前立腺の処置・手術の準備について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
前立腺(せんりつせん)とは、男性だけにあるくるみ大の臓器で、尿の通り道の周りにあります。前立腺の処置や手術の準備とは、検査や治療のために前立腺に針を刺したり、内視鏡(細いカメラ)を入れたりする前に、体と心を整えることをいいます。きちんと準備をすることで、安全に処置を受けられ、合併症(ふくしょう)のリスクを減らせます。
重要な事実
- 前立腺の処置には、生検(組織を少し取る検査)や、経尿道的前立腺切除術(TURP)などがあります。
- 準備には、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を一時的に中止するなどの指示が含まれます。
- 多くの場合、処置の前に下剤(げざい)や浣腸(かんちょう)で腸をきれいにします。
- 医師から指示されたことは必ず守ってください。自己判断で薬を変えないでください。
前立腺の処置は、前立腺肥大症(BPH)や前立腺がんの診断・治療のために、日本でも多く行われています。特に50歳以上の男性では、前立腺の検査や処置を受ける機会が増えます。
主に50歳以上の男性に多く、前立腺肥大や前立腺がんが疑われる人が対象です。しかし、若い世代でも前立腺炎などで処置が必要になることがあります。
症状
- 急に尿がまったく出なくなった(尿閉)
- 強い痛みをともなう血尿
- 排尿しようとしてもできない
- ⚠発熱をともなう排尿困難
- ⚠持続する血尿
- ⚠前立腺の処置後、激しい痛みや出血が続く
一般的な症状
- 頻尿(ひんにょう)―トイレが近い
- 夜間頻尿(夜中に何度もトイレに起きる)
- 尿の勢いが弱い、尿が途中でとぎれる
- 排尿しにくい、残尿感がある
- 血尿(尿に血が混じる)
子供の症状
- 小児では前立腺の処置はほとんどありません。該当する症状はありません。
高齢者の症状
- 高齢者では、尿閉(にょうへい)―まったく尿が出なくなること
- 排尿時の痛みや不快感
- 転倒のリスクを高める夜間頻尿
原因
主な原因
- 前立腺肥大症(BPH)―加齢により前立腺が大きくなり、尿道を圧迫する
- 前立腺がん―がん細胞が前立腺にできる
- 前立腺炎―細菌感染などによる炎症
リスク要因
- 年齢(50歳以上)
- 家族歴(父親や兄弟に前立腺がんの人がいる)
- 食生活(高脂肪食など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿が出ない、またはほとんど出せない
- 排尿時の激しい痛み
- 肉眼でわかる血尿
定期受診を予約すべき場合:
- 排尿の悩み(頻尿、勢いが弱いなど)が続く
- 健康診断で前立腺特異抗原(PSA)値が高かった
- 前立腺の処置・手術をすすめられたが、準備について不安がある
診断
前立腺の状態を調べるために、医師は問診(症状を聞く)、血液検査(PSA値)、直腸診(指を肛門から入れて前立腺の大きさや硬さを確認)、超音波検査などを行います。これらの結果から、処置(生検や手術)が必要かどうか判断されます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(PSAなど)
- 直腸診(DRE)
- 経直腸的超音波検査(TRUS)
- 必要に応じてMRIやCT
診察で予想されること
処置の前に、医師から詳しい準備方法を説明されます。血液サラサラの薬を中止する時期、食事や水分の制限、腸をきれいにする方法について指示があります。当日は、緊張するかもしれませんが、医療チームがサポートします。
治療
前立腺の処置の準備とは、処置を安全に行うために行う一連の手順です。これには、内服薬の調整、腸の準備(下剤や浣腸)、感染予防のための抗生物質の服用(医師の指示による)、食事制限などが含まれます。手順は処置の種類や患者さんの状態によって異なります。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示にしたがって、決められた時間から絶食(水分も制限されることがある)する
- 処置前日は、指定された下剤を飲み、腸の中をきれいにする
- 血液をサラサラにする薬(ワルファリン、アスピリンなど)は、医師の指示で一時的に中止する(自己判断でやめないこと)
- 感染症のリスクを減らすため、医師から処方された抗生物質は指示通りに服用する
- 当日は、ゆったりとした服装で来院し、身の回りのものを確認する
医療治療
前立腺の処置には、生検(組織を取る検査)や、経尿道的前立腺切除術(TURP)、レーザー治療、高密度焦点式超音波療法(HIFU)などがあります。これらの処置に先立ち、医師は患者さんの状態に合わせて、麻酔の方法や感染予防のための抗生物質の使用を決めます。処置後は、一時的に尿道カテーテル(管)を入れることもあります。
手術が検討される場合
前立腺肥大症で薬が効かない場合や、前立腺がんの治療が必要な場合に、手術が検討されます。手術の準備は、処置の規模によってより詳しくなります。医師と入院期間や術後の経過について十分に話し合ってください。
この病気と共に生きる
前立腺の処置を受ける前後も、普段の生活を続けられますが、処置の数日前からは指示に従って準備を進めてください。処置後は、しばらく尿に血が混じったり、排尿時に痛みを感じることがあります。安静を心がけ、医師の許可が出るまで激しい運動や重いものを持たないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 処置前日はしっかり休む
- ストレスをためず、リラックスする時間を持つ
- 喫煙している方は、処置の前後は控える(治癒を促進するため)
- 医師から指示された通りに水分を取る(制限がある場合もある)
食事と運動
処置前は、医師の指示に従って食事を調整します(通常は前日の夕食以降は絶食)。処置後は、便秘にならないよう、食物繊維を多く含む野菜や果物を積極的に取り、水分を十分に摂りましょう(医師の指示があればそれに従う)。運動は、医師の許可が出るまでは控え、ウォーキングなどの軽い運動から始めてください。
精神的健康と心の健康
前立腺の処置を控えて不安や緊張を感じるのは自然なことです。話し合える家族や友人に気持ちを打ち明けたり、医師や看護師に質問して不安を減らしましょう。気分が落ち込んだり、眠れないときは、遠慮なく医療スタッフに相談してください。
予防
加齢にともなう前立腺の変化を完全に防ぐことはできませんが、健康的な生活習慣を続けることで、症状の悪化や処置の必要性を減らせる可能性があります。
検診プログラム
50歳以上の男性は、年1回の健康診断でPSA検査や直腸診を受けることを検討しましょう。前立腺がんの早期発見につながります。厚生労働省のガイドラインでは、40歳以上で家族歴がある方などには、個別に検査がすすめられています。
合併症
治療しない場合
- 前立腺肥大症が進行すると、尿閉(尿が出なくなる)や腎臓障害を起こすことがある
- 前立腺がんの場合、放置すると転移するリスクがある
- 前立腺炎が慢性化すると、痛みや排尿障害が続く
長期的な見通し
前立腺の処置や手術は、適切に準備すれば安全に受けることができ、多くの場合、症状の改善や病気のコントロールが期待できます。医療技術の進歩により、負担の少ない方法も増えています。希望を持って治療に臨んでください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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