PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは?症状・治療・毎日の過ごし方
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
PCOSは、卵胞(卵子が入っている袋)が育ちにくくなり、排卵がうまく起こらないため、月経が不順になりやすい体の状態です。男性ホルモンが少し増えることで、ニキビや体毛が濃くなったり、体重が増えやすくなったりすることもあります。
重要な事実
- 月経周期が長い・不順になりやすい
- 排卵が起こりにくく、妊娠しにくいことがある
- 男性ホルモンが増えることで体毛やニキビなどの変化がある
- 生活習慣の見直しと治療で症状は改善できる
- 将来の糖尿病や高血圧のリスクも早めに対策できる
10〜15人に1人くらいの女性に見られると言われており、女性の健康問題の中では比較的身近なものです。厚生労働省も、気になる症状があれば専門医への相談をすすめています。
主に10代後半から30代の女性に多く、妊娠を望む世代で診断されることが多いです。思春期の女の子にも見られます。
症状
- 突然の激しい下腹部痛がある(すぐに119番に連絡)
- 月経の出血がひどく、めまいやふらつきがある(すぐに119番に連絡)
- 息苦しさや胸の痛みがある(すぐに119番に連絡)
- ⚠いつもよりずっと長く、または重い月経出血がある(当日中に医療機関へ)
- ⚠急に強いニキビや体毛が増えた(早めに婦人科へ)
- ⚠急激な体重増加がある(早めに医療機関へ)
一般的な症状
- 月経が少ない、周期が長い、または何ヶ月もこない
- 排卵が起こりにくい
- ニキビが増える
- 顔や体の毛が濃くなる
- 体重が増えやすくなる
- 卵巣に小さな卵胞がたくさん見える(超音波検査で)
子供の症状
- 思春期に月経が始まっても、周期が不規則なことが続く
- ニキビや体毛が年齢のわりに目立つ
- 体重が増えやすく、肥満になりやすい
高齢者の症状
- 閉経が近づくと月経がさらに不規則になり、PCOSの症状がわかりにくくなる
- 更年期にはコレステロールや血圧が上がりやすくなるため、定期的な健康診断が大切
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクに注意が必要
原因
主な原因
- 原因はまだ完全にはわかっていません
- 体がインスリンを使いにくくなる(インスリン抵抗性)ことが関係
- ホルモンのバランスの乱れが排卵を妨げる
- 遺伝的な要素も考えられています
リスク要因
- 家族(母や姉妹)にPCOSの人がいる
- 太りやすい体質
- 運動不足
- 不規則な食生活
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急な激しい腹痛がある
- 月経の出血が止まらず、ふらつきがある
- 激しい頭痛や視界の異常がある
定期受診を予約すべき場合:
- 月経不順が3ヶ月以上続く
- なかなか妊娠しない
- ニキビや体毛の増加など、ホルモンの変化が気になる
- 体重の管理が難しい
診断
問診(月経の様子や気になる症状)、婦人科の内診、超音波検査、血液検査などをもとに、医師が総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 骨盤超音波検査(卵巣の形や卵胞の数を確認)
- 血液検査(ホルモン値や血糖値、コレステロール値など)
- 血圧測定
- 体重・腹囲の測定
診察で予想されること
一度の検査で診断がつくこともあれば、数ヶ月にわたって症状を確認することもあります。医師と今の困りごとをよく話しましょう。
治療
治療は、症状やライフスタイルに合わせて、食事・運動などの生活習慣の見直しと、必要に応じた薬でのサポートを組み合わせて行います。
自宅でのセルフケア
- 野菜やたんぱく質をとり、糖分の多い飲み物を控える
- 週に数回、早歩きやストレッチなどの適度な運動をする
- 十分な睡眠をとり、ストレスをためない
- 体重を適正に保つ(5%の減少でも症状が改善しやすくなります)
医療治療
医師は、月経周期を整えるためのホルモン薬や、インスリンの働きを助ける薬を提案することがあります。薬には種類や使い方、注意点があるので、かならず医師の指示に従い、不安なことは専門医に相談してください。
手術が検討される場合
手術はほとんど行われません。薬による治療で効果が不十分な場合や、まれに卵巣の腫れがひどい場合に、医師が腹腔鏡手術などを検討することがあります。
この病気と共に生きる
PCOSは生涯にわたって付き合っていく体質ともいえますが、適切な管理で症状や将来のリスクを小さくできます。毎日の生活を無理なく整えていくことが、治療の基本です。
生活習慣のアドバイス
- 体重を記録して変化に気づく
- 月経周期をアプリやカレンダーにメモしておく
- 定期的に婦人科のフォローアップを受ける
食事と運動
精製された糖質の多いお菓子や清涼飲料水は控えめにし、野菜・たんぱく質・良質な脂質を意識しましょう。運動はウォーキングやヨガなど続けやすいものを週に3回以上取り入れることがおすすめです。
精神的健康と心の健康
月経不順や妊娠への不安、見た目の変化などから、気分が落ち込んだり、強い不安を感じたりすることがあります。それらの感情は自然なことで、ひとりで抱え込まないでください。
予防
PCOSそのものを完全に予防することはできませんが、日頃から適正体重を保ち、バランスのよい食事と運動を心がけることで、症状の悪化を予防し、将来の生活習慣病のリスクを下げることができます。
合併症
治療しない場合
- 糖尿病や高血圧など、生活習慣病のリスクが高まる
- 排卵が起こりにくく、妊娠を望む場合に時間がかかることがある
- 月経が少ないことで子宮内膜が厚くなり、不正出血が起こることがある
長期的な見通し
早めに診断し、生活習慣と治療を地道に続けることで、多くの人は排卵や月経が整い、健康リスクも大きく減らせます。無理のないペースで一歩ずつ進んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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