腎炎(腎臓の炎症)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎炎(じんえん)とは、腎臓に炎症が起こる病気です。腎臓は血液をろ過して尿を作る大切な臓器で、炎症が続くとその働きが弱まることがあります。
重要な事実
- 腎炎には、急に症状が出る急性と、長く続く慢性の2つのタイプがあります。
- 早期に見つけて治療を始めると、腎臓の働きを保ちやすくなります。
- 原因は、感染症や自己免疫疾患(自分の免疫が誤って腎臓を攻撃すること)など、さまざまです。
腎炎は比較的よく見られる病気で、特に急性のものは子どもや若い世代に多く見られます。
子どもから高齢者まで誰でもかかる可能性がありますが、特に溶連菌(ようれんきん)という細菌の感染後や、自己免疫疾患を持つ人に多く見られます。
症状
- 急に尿がまったく出なくなった
- 息苦しい、呼吸がしにくい
- 意識がもうろうとする、けいれんがある
- ⚠血尿が続いてひどい
- ⚠むくみが急に悪化した
- ⚠体重が急に増えた(数日で2~3kg以上)
- ⚠ひどい頭痛や目の見え方がおかしい
一般的な症状
- 顔や足のむくみ(特に朝に気づきやすい)
- 尿の色が赤い、または茶色い(血尿)
- 尿の量が減る
- 疲れやすい、だるい
- 血圧が高くなる
子供の症状
- 風邪や喉の痛み(溶連菌感染)の1~2週間後に、急に血尿やむくみが出ることがあります。
- 頭痛や吐き気を訴えることもあります。
高齢者の症状
- 症状がはっきりせず、むくみや疲れやすさを他の病気と間違えやすいです。
- 高血圧が続いたり、尿の量が徐々に減ったりすることがあります。
原因
主な原因
- 感染症(特に溶連菌によるのどの感染)
- 免疫の異常(IgA腎症など、自分自身の免疫が腎臓を攻撃する)
- 血管の炎症(血管炎)
- 一部の薬の副作用
リスク要因
- 家族に腎臓病の人がいる
- 糖尿病や高血圧がある
- たばこを吸う
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に尿が出なくなった、または息苦しい場合はすぐに119番に連絡してください。
- 血尿やむくみが急に悪化した場合は、同じ日か翌日には医療機関を受診しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- むくみや血尿が続く、尿の量が減った気がする
- 健康診断で尿検査や血圧の異常を指摘された
- 疲れやすさやだるさが長く続く
診断
医師が問診と身体診察を行い、尿検査や血液検査で腎臓の働きを調べます。必要に応じて画像検査や腎生検(腎臓の組織を少しだけ取って調べる検査)を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(たんぱくや血液の有無を調べる)
- 血液検査(クレアチニンなどで腎機能を評価)
- 超音波検査(腎臓の大きさや形を見る)
- 腎生検(細い針で組織を取り、顕微鏡で調べる)
診察で予想されること
これらの検査はほとんどが外来で受けられます。腎生検は入院が必要なこともありますが、局所麻酔で行うため、検査中の痛みはほとんどありません。結果が出るまでに数日から1週間ほどかかることがあります。
治療
腎炎の治療は、原因や重症度によって異なります。主な目的は炎症を抑え、腎臓の働きを最後まで守ることです。
自宅でのセルフケア
- 塩分(しお)を控える
- 水分は適切な量をとる(医師の指示に従う)
- 十分な休息をとる
- 禁煙する
医療治療
炎症を抑える薬(ステロイドなど)や免疫の働きを調整する薬、血圧を下げる薬などが使われます。また、食事療法(塩分やたんぱく質の制限)も治療の一部です。どの薬を使うかは医師があなたの状態に合わせて決めますので、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
腎炎そのものに手術は必要ありませんが、腎臓の働きが著しく低下した場合は、透析(血液をきれいにする治療)や腎移植(新しい腎臓に替える手術)が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
腎炎と診断されたら、定期的に通院し、医師の指示を守ることが何より大切です。むくみや尿の変化に注意しながら、日常生活を送りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休養をとる
- ストレスをためないようにする
- 感染症予防のため、手洗いをしっかりする
- 規則正しい生活を心がける
食事と運動
塩分を控えたバランスの良い食事が基本です。詳しい食事の量や制限は医師や管理栄養士に相談しましょう。適度な運動(ウォーキングなど)は血圧管理に役立ちますが、激しい運動は避け、医師に確認してから始めてください。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気と向き合うことは、不安やストレスになることがあります。一人で抱え込まず、医師や看護師、カウンセラーに気持ちを話してみてください。
予防
すべての腎炎を予防できるわけではありませんが、感染症の予防や健康的な生活習慣でリスクを減らせる場合があります。特に、のどの感染が疑われるときは早めに医療機関を受診しましょう。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種は、感染症による腎炎の悪化を防ぐのに役立つことがあります。医師に相談して検討してください。
検診プログラム
年に一度の健康診断で尿検査と血圧測定を受けることが、腎炎の早期発見につながります。異常を指摘されたら放置せずに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 腎機能が徐々に低下し、慢性腎臓病になる
- 腎不全(腎臓がほとんど働かなくなる)
- 高血圧が悪化する
- 心臓や血管の病気のリスクが高まる
- 体の中の電解質(カリウムなど)のバランスが乱れる
長期的な見通し
腎炎は適切な治療で症状が改善し、多くの人が普段どおりの生活を続けられます。慢性の場合でも、長く付き合いながら腎臓の働きを守る方法があります。希望を持って、医師と一緒に治療に取り組みましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。