乳房部分切除術
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乳房温存手術(ルンペクトミー)とは、乳がんなどの腫瘍(しゅよう)を、乳房の一部だけを切り取って取り除く手術のことです。できるだけ乳房の形を残しながら、がんを治療する方法です。
重要な事実
- この手術は、早期の乳がんに対して行われることが多いです。
- 乳房全体を取る全摘出(ぜんてきしゅつ)と比べて、乳房の見た目を大きく変えずにすむことがあります。
- 手術後、多くの場合、放射線治療(ほうしゃせんちりょう)が追加で行われます。
日本では、早期の乳がんと診断された方のうち、約半数が乳房温存手術を受けています。厚生労働省の調査でも、年々増えている治療法の一つです。
主に乳がんと診断された女性に行われますが、まれに男性にも行われることがあります。腫瘍の大きさや位置、進行度によって適応が決まります。
症状
- 手術後に突然の息苦しさや胸の痛みがある
- 手術した場所から大量の出血がある
- 高熱(38度以上)が出て、傷口が赤く腫れている
- ⚠手術した傷口から膿(うみ)が出る
- ⚠痛みがだんだん強くなり、市販の痛み止めで効かない
- ⚠手術した側の腕が急に腫れる
一般的な症状
- 乳房にしこりがある
- 乳房の一部分がへこんでいる
- 乳房の皮膚がみかんの皮のようにでこぼこしている
- 乳頭(にゅうとう)から液体が出る
子供の症状
- 幼い子どもが乳房温存手術を受けることはほとんどありません。症状がある場合は、小児科医に相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者の場合も若い方と同じような症状が見られますが、手術の判断には全身の健康状態が大きく影響します。
原因
主な原因
- 乳房温存手術が必要になる主な原因は、乳がんまたは他の悪性腫瘍が見つかることです。
- 良性の腫瘍でも、大きい場合や症状がある場合に手術が検討されることがあります。
リスク要因
- 乳がんのリスク要因として、家族に乳がんの人がいる、高齢、肥満、アルコールの過剰摂取などがあります。
- また、30歳以降の初産、授乳経験の有無なども関連します。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 手術後に異常な出血や発熱がある場合
- 傷口が化膿していると思われる場合
定期受診を予約すべき場合:
- 乳房に新しいしこりを感じた場合
- 定期的なマンモグラフィーや超音波検査の予約がある場合
- 乳がんの治療後、定められたフォローアップの時期になった場合
診断
乳房温存手術の前に、がんの診断が確定している必要があります。診断は画像検査と組織検査(生検)によって行われます。
行われる可能性のある検査
- マンモグラフィー(乳房X線検査)
- 超音波(エコー)検査
- MRI(磁気共鳴画像)検査
- 針生検(しんせいけん):細い針で組織の一部を採取して調べます
診察で予想されること
主治医から手術の目的や方法、リスクについて詳しく説明があります。入院期間は数日から一週間程度が一般的で、術後は放射線治療が必要になることが多いです。
治療
乳房温存手術は、がんを完全に取り除きながら乳房の大部分を残すことを目指します。手術後は放射線治療で残った細胞を破壊し、再発リスクを下げます。ホルモン療法や抗がん剤治療が組み合わされることもあります。
自宅でのセルフケア
- 手術後は、医師の指示に従って傷口を清潔に保ちましょう。
- 術後1~2週間は重い物を持ち上げたり、激しい運動を避けましょう。
- 痛みがある場合は、医師に相談して適切な痛み止めを使いましょう(自己判断は避けてください)。
医療治療
主な治療は手術とその後の放射線治療です。放射線治療は通常、手術後3~6週間以内に始め、数週間にわたって行われます。ホルモン療法や抗がん剤治療は、がんの性質や進行度に応じて医師が検討します。
手術が検討される場合
腫瘍が乳房の中に限局していて、大きさが比較的小さい場合(通常3~4cm以下)に適応となります。ただし、腫瘍が広範囲にあったり、炎症を伴う乳がんの場合は、全摘出(乳房切除術)が勧められることもあります。
この病気と共に生きる
手術後、数週間は安静が必要ですが、徐々に日常生活に戻れます。傷の痛みや違和感は数か月続くこともあります。定期的な通院と自己検診を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事を心がける
- 禁煙・節酒を意識する
- 適度な運動(ウォーキングなど)を習慣にする
- ストレスをため込まず、リラックスする時間を持つ
食事と運動
特に決まった特別食はありませんが、野菜や果物を多く取り、脂肪分を控えた食事が推奨されます。運動は、腕のリンパ浮腫(はれ)を防ぐために、医師の指導のもとで徐々に始めてください。
精神的健康と心の健康
乳房の形が変わったことへのショックや、再発への不安など、精神的な影響は少なくありません。気持ちを誰かに話したり、専門家のサポートを受けることも有効です。
予防
乳房温存手術そのものを予防することはできませんが、乳がんのリスクを減らすことは可能です。規則正しい生活、適度な運動、バランスの良い食事、定期的な検診が大切です。
検診プログラム
40歳以上の女性は、2年に1回のマンモグラフィー検診が推奨されています。自治体の検診や健康診断を活用しましょう。
合併症
治療しない場合
- がんが大きくなり、乳房全体に広がる可能性があります。
- リンパ節や他の臓器に転移するリスクが高まります。
- 治療が困難になり、治癒の可能性が低くなることがあります。
長期的な見通し
早期に発見して適切な治療を行えば、乳房温存手術後の生存率は全摘出と同等に良好です。再発予防のために経過観察を続けることで、多くの方が長く健康を維持できます。希望を持って治療に臨みましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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