肥満症の手術・処置当日のポイント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
肥満症(ひまんしょう)は、体に脂肪が必要以上にたまり、心臓病や糖尿病などの病気を引き起こしやすくなる状態です。ただの体形の変化ではなく、治療が必要な病気として考えます。特に、手術や処置を受ける日は、医師の指示を守って安全に準備することがとても大切です。
重要な事実
- 肥満症は体に脂肪が過剰にたまり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こしやすくする病気です。
- 治療の基本は食事や運動などの生活習慣の見直しで、必要に応じて薬物療法や手術が検討されます。
- 手術や処置の当日は、指示された絶食や水分制限を守り、更衣や持ち物の準備など、決められたことを行うことが安全につながります。
日本では、男性の約3人に1人、女性も約4人に1人が肥満症に近い状態といわれており、年々増加傾向にあります。特に中高年に多く見られますが、若い世代でも注意が必要です。
肥満症は、遺伝的な体質や食生活の乱れ、運動不足、ストレス、ホルモンの変化など、さまざまな要因で起こります。子どもから高齢者まで誰にでも起こる可能性がありますが、家族に肥満の人がいたり、糖尿病や高血圧の人がいる場合、より注意が必要です。
症状
- 突然の激しい胸の痛みや圧迫感がある
- 意識がもうろうとして、呼びかけに反応しない
- 片方の手足が麻痺して動かない、言葉が話しにくい
- 息がひどく苦しくなり、会話ができない
- これらの症状が現れたら、ためらわずに119番へ電話してください
- ⚠急な体重増加とともに、息苦しさやむくみが強くなった
- ⚠39度以上の熱があり、ぐったりする
- ⚠激しい腹痛や背中の痛みが続いている
- ⚠夜に息が止まるような感覚が何度もあり、日中も強い眠気がある
- ⚠このような症状の場合は、お近くの医療機関に早めに相談してください
一般的な症状
- 体重が増え続けている(体のサイズが大きくなっている)
- 階段を少し上っただけで息切れする
- 睡眠中に大きないびきや無呼吸がある(睡眠時無呼吸症)
- 膝や腰に痛みや重だるさを感じる
- 汗をかきやすく、疲れやすい
- 糖尿病や高血圧、脂質異常症などの健診で指摘を受けている
子供の症状
- 思春期の女の子では月経が始まるのが早くなることがあります
- からだを動かすと疲れやすく、運動を避けることがあります
- 周りの視線を気にして、自信をなくしてしまうこともあります
高齢者の症状
- 膝や腰の関節痛がつらくなり、歩行が困難になることがあります
- 糖尿病や高血圧の合併により、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります
- 筋力が低下して転びやすくなり、骨折につながることがあります
原因
主な原因
- 遺伝により太りやすい体質を受け継いでいる
- 食べすぎや高カロリーな食事、栄養の偏り
- 運動不足や座っている時間が長い生活
- ホルモンの異常(甲状腺機能低下症など)
- ストレスや不規則な生活による食欲の乱れ
リスク要因
- 家族に肥満の人がいる
- 睡眠不足や不規則な生活
- アルコールを多く飲む
- ストレスを食べることで解消しやすい
- 女性の場合、妊娠・出産や更年期によるホルモンの変化
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- BMIが25を超え、糖尿病や高血圧、脂質異常症などがある程度進行している場合
- 急速に体重が増え、息切れやむくみなどの症状が出ている場合
- 肥満症を改善するための治療を開始したい場合
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で肥満度が高いと指摘されたが、どうしていいかわからない場合
- 自分でダイエットしているが、なかなか効果が出ない場合
- 睡眠時無呼吸症や関節痛など、日常生活で困りごとが出ている場合
- ホルモンの異常を疑う症状(汗の量の変化、顔つきの変化など)がある場合
診断
肥満症の診断では、身長と体重から計算するBMIという値が使われます。目安として、日本ではBMIが25以上になると肥満と判断されます(ただし、筋肉質の人など例外もあります)。さらに、腹囲や血液検査などの結果をあわせて、合併症の有無を確認します。
行われる可能性のある検査
- 身長・体重・腹囲の測定
- BMIの計算
- 血液検査(血糖、脂質、肝機能、腎機能など)
- ホルモンの血液検査(甲状腺、副腎など)
- 腹部超音波(脂肪肝や胆石のチェック)
- 睡眠時無呼吸症の検査(必要に応じて)
診察で予想されること
医療機関では、まず問診を受けることが多いです。生活習慣やこれまでにかかった病気、飲んでいる薬などを聞かれます。そのあとに、身長・体重・腹囲を測り、血液検査などを行います。結果について医師から説明があり、あなたの状態に合った治療計画が提案されます。その際、不明な点は遠慮なく質問してください。
治療
肥満症の治療は、食事療法と運動療法が土台になります。それでも改善が見られない場合は、薬物療法や外科的治療(手術)が検討されます。この記事では、特に手術や処置を受ける日の流れと注意点について紹介します。当日は、医師やスタッフの指示を守ることが、安全でスムーズな処置につながります。
自宅でのセルフケア
- 処置の前日は、医師の指示に従って夕食の内容や時間を調整します(脂肪の少ない食事など)。
- 当日の朝は、基本的には絶食(食事をしない)です。飲水についても、指示されたとおりにします。
- 飲んでいる薬がある場合は、当日の朝に飲むかどうか、事前に医師に確認しておきます。
- 当日は、着替えやすく動きやすい服装で行きましょう。下着や靴も清潔なものにします。
- アクセサリーや指輪、コンタクトレンズ、化粧品は外して行きます。
- 送り迎えを頼める家族や近しい人に、時間と待ち合わせ場所を伝えておきます。
医療治療
肥満症の薬物療法には、食欲を抑えるものや脂肪の吸収を減らすものなど、いくつか種類があります。ただし、これらの薬は医師が患者さんの状態や持病、体質を考えて選ぶため、自分で判断して使うことは絶対にしないでください。手術を行う場合は、栄養管理や精神面のサポートを含めたチームで治療を進めます。
手術が検討される場合
外科手術は、高度肥満(一般的にはBMIが35以上)で、生活習慣の改善や薬物療法を行っても効果が不十分な場合や、糖尿病・高血圧などの合併症が重症な場合に検討されます。主な方法には、胃の一部を切り取って小さくする手術や、小腸の一部をバイパスする手術などがあります。手術を選ぶかどうかは、専門医やチームとよく話し合って決めます。
この病気と共に生きる
肥満症は一度治療が終われば終わりではなく、その後も維持が大切です。特に手術・処置の前後は、生活習慣の変化が求められます。医師や管理栄養士と相談しながら、無理なく続けられるペースを見つけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 1日3食、毎日ほぼ同じ時間に食べる
- 野菜やきのこ、海藻などを多く食べる
- 揚げ物やスイーツ、清涼飲料水を減らす
- 毎日15〜30分の散歩や軽い体操を続ける
- お酒は休肝日を設けるなど、ほどほどにする
- 睡眠をしっかりとる(7時間前後を目安に)
- ストレスをためず、気分転換をする
食事と運動
食事は、よく噛んで、ゆっくり食べることが満腹感につながります。また、野菜から食べる「ベジファースト」もおすすめです。運動は、最初はウォーキングから始め、慣れてきたら時間や強度を上げていきましょう。高齢者や持病がある人は、医師や理学療法士に相談して安全な運動を選んでください。
精神的健康と心の健康
肥満症のおかげで、自分に自信を持てなくなることがあります。「自分は意志が弱いから」と自分のせいだと感じてしまう人もいますが、肥満症は背景にホルモンや遺伝などの医学的な要因も多くあります。辛い気持ちを抱え込まず、医師やカウンセラーに話してみましょう。
予防
肥満症は、遺伝や体質が関係するため完全に予防できるとは限りませんが、生活習慣の改善によって発症や進行を抑えることは可能です。特に、若いうちからバランスの良い食事と運動習慣を身につけることが大切です。
ワクチン
肥満症に直接効くワクチンはありません。ただし、肥満によって免疫力が低下したり、感染症にかかりやすくなったりすることがあるため、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種について、医師に相談することをおすすめします。
検診プログラム
肥満に関連する生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)の早期発見のため、健康診断を定期的に受けましょう。特に、会社や地域の健診で血液検査や腹囲測定は必ず受けるようにしてください。
合併症
治療しない場合
- 2型糖尿病の発症や悪化
- 高血圧や脂質異常症による動脈硬化
- 心筋梗塞や脳卒中
- 睡眠時無呼吸症の悪化による健康被害
- 脂肪肝から肝硬変・肝臓がんへの進行
- 膝や腰の関節の変形・痛み
- 月経異常や妊娠しにくさなどの生殖機能への影響
長期的な見通し
肥満症は早期に治療を始めれば始めるほど、合併症を予防する可能性が高くなります。生活習慣の改善は時間がかかることもありますが、確実に効果が現れます。手術や処置を受ける方も、正しい準備をして治療に臨むことで、より安全に回復を目指せます。あなたに合ったペースで、未来の健康を築いていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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