扁桃腺の手術前に医師に聞くべき質問
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
扁桃腺(へんとうせん)は、のどの奥の両側にある小さなリンパ組織です。炎症を起こすと扁桃炎(へんとうえん)になります。扁桃摘出術(へんとうとくしゅつじゅつ)は、その扁桃腺を手術で取り除く治療法です。主に、たびたび扁桃炎を繰り返す場合や、のどが狭くなって呼吸に影響がある場合に検討されます。
重要な事実
- 手術は全身麻酔で行われることが一般的です。
- 入院期間は通常1~3泊程度です。
- のどの痛みは術後しばらく続き、食事がしづらくなることがあります。
- 扁桃腺を取り除いても、体の免疫力への大きな影響はほとんどありません。
扁桃摘出術は、子どもや若い世代を中心に、世界で広く行われている比較的よくある手術です。
主に繰り返す扁桃炎に悩む子どもや10代の若者に行われますが、成人にも行われることがあります。鼻・のど・耳を専門とする耳鼻咽喉科(じびいんこうか)で相談できます。
症状
- 息がしにくい、ゼーゼーする
- のどがふさがって飲み込めない
- 手術後に鮮やかな赤い出血がある(特に吐いた物に血が混ざる)
- 意識がもうろうとする
- ⚠のどの痛みが強く、水も飲めない
- ⚠高熱が続いている
- ⚠よだれが止まらない、ことばがしゃべれない(特に子ども)
- ⚠尿が少ない(脱水のサイン)
一般的な症状
- のどの痛み
- 飲み込みにくさ
- 扁桃腺が赤くはれている
- 扁桃腺に白いかたまりやうみがつく
- 首のリンパ節のはれ
子供の症状
- のどの痛みや飲み込みにくさ
- よだれが増える
- 食べたがらない・食欲がない
- こわばった声
- 腹痛や吐き気
高齢者の症状
- のどの痛みや違和感
- 長引く熱
- のどの片側が強くはれる・痛む(扁桃周囲膿瘍の疑い)
原因
主な原因
- ウイルス感染(のど風邪のウイルスなど)
- 細菌感染(溶連菌など)
- たびたび炎症を起こして慢性的に腫れが残る
リスク要因
- 学校や家庭での感染機会が多い(特に園児・小学生)
- 免疫力が落ちている
- 大きな扁桃腺を持っている
- のどが乾燥しやすい環境
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどの痛みが日常に支障をきたすほど強い
- 発熱が続く
- 飲み込むとき痛くて水分も取れない
- のどがふさがって息が苦しい
定期受診を予約すべき場合:
- 1年に何度も扁桃炎を繰り返す
- のどが狭くなっていびきや睡眠時無呼吸がある
- 手術について相談したい
診断
医師がのどの中をライトで照らして確認し、扁桃腺の赤みや腫れ、白い膜やうみの有無を調べます。また、首のリンパ節の触診や、これまでの症状の経過を詳しく聞きます。
行われる可能性のある検査
- のどの診察(視診)
- 扁桃腺の表面をこすって細菌を調べる検査(細菌検査)
- 血液検査(炎症の程度を調べる)
- 睡眠時無呼吸が疑われる場合は、睡眠の様子を調べる検査
診察で予想されること
最初の診察では、症状の経過、発熱の回数、のどの状態を詳しく聞かれます。必要があれば血液検査や細菌検査が行われ、結果に基づいて治療方針が決まります。手術を検討する場合は、麻酔科の診察や術前検査を受けることがあります。手術前に、以下のような質問を医師に用意しておくと安心です:手術が必要な理由は何か、手術はどのような方法で行われるか、リスクや成功の可能性はどのくらいか、術後の痛みの程度と期間はどれくらいか、食事はいつから取れるか、仕事や学校はいつから復帰できるか、扁桃腺を取ることで将来への影響はないか。
治療
扁桃炎の治療は、原因がウイルスか細菌かによって異なります。細菌が原因の場合は抗生物質が使われることがあります。手術は、扁桃炎を繰り返す場合や、睡眠時無呼吸、膿瘍などの合併症がある場合に、内科的治療が十分な効果を示さないときに考えられます。手術を急ぐ必要はありません。ご自身の状態と希望を医師に伝え、よく相談して決めましょう。
自宅でのセルフケア
- 水分をこまめに取る
- 塩水でうがいをする
- のどを刺激する食べ物(辛いもの・熱いもの)を避ける
- 十分な休養をとる
- 加湿器などでのどを乾燥から守る
医療治療
扁桃炎の治療では、痛みを和らげる薬や、細菌感染が疑われる場合には抗生物質を使って炎症を抑えます(具体的な薬の名前や用量は医師から指示を受けます)。のどの痛みが強い場合は、鎮痛薬などの処方を検討することもあります。手術が必要かどうかは、症状の頻度と重症度を医師が総合的に判断します。
手術が検討される場合
手術(扁桃摘出術)が検討されるのは、一般的に次のような場合です:1年間に7回以上、2年間で毎年5回以上、3年間で毎年3回以上の扁桃炎がある、睡眠時無呼吸でのどがふさがる、扁桃周囲膿瘍を繰り返す、のどが狭くなって食事や呼吸に支障がある。ただし、この回数は目安であり、最終的な適応は医師との相談で決まります。手術前には、麻酔のリスクや術後の経過についても必ず医師に質問しましょう。
この病気と共に生きる
手術後は、のどに痛みが出るため、飲み込みやすい冷たい食べ物や、やわらかい食事を少しずつ取りましょう。水分補給はとても大切です。痛みが強い時期は、アイスクリームやゼリーなどを食べると楽になることがあります。出血を防ぐため、激しくうがいをしたり、強い咳をしたり、無理に声を出すのは避けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 術後2週間程度は激しい運動を避ける
- 湯船に長くつからず、シャワーにして出血を防ぐ
- 規則正しい生活で体力を回復する
- 痛みが続く間は、仕事や学校は休む
食事と運動
術後は、のどを刺激しないよう、辛いもの・熱いもの・硬いものは控えめにしましょう。冷たいものや水分を多く含むものは飲み込みやすく、回復には栄養バランスの良い食事と十分な休養が大切です。運動は、医師が許可するまでは静かに過ごしてください。
精神的健康と心の健康
手術は、特に子どもにとっては不安や恐怖を感じやすいものです。痛みや入院生活を含め、事前に説明を受けて心の準備をすることが大切です。子どもの場合は、ご家族が不安を受け止め、安心させてあげてください。また、手術後は痛みが続きますが、やがて良くなるという前向きな気持ちを持ちましょう。
予防
扁桃炎を完全に予防する方法はありませんが、手洗い・うがい・マスクの着用などで感染のリスクを減らせる可能性があります。規則正しい生活とバランスの良い食事で免疫力を保つことも大切です。
ワクチン
インフルエンザなどの予防接種は、のどの感染症を引き起こすウイルスや細菌の一部から守る助けになりますが、扁桃炎そのものを完全に予防できるわけではありません。接種については医師に相談してください。
検診プログラム
のどの症状がなくても、学校検診などで扁桃腺の大きさを指摘されることがあります。特に症状がなければ、すぐに検査や治療が必要なわけではありません。気になる場合は耳鼻咽喉科で相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 扁桃周囲膿瘍(のどの奥にうみの塊ができる)
- 感染が周囲の組織に広がる
- 睡眠時無呼吸による昼間の眠気や集中力低下
- まれにリウマチ熱や腎臓の炎症などを起こすことがある
長期的な見通し
扁桃摘出術は比較的安全な手術で、多くの人が術後の痛みを乗り越え、扁桃炎によるつらい症状から解放されます。繰り返すのどの痛みや発熱に悩まされていた人ほど、満足度が高いという報告もあります。ご自身の状態と治療方針について、医療者とじっくり話し合いながら、安心して選択してください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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