副鼻腔手術当日の注意と回復のヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔手術とは、鼻の奥にある骨と粘膜の空間(副鼻腔)を開き、通りをよくして炎症や感染を改善する手術です。手術当日には、入院、準備、手術、そして回復室での観察があります。この記事では、その日に知っておきたい注意点と過ごし方を説明します。
重要な事実
- 手術当日は、医師の指示に従って、原則として食事と水分を控えます。
- 手術後は、鼻の中を安静に保つため、鼻をかまずにそっとふくことが大切です。
- ほとんどの人は術後1~2日で退院しますが、その日の様子は人によって異なります。
副鼻腔手術は、慢性副鼻腔炎などが薬で十分に改善しない場合によく行われる手術で、日本でも広く実施されています。
子どもから高齢者まで、副鼻腔の炎症や鼻茸が原因で生活に支障がある人が対象となります。年齢や健康状態によって手術の進め方が調整されます。
症状
- 鼻から大量の真っ赤な血が止まらない
- 呼吸が苦しい、または息ができない
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応が弱い
- 胸の強い痛みや動悸が続く
- ⚠顔の腫れや痛みがどんどん強くなる
- ⚠発熱が続く(38度以上が続くなど)
- ⚠吐き気や嘔吐が続いて水分が取れない
- ⚠視力の異常(物が二重に見える、見えにくい)や激しい頭痛
一般的な症状
- 手術直後から数日間は、鼻づまりや血の混じった鼻水(おりもの)が出ます。これは正常な経過です。
- のどに血が流れて、血の混じったたんや黒っぽい便が出ることがあります。
- 麻酔の影響で、眠気やめまい、吐き気を感じることがあります。
- 顔や目の周りが少し腫れることがありますが、多くは数日で落ち着きます。
子供の症状
- 子どもは大人より麻酔の影響で眠気が強く、不機嫌になったり泣いたりすることがあります。
- のどの痛みや軽い発熱が見られることがあります。
- 出血を飲み込んで、便が黒っぽくなることがあります。心配なときは医師に知らせましょう。
高齢者の症状
- 高齢者は麻酔から覚めにくく、せん妄(意識の混乱)が起こることがあります。
- ふらつきや転倒のリスクが高いため、立ち上がるときはゆっくりと。
- 脱水を防ぐため、医師の許可が出たら水分を少しずつ取ります。
原因
主な原因
- 慢性副鼻腔炎(副鼻腔の炎症が3か月以上続く、または繰り返す)
- 鼻茸(鼻ポリープ)によって鼻の通りがふさがっている
- 副鼻腔の出口がふさがり、排出がうまくいかない
- 真菌(カビ)による副鼻腔炎が薬で改善しない
リスク要因
- アレルギー性鼻炎や喘息がある
- 喫煙または受動喫煙をしている
- 鼻の骨の形や免疫の状態など、個人の体質も関係します
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 術後に強い痛み、止まらない鼻血、息苦しさがある場合は、すぐに病院へ連絡し、指示を仰いでください。
- 顔がはれ上がる、目が見えにくい、高熱が出るなどの症状もためらわず連絡を。
定期受診を予約すべき場合:
- 手術後は、医師が指定した日時の外来(フォローアップ)があります。
- 鼻腔の洗浄や自己管理の仕方について、退院前に確認しましょう。
診断
手術当日は、まず看護師が体温・血圧・脈拍・酸素飽和度(血液中の酸素量)を測定し、医師が鼻の中を確認します。必要があれば、その場で診察を行い、手術の可否を確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(前日までに済んでいることが多い)
- 心電図、胸部X線検査(成人やリスクがある場合)
- 当日のバイタルチェック(体調確認)
診察で予想されること
入院係や麻酔科医からの説明を受け、手術着に着替え、点滴をつくります。スタッフが付き添って手術室へ移動し、麻酔が始まります。手術後は回復室で目が覚めるまで観察され、その後病棟へ戻ります。
治療
副鼻腔手術の主なものは「内視鏡下副鼻腔手術」です。鼻から細いカメラを入れて、副鼻腔の出口を広げ、炎症を起こしている粘膜や鼻茸を取り除き、自然な換気と排膿を促します。麻酔は通常、全身麻酔で行われます。
自宅でのセルフケア
- 医師から指示された時間までは、水や食べ物を口にしない
- 眼鏡や入れ歯などの装着品を外し、緩い服装で病院に来る
- 麻酔が残ることがあるため、自分で運転して帰らない
- 当日はなるべく1人の付き添いをお願いする
- 退院後は頭を起こして休息し、鼻をかまない
医療治療
術後は、痛みや炎症を抑える薬を処方されることがあります。また、細菌感染を予防するために抗生物質が使われる場合もあります。処方は患者の状態に合わせて医師が決めます。薬は指示に従って正しく使ってください。鼻洗浄(生理食塩水で鼻の中を洗う)も、医師や看護師の指導のもとで行います。具体的な薬の名前や使用方法は、必ず担当医の指示に従ってください。
手術が検討される場合
内視鏡下副鼻腔手術は、日帰りで行う病院と、入院(多くは1泊2日程度)で行う病院があります。鼻の状態や全身の健康状態によって、医師が最適な方法を選びます。手術時間は通常1~2時間程度です。
この病気と共に生きる
手術後は、鼻の粘膜がはれて鼻づまりが続きますが、数日から数週間で改善します。医師に指示された鼻洗浄や薬を続けることが、回復を早める近道です。疲れているときは無理をせず、頭を高くして静かに過ごしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する(たばこの煙は粘膜の回復を遅らせます)
- 花粉やほこりなど刺激の多い場所ではマスクを着ける
- 鼻をかまずに、やわらかいティッシュで優しくふく
- 医師が許可するまでは、重い荷物を持ったり激しい運動をしない
食事と運動
術後は、医師の許可が出るまでは水分補給を少しずつ行い、その後、温かくて柔らかい食事から始めます。刺激の強い香辛料や熱い食べ物は控えましょう。運動は散歩など軽いものから始め、激しい運動は1週間後を目安に医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
手術や治療は、不安や緊張をともないます。痛みが続いたり、鼻の通りが戻るのが遅かったりすると、イライラしたり落ち込んだりすることもあります。自分の気持ちを家族や友人に話し、不安が強いときは医師や看護師にも相談してください。気分の落ち込みが強く、自分を傷つけたいなどの思いがある場合は、一人で抱え込まずに、すぐに誰かに助けを求めてください。
予防
副鼻腔炎の再発を完全に防ぐことはできませんが、手術後のケアをしっかり行うことで、状態を安定させることができます。アレルギー対策、禁煙、鼻腔ケア(洗浄)、そして定期的な通院が大切です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは、呼吸器の感染を防ぎ、副鼻腔炎の悪化を予防するのに役立つことがあります。接種については、担当医に相談してください。
検診プログラム
副鼻腔の状態を定期的にチェックする特別な検診はありませんが、気になる症状があれば、耳鼻咽喉科の医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 副鼻腔炎を放置すると、炎症が周囲に広がり、目の周りやまぶたの腫れ・痛みが出ることがあります
- まれに炎症が頭蓋内に広がり、髄膜炎や脳膿瘍など重い合併症を起こすことがあります
- 嗅覚(におい)の低下や慢性的な頭痛・顔面痛が続くことがあります
長期的な見通し
適切な手術と術後ケアを行えば、多くの人で鼻づまりや後鼻漏の症状が改善し、生活の質が大きく向上します。完全に治るのには時間がかかることもありますが、根気よく治療を続けることで、快適な状態を目指せます。外科手術はあくまで治療の一部です。医師と二人三脚で、長い目で見て付き合っていきましょう。
サポートを探す
相談窓口
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。