEP自体が手術ですが、さらに進行した病変や再発を繰り返す場合は、子宮頸部のより大きな切除(円錐切除術)や子宮摘出が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
LEEP手術後、通常は1週間程度で普段の生活に戻れます。ただし、完全に治るまで約1か月かかるため、その間は医師の指示を守って過ごしてください。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙は治癒を促進し、再発リスクを減らします。
- HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種について、医師に相談することを検討しましょう。
食事と運動
バランスの良い食事と適度な運動は免疫力を高め、回復を助けます。特にビタミンCや葉酸を多く含む野菜や果物を積極的に摂りましょう。
精神的健康と心の健康
がんの可能性を指摘されると不安になるのは自然なことです。LEEP手術は多くの場合、完治が期待できる治療です。気になることや不安は医師や看護師に話し、必要に応じてカウンセリングも利用できます。
予防
子宮頸部の異常は、HPVワクチンと定期的な検診である程度予防できます。
ワクチン
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は、高リスク型のHPV感染を予防します。日本では小学6年生~高校1年生相当の女子を対象に定期接種が行われています。男児も任意で接種できます。
検診プログラム
20歳以上の女性は2年に1度の子宮頸がん検診を厚生労働省が推奨しています。検診は早期発見に有効です。
合併症
治療しない場合
- 子宮頸部の異常をそのままにすると、時間とともに前がん状態から子宮頸がんに進行するリスクが高まります。
- LEEP手術後も、再発の可能性があるため定期的な経過観察が必要です。
長期的な見通し
LEEP手術の成功率は高く、多くの女性がその後健康に過ごしています。ただし、定期的な検診を続けることが大切です。妊娠や出産への影響はほとんどの場合ありませんが、まれに子宮頸管が狭くなることがあるため、妊娠を希望する場合は医師に伝えましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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