感染症のあとの回復――免疫をいたわるために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
感染症にかかったあと、体と免疫の働きが元に戻るまでの期間を「回復期」と呼びます。この期間は、炎症を起こしてがんばった免疫の力がゆっくりと落ち着き、体のエネルギーや筋肉、睡眠のリズムなどが整っていきます。
重要な事実
- 感染症のあと、だるさや疲れはよくある反応です。
- 回復には数日から数週間、時にはもっと時間がかかることがあります。
- 焦らず、休みながら日常に少しずつ戻ることが大切です。
とてもよくあることです。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など、多くの感染症のあとに一時的な疲れや不調を感じる人は少なくありません。
大人も子どもも誰にでも起こりえます。ただし、高齢の方、持病がある方、強い症状だった方は回復に時間がかかることがあります。
症状
- すぐに119番(救急)へ電話してください:呼吸が苦しく息ができない
- 胸が強く痛む、または締め付けられるような痛みがある
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- けいれんが止まらない
- 真っ赤な血を大量に吐く
- ⚠当日中に医療機関へ相談しましょう:高熱が続く、または解熱後に再び高熱が出る
- ⚠たんに血が混ざる
- ⚠水分がまったく取れず、尿が極端に少ない
- ⚠強い頭痛や首の痛みがある
- ⚠ふらつきが強く、立ち上がれない
一般的な症状
- 長く続く疲労感やだるさ
- 集中力や注意力の低下(いわゆる「頭がぼーっとする」状態)
- ちょっとの活動でも息が上がる、体が重い
- 寝ても疲れがとれない
- 筋肉の痛みや弱った感じ
- 睡眠のリズムが乱れる
子供の症状
- 普段より元気がない、遊びたがらない
- 学校や宿題に集中できない
- イライラしやすい、ぐずることが多い
- おなかの不調や食欲低下
高齢者の症状
- 疲労感が長引く
- 歩く力や握力が落ちたように感じる
- 食欲がなく体重が減る
- ぼんやりする、混乱したように見えることがある
原因
主な原因
- 感染症そのものが体に炎症を起こし、免疫が活発に働いたことでエネルギーを使い果たすこと
- 病気の間に休みすぎて体の筋力や持久力が落ちること(身体不活動)
- 睡眠不足や食事の量が減ることによる体力低下
- 免疫を調整する働きが元に戻るまでに時間がかかること
リスク要因
- 重症の感染症にかかった
- 糖尿病や心疾患などの持病がある
- 病気のあとに無理をして活動しすぎる
- ストレスや睡眠不足が続いている
- 低栄養状態だった
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、胸が痛む、意識がおかしいなどの緊急の症状があるとき
- 高熱が続く、または熱がぶり返す
- 水分がとれず衰弱している
定期受診を予約すべき場合:
- 感染症のあと4週間以上だるさや疲れが続く
- 日常生活に戻れず、仕事や学校に行けない
- 体重減少や食欲不振が続く
- 不安や落ち込みが強くなり、眠れない
診断
おもに医師との対話と診察ですすめられます。感染症にかかった時期、症状の始まり、生活の様子を伝え、体の状態を確認してもらいましょう。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(貧血や炎症の値、肝臓・腎臓の機能など)
- 甲状腺の検査
- ビタミンやミネラルの血液検査
- 感染症の後遺症の有無を調べる追加の検査(必要に応じて)
診察で予想されること
医師は、「よくある回復期の反応」なのか「別の病気が隠れていないか」を確認してくれます。必要に応じて数週間後に再診することもあります。
治療
特別な薬で「回復」を早める方法はありません。時間をかけて体を休め、栄養と睡眠をとりながら、少しずつ活動量を増やしていくことが中心になります。
自宅でのセルフケア
- 毎晩、規則正しい時間に休み、7~9時間の睡眠を心がける
- 1日の活動に休憩を挟み、疲れたら横になる
- 栄養バランスのよい食事を規則的にとる
- 水やお茶をこまめに飲み、脱水を防ぐ
- 散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす
医療治療
医師の診察で、貧血や栄養不足など回復を遅らせる原因がみつかった場合は、その原因に合わせた治療が行われます。また、筋肉の低下が著しい場合には、理学療法士の指導のもとで運動をすすめていくこともあります。薬の使用は医師の指示に従ってください。
この病気と共に生きる
日々の過ごし方の基本は「ゆっくり、少しずつ」。予定を詰めすぎず、疲れを感じたら休憩をとることを恥ずかしいと思わないでください。
生活習慣のアドバイス
- 朝は決まった時間に起き、日光を浴びる
- 日中は短い休息をはさみながら過ごす
- アルコールやたばこは控える
- ストレスをためず、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をつくる
食事と運動
食事は、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよいものを心がけ、たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)や野菜を十分にとりましょう。運動は、散歩など軽いものから始め、体調と相談しながら時間や強さを少しずつ増やします。無理は禁物です。
精神的健康と心の健康
思うように動けないと、不安やいらだち、悲しみを感じることもあります。感情の波は自然なことです。家族や友人に気持ちを話したり、同じ経験をした人と情報を共有したりすることで、心の負担がやわらぐことがあります。
予防
回復期そのものを完全に防ぐことはできませんが、普段から十分な睡眠、バランスのよい食事、適度な運動、ストレスケアを心がけることで、感染症にかかりにくく、かかっても回復しやすい体をつくることができます。
ワクチン
インフルエンザや新型コロナウイルスなど、感染症には予防接種が有効なものがあります。予防接種の接種時期や対象については、厚生労働省やお住まいの自治体の情報を確認し、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、感染症が重症だった方や持病のある方は、回復後に健康診断や定期通院の機会を利用して、血液検査などで体の状態をチェックしてもらうと安心です。
合併症
治療しない場合
- 疲労が長く続き、仕事や家事、学業に支障がでる
- 体力が低下して、転びやすくなる
- 免疫力が落ちている間に別の感染症にかかりやすくなる
- 気分の落ち込みや不安が強くなる
長期的な見通し
ほとんどの人は、時間の経過とともに症状が改善していきます。回復のスピードには個人差がありますが、焦らず自分のペースで休むことが、確実に回復へ近づく道です。未来は明るいです。必ずよくなります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
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