副鼻腔炎(ちくのう症)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔炎は、鼻の周りにある「副鼻腔」という空気の通り道に炎症が起こる病気です。風邪などがきっかけで、鼻水や鼻づまり、頭や顔の痛みなどの症状が出ます。多くは自然によくなりますが、長引くこともあります。
重要な事実
- 副鼻腔炎は、ウイルスや細菌、アレルギーなどが原因で起こります。
- 急性副鼻腔炎は、風邪の後に起こることが多く、通常は数週間で改善します。
- 慢性副鼻腔炎は12週間以上続くもので、治療に時間がかかることがあります。
とてもよくある病気で、日本でも多くの人が経験します。特に風邪が流行する季節に増えます。
子どもから大人まで、誰でもかかる可能性があります。アレルギー性鼻炎や喘息、免疫力が低下している人はかかりやすいことがあります。
症状
- 高熱とともに、激しい頭痛や吐き気、首のこわばりがある
- 目の周りがひどく腫れる、または急に目が見えにくい
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい
- ⚠症状がどんどん悪化している
- ⚠顔や目の痛みが強くなっている
- ⚠高熱が続く
- ⚠息苦しさや呼吸困難がある
一般的な症状
- 鼻水や鼻づまり
- 顔や額、目の周りの痛み・圧迫感
- においがわかりにくい(嗅覚の低下)
- 長引く咳やのどの痛み
- 発熱(特に急性の場合)
- 奥歯の痛み
子供の症状
- 長引く鼻水(透明なものから黄色や緑色のものまで)
- 夜や朝にひどくなる咳
- 機嫌が悪い、ぐずる
- 耳の痛みを訴える
高齢者の症状
- 症状がはっきりしないことがある
- 鼻づまりや頭痛よりも、疲れやすい・元気がないなどの症状が目立つ
- 認知機能の低下のように見えることがある
- 発熱がないことも多い
原因
主な原因
- 風邪やインフルエンザなどのウイルス感染
- ウイルス感染の後に起こる細菌感染
- アレルギー性鼻炎
- 歯の感染が副鼻腔に広がる
- 副鼻腔の構造的な問題(鼻茸=ポリープなど)
リスク要因
- 風邪やインフルエンザにかかりやすい
- アレルギー性鼻炎や喘息がある
- 免疫力が低下している(糖尿病、ステロイドの使用など)
- タバコを吸う、または受動喫煙がある
- 鼻の構造の問題(鼻中隔弯曲など)
- 衛生状態や湿度の低い環境
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が10日以上続く、または改善しない
- 一度よくなった後に、再び悪化する
- 高熱が続く
- 顔や目の周りの痛みが強い
定期受診を予約すべき場合:
- 風邪の症状が長引いて、日常生活に支障がある
- 奥歯の痛みなどの歯の症状を伴う
- 頭痛や顔の痛みを繰り返す
- においが戻らない
診断
医師は、あなたの症状を聞き、鼻の中の様子を確認します。必要に応じて、鼻の内視鏡検査や画像検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 顔の圧痛や腫れを確認する視診・触診
- 鼻鏡検査・内視鏡検査(鼻の中の炎症やポリープを確認)
- レントゲン検査
- CT検査(慢性・重症の場合)
- 細菌検査(必要に応じて鼻水の培養)
診察で予想されること
診察では、症状の始まりや経過、持っている病気(アレルギー・喘息など)について聞かれます。鼻の中を確認するために鼻鏡や内視鏡を使われることがありますが、痛みはほとんどありません。必要に応じて画像検査を勧められることもあります。
治療
治療の目的は、副鼻腔の炎症を抑え、鼻の通りをよくして症状を和らげることです。急性の多くはウイルスが原因のため、抗生物質が必要ないこともあります。慢性の場合は、薬物療法や鼻洗浄などを根気よく続けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 水分を十分に取る(鼻水や痰を出しやすくする)
- 蒸しタオルや加湿器で鼻の通りを良くする
- 生理食塩水で鼻を洗う(市販の鼻洗浄キットなど)
- 頭を少し高くして休む(鼻づまりや痛みの緩和に)
- 十分な休息と睡眠を取る
医療治療
医師による治療には、痛みや発熱を和らげる薬、鼻づまりを改善する薬、鼻水や痰を出しやすくする薬、アレルギー反応を抑える薬などが使われます。細菌感染が疑われる場合は、医師の判断で抗生物質が処方されることがあります。慢性副鼻腔炎では、鼻にスプレーするステロイド薬や鼻洗浄などの治療も行われます。あなたの症状に合った治療法は、医師と十分に相談して決めましょう。
手術が検討される場合
薬物療法を続けてもよくならない場合や、鼻の中にポリープ(鼻茸)がある場合には、内視鏡を使った副鼻腔手術が検討されることがあります。手術によって鼻の通りや副鼻腔の換気を改善することが期待できます。
この病気と共に生きる
副鼻腔炎は慢性化すると、長く付き合う必要がある病気です。症状をうまくコントロールしながら日常生活を送る工夫が大切です。医師の指示を守り、自己判断で薬をやめないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する・受動喫煙を避ける
- アレルギーがある場合は、原因となるもの(ハウスダスト、花粉など)を避ける
- 鼻を強くかみすぎない(炎症を悪化させることがある)
- 顔を温めたり、蒸気を吸ったりする
- 十分な睡眠と休養を取る
食事と運動
栄養バランスの良い食事を心がけ、免疫力を保つことが大切です。激しい運動は控えめにし、体調に合わせて軽い運動(ウォーキングなど)を行うとよいでしょう。水分はこまめに取りましょう。
精神的健康と心の健康
長く続く症状は睡眠の質を下げたり、仕事や家事への集中力を妨げたりして、気分の落ち込みにつながることがあります。つらい気持ちがあるときは、一人で抱え込まずに、家族や友人、かかりつけ医に相談してください。地域によっては電話やオンラインで利用できる「こころの健康相談窓口」もあります。
予防
完全に予防することは難しいですが、風邪などの感染症を予防することで副鼻腔炎のリスクを減らすことができます。手洗い・うがい、マスクの着用、バランスの良い食事、十分な睡眠などが大切です。アレルギーがある人は、その管理も予防につながります。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌など、感染症を予防するワクチンが副鼻腔炎のリスクを下げる可能性があります。接種については医師と相談しましょう。
検診プログラム
定期検診としての特別なスクリーニングは一般的ではありませんが、繰り返す副鼻腔炎の症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科で検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 慢性副鼻腔炎へ移行する(症状が長引く)
- 鼻茸(ポリープ)ができる
- 副鼻腔の周りの骨に炎症が広がる(骨膜炎)
- 目の周囲に炎症が広がる(眼窩内合併症) – 視力障害のリスクがある
- まれに、頭蓋内に感染が広がる(髄膜炎など) – 命に関わる可能性がある
長期的な見通し
多くの副鼻腔炎は、適切な治療とセルフケアによって改善します。急性の場合は数週間で回復し、慢性でも治療を続けることで症状はコントロールできます。医師の指導を受けながら、粘り強く治療を続けることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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