骨粗しょう症について医師に聞きたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗しょう症とは、骨の密度が下がって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨は、古い骨を吸収し、新しい骨を作る「入れ替わり」をくり返していますが、このバランスが崩れると骨密度が低下します。
重要な事実
- 骨粗しょう症は、初期にはほとんど自覚症状がないため「静かな病気」と呼ばれています。
- 骨密度は、若い頃に最大になり、その後は年齢とともに低下していきます。
- 閉経後の女性は、女性ホルモンの減少によって骨密度が急に低下しやすくなります。
- 骨折すると、痛みや生活の質の低下、寝たきりにつながることがあります。
- 適切な治療と生活習慣の見直しで、進行を遅らせ、骨折を防ぐことができます。
日本では、50歳以上の約1,280万人が骨粗しょう症またはその予備群と推定されています(厚生労働省の調査に基づく)。特に女性に多く、高齢になるほど増える病気です。
閉経後の女性や高齢者に多く見られます。男性よりも女性に多く、低体重、運動不足、喫煙、過度の飲酒、カルシウム不足などがあると、よりかかりやすくなります。
症状
- 強い背中や腰の痛みがあり、動けない
- 転倒後、足や手を動かせない、激しい痛みがある
- 意識がもうろうとしている
- 呼吸が苦しい
- ⚠転倒した後、痛みが数時間続く
- ⚠背中の痛みが強くなっている
- ⚠身長が急に縮んだ気がする
一般的な症状
- 初期には症状がほとんどありません
- 背中や腰の痛み
- 身長が縮む
- 猫背になる
- 少しの衝撃で手首や背骨、太ももの付け根などを骨折する
高齢者の症状
- 背中や腰の慢性的な痛み
- 身長が2cm以上縮む
- 背中が丸くなる(猫背)
- 転ばなくても背骨がつぶれる「圧迫骨折」を起こすことがある
原因
主な原因
- 加齢によって骨を作る働きが弱くなる
- 閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の減少
- カルシウムやビタミンDの不足
- 運動不足
- 甲状腺疾患や関節リウマチなど特定の病気
- ステロイド薬など、骨に影響を与える薬の使用
リスク要因
- 女性であること(特に閉経後)
- 65歳以上の高齢
- 骨粗しょう症の家族歴がある
- 低体重(やせすぎ)
- 過度の飲酒
- 運動不足
- 食事からのカルシウム摂取が少ない
- 過去に骨折したことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転倒や軽い衝撃で骨を痛めてしまった
- 強い背中や腰の痛みがある
- 身長が急に縮んだ、または猫背が急に進行した
定期受診を予約すべき場合:
- 65歳以上の女性、70歳以上の男性は骨密度検査を検討する
- 閉経後の健康診断で骨の健康について相談する
- 骨折を繰り返している
- 骨粗しょう症の治療中は定期的に医師の診察を受ける
診断
医師が問診、身体診察、骨密度検査、必要に応じて血液検査や尿検査を行い、総合的に診断します。
行われる可能性のある検査
- 骨密度検査(DEXA法:X線を使って背骨や太ももの骨の密度を測る検査)
- 血液検査(カルシウム、ビタミンD、腎機能、甲状腺ホルモンなどを調べる)
- 尿検査(骨の代謝の状態を調べる)
- 背骨のX線検査(圧迫骨折の有無を調べる)
診察で予想されること
骨密度検査は痛みを伴わず、10〜20分ほどで終わります。結果は後日医師から説明されます。診断後は、治療や生活習慣の見直しについて一緒に計画を立てます。
治療
骨粗しょう症の治療は、骨を強くし、骨折を防ぐことが目的です。生活習慣の改善と、医師が処方する薬を組み合わせて行います。
自宅でのセルフケア
- バランスの良い食事をとる(カルシウム、ビタミンD、たんぱく質を意識)
- ウォーキングや筋力トレーニングなど、無理のない運動をする
- 禁煙する
- 飲酒は適量にする(過度の飲酒は骨を弱くします)
- 家の中の段差をなくす、手すりをつけるなど転倒を防ぐ工夫をする
- 適度に日光を浴びる(ビタミンDの合成に役立ちます)
医療治療
医師は、骨の吸収を抑える薬や、骨の形成を促す薬など、患者さんの状態に合わせて治療薬を検討します。薬にはそれぞれ効果と注意点があるため、必ず医師の指示に従ってください。サプリメントや市販薬を自己判断で使用せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
手術が検討される場合
骨粗しょう症が原因の骨折(特に太ももの付け根の骨折)で、骨がずれている場合や安定しない場合は、手術が必要になることがあります。骨を固定する手術や人工関節に置き換える手術などが検討されますが、骨折の場所や全身の状態によって異なります。
この病気と共に生きる
骨粗しょう症があっても、適切な治療と生活習慣で骨折のリスクを減らしながら、元気に過ごすことができます。無理をせず、転倒に注意して、毎日を楽しんでください。
生活習慣のアドバイス
- 毎日無理のない範囲で体を動かす
- 部屋の照明を明るくし、床に物を置かない
- 滑りにくい靴を選ぶ
- 必要に応じて杖や歩行器を使う
- 痛みがあるときは無理をせず休む
食事と運動
食事では、牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆製品などからカルシウムをとりましょう。ビタミンDは魚類やきのこ類に多く含まれます。運動は、ウォーキングや太極拳などの軽い運動を続けると、骨を強くし、バランス感覚を高めるのに役立ちます。
精神的健康と心の健康
骨折への不安や、痛みによる気分の落ち込みを感じることは自然なことです。一人で抱え込まず、家族や医師、看護師、薬剤師に気持ちを話しましょう。
予防
骨粗しょう症は、若い頃から十分なカルシウムをとり、運動を続けて骨を強くしておくことで予防につながります。大人になってからでも、生活習慣の改善や治療によって骨密度の低下を遅らせることができます。
ワクチン
骨粗しょう症そのものを予防するワクチンはありません。ただし、骨折後の寝たきりを防ぐため、インフルエンザや肺炎球菌のワクチンについて医師と相談することができます。
検診プログラム
骨密度検査は、健康診断や自治体の検診で受けられることがあります。閉経後の女性や65歳以上の女性、70歳以上の男性は、一度受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 背骨の圧迫骨折による身長低下や猫背、慢性的な腰痛
- 手首の骨折
- 太ももの付け根(大腿骨近位部)の骨折
- 骨折後の痛みや生活の質の低下
- 骨折をきっかけにした寝たきりや要介護状態のリスク
長期的な見通し
骨粗しょう症は、適切に治療すれば骨折を防ぎ、多くの方が元気に日常生活を送っています。診断されたことを悲観せず、医師と一緒に自分に合った対策を続けていくことが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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