Diabetic foot screening
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
糖尿病足病変の予防のために行う定期的な足のチェックです。糖尿病の方は、高血糖の影響で足の神経や血管が傷みやすくなり、小さな傷から重症化することがあります。そこで、あらかじめ足を診察して、問題の兆しを見つけるのが「糖尿病足スクリーニング」です。
重要な事実
- 糖尿病のある方は、足にできた小さな傷が治りにくく、感染症を起こしやすい
- 早期発見・早期ケアで、足の切断を防げる可能性が高い
- 年に1回以上のスクリーニングが推奨されています(日本糖尿病学会のガイドライン等)
糖尿病を持つ方の約15~25%が、生涯のどこかで足の潰瘍(かいよう)を経験すると言われています。適切なスクリーニングを受けていないと、発見が遅れることがあります。
主に糖尿病と診断されたすべての方が対象です。特に、血糖コントロールが十分でない方、喫煙習慣のある方、足のしびれや冷えを感じる方は注意が必要です。
症状
- 足の急な腫れや赤みが広がる
- 発熱を伴い、足から膿(うみ)が出る
- 足の一部が黒く変色した
- 突然の激しい痛みや感覚の消失
- ⚠新しい傷や水ぶくれができた
- ⚠傷の周りが赤くなってきた
- ⚠足の色が変わった(青白い、紫色)
- ⚠足の冷えがいつもより強い
一般的な症状
- 足のしびれや感覚が鈍くなる
- 足の冷えや痛み(特に夜間)
- 皮膚の乾燥やひび割れ
- たこやうおのめができやすい
- 小さな傷がなかなか治らない
子供の症状
- 子どもでも糖尿病(特に1型)の場合は足の神経障害が起こりうる
- 成長に伴い足の形が変わるため、靴のフィットを定期的に確認する必要がある
- 症状は大人と似ているが、子どもは症状をうまく伝えられないことがある
高齢者の症状
- 高齢者は足の感覚がさらに低下しやすく、傷に気づきにくい
- 視力低下や関節の動きが悪いとセルフチェックが難しい
- 爪の切りすぎや不適切な靴によるトラブルが多い
原因
主な原因
- 高血糖が続くことで神経が傷つく(糖尿病性神経障害)
- 血管が傷つき血流が悪くなる(末梢動脈疾患)
- 免疫力の低下により感染しやすくなる
リスク要因
- 血糖コントロールが不良
- 長期間の糖尿病(10年以上)
- 高血圧や高コレステロール
- 過去に足の潰瘍や切断の経験がある
- 合わない靴の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記「緊急」症状がある場合はすぐに救急車(119)を呼ぶか、医療機関を受診
- 足に急性の痛みや感染兆候がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 糖尿病と診断されたらすぐに医師に相談し、スクリーニングの計画を立てる
- 年に1回は必ず糖尿病専門医やフットケア外来で足の検査を受ける
- 足のセルフチェックで異常を感じたら、予約を待たずに受診
診断
医師が問診と視診を行い、足の状態を評価します。必要に応じて神経や血流の検査も行います。
行われる可能性のある検査
- 視診:足全体の皮膚の状態、傷、変形、色などをチェック
- 神経検査:モノフィラメントという細い糸で感覚を調べる
- 血流検査:足の動脈の拍動を触診、またはABI(足関節上腕血圧比)という検査で血流を測定
- 足のX線など画像検査(必要に応じて)
診察で予想されること
診察室で靴と靴下を脱いで、ベッドに寝た状態で行われます。まず足をよく観察し、次にプラスチックの細い糸で足の裏や指の感覚を確認します。血流の検査では血圧計を足首と腕に巻きますが、痛みはありません。所要時間は10~20分程度です。
治療
糖尿病足病変の治療は、原因となる高血糖の改善、感染対策、傷のケア、血流改善の4つが柱です。早期に適切な治療を行えば、多くの場合改善が期待できます。
自宅でのセルフケア
- 毎日足を観察し、傷や異常がないか確認する
- 爪はまっすぐに切り、切りすぎない
- 乾燥している部分は保湿剤でケアする(指の間は除く)
- 足に合った靴を選び、靴の中で異物が入らないようにする
- 毎日靴下を清潔なものに変える
医療治療
医師による治療では、傷の洗浄と消毒、感染があれば抗生物質の投与、血流を改善する薬の使用などが行われます。ただし、具体的な薬剤名や用量は医師の判断に委ねられます。また、特殊な靴やインソールを作成し、足の圧力を分散することもあります。
手術が検討される場合
保存的治療で改善しない深い潰瘍や広範囲の感染、壊死(組織が死ぬこと)がある場合は、外科的な処置が必要になることがあります。壊死した組織を取り除くデブリードマンや、重症の場合は足の切断術が行われることもありますが、医師はできるだけ足を残す治療を優先します。
この病気と共に生きる
糖尿病足病変とともに生きるには、毎日のセルフケアが欠かせません。足を清潔に保ち、適切な靴と靴下を選び、定期的に医療機関でチェックを受けることで、悪化を防ぐことができます。血糖値を良好に保つことも重要です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙:血流を悪化させる最大の原因の一つ
- 毎日の足の観察と保湿
- 適度な運動(ウォーキングなど)で血流を改善
- 入浴後はしっかり足を拭き、特に指の間を乾燥させる
- 足に合った靴を履く
食事と運動
バランスの良い食事で血糖コントロールを目指しましょう。特に野菜を多く取り、糖質の摂りすぎに注意します。運動は医師と相談した上で、無理のない範囲で行います。歩行が難しい場合は、座ってできる運動やリハビリもあります。
精神的健康と心の健康
足のトラブルは、日常生活の不安や孤独感を引き起こすことがあります。また、切断への恐怖や見た目の変化による悩みも少なくありません。そのような気持ちを一人で抱え込まず、家族や医療者に話すことが大切です。
予防
糖尿病足病変は、適切な血糖管理と日常のフットケア、定期的なスクリーニングによって、多くは予防できます。ただし、完全にリスクをゼロにすることは難しいため、早期発見が重要です。
検診プログラム
年に1回以上の専門医による足のスクリーニングが推奨されています。また、自宅での毎日の足の観察も一種のスクリーニングです。異常を感じたらすぐに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 足の潰瘍(かいよう)が深くなる
- 感染が骨まで及ぶ(骨髄炎)
- 足の壊疽(えそ)が進む
- 足の切断が必要になる
- 敗血症(全身に細菌が回る)に至ることもある
長期的な見通し
早期発見・早期治療により、多くの場合、足を守ることができます。糖尿病足病変は怖い合併症ですが、適切なケアと医療の助けを借りれば、日常生活を送りながら予防・管理できるものです。希望を持って、一歩ずつ取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月19日
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