Hearing screening adults
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
聴覚(ちょうかく)の健康をチェックするための『聴力検査(ちょうりょくけんさ)』です。特に症状がなくても定期的に受けることで、早期に聴こえの問題を見つけることができます。
重要な事実
- 加齢に伴い聴力はゆっくりと低下するため、40代から定期的な検査がすすめられています。
- 騒音(そうおん)の多い職場やイヤホン・ヘッドホンの長時間使用は聴力に影響します。
- 早期発見・早期対応がコミュニケーションの質を守る鍵です。
聴力の低下はとてもよく見られる症状です。特に60歳以上では3人に1人程度が何らかの聴こえづらさを感じると言われています。
すべての成人が対象ですが、特に年齢を重ねた方、大きな音にさらされる機会の多い方、糖尿病や高血圧などの持病がある方は注意が必要です。
症状
- 突然、片方または両方の耳の聞こえが完全に無くなる(突然難聴)
- めまいやふらつきを伴って急に聞こえが悪くなった
- 耳に強い痛みや出血がある
- ⚠数時間から数日かけて徐々に聞こえが悪くなる
- ⚠耳が詰まった感じ(耳閉感)が続く
- ⚠耳だれ(耳からの液体)や耳の痛みがある
一般的な症状
- 話し声が小さく聞こえる、または聞き返すことが増える
- テレビやラジオの音量を以前より大きくする
- 周りの人が言っていることがわからないことがある
- 耳鳴り(みみなり)がする
- 電話の声が聴き取りにくい
高齢者の症状
- 家族や友人から「聞こえが悪い」と指摘される
- 会話について行けず、人ごみや騒がしい場所で特に困る
- 周囲の音(ドアの音、鳥の声など)が聞こえにくくなる
原因
主な原因
- 加齢による聴力の自然な低下(老人性難聴)
- 大きな音に長時間さらされること(騒音性難聴)
- 耳垢(みみあか)のつまりや中耳炎(ちゅうじえん)などの耳の病気
リスク要因
- 60歳以上の年齢
- 工事現場や音楽ライブなど大きな音の環境で働く
- イヤホンやヘッドホンを大きな音量で長時間使う
- 糖尿病、高血圧、高コレステロールなどの生活習慣病
- 喫煙(タバコを吸うこと)
- 家族に難聴の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、聞こえが悪くなった、または耳の痛みや出血がある
- めまいやふらつきを伴う聞こえの変化
定期受診を予約すべき場合:
- 40歳を過ぎたら年に1回の聴力検査を検討する
- 自分や家族が聞こえの変化を感じたら、早めに耳鼻咽喉科(じびいんこうか)を受診する
診断
耳鼻咽喉科(じびいんこうか)で医師が問診(症状を詳しく聞くこと)と聴力検査を行います。必要に応じて、耳の内部を観察したり、音に対する反応を調べる検査を追加することもあります。
行われる可能性のある検査
- 標準純音聴力検査(じゅんおんちょうりょくけんさ):さまざまな高さの音がどのくらい聞こえるかを調べる
- 語音聴力検査(ごおんちょうりょくけんさ):言葉がどのくらい聞き取れるかを調べる
- ティンパノメトリー:中耳の状態を調べる簡単な検査
診察で予想されること
検査は痛みがなく、30分から1時間程度で終わります。防音室でヘッドホンを着けて、小さな音が聞こえたらボタンを押すだけの簡単なものです。結果はその場で医師から説明があります。
治療
聞こえの低下の原因や程度に合わせて、補聴器(ほちょうき)の使用や生活の工夫、必要に応じて手術などの選択肢があります。治療の目的は、聞こえを改善して日常生活の質を上げることです。
自宅でのセルフケア
- 耳掃除(みみそうじ)をやりすぎない(耳垢は自然に出てくるため、綿棒などで奥まで掃除する必要はありません)
- 大きな音を避け、イヤホンやヘッドホンは音量を小さめに設定する
- 騒がしい場所では耳栓(みみせん)や防音イヤーマフを使う
医療治療
聞こえの低下が軽度から中等度の場合、補聴器(ほちょうき)の使用が一般的です。補聴器は医師の処方のもと、聴力に合わせて調整します。中耳炎や耳垢栓塞(じこうせんそく)など治療可能な原因がある場合は、薬や処置で聞こえが改善することがあります。具体的な治療法は必ず医師と相談してください。
手術が検討される場合
重度の難聴で補聴器の効果が不十分な場合、人工内耳(じんこうないじ)の手術が選択肢となることがあります。手術の適応は専門医による詳しい検査の上で判断されます。
この病気と共に生きる
聞こえが悪くなっても、補聴器やコミュニケーションの工夫で日常生活を快適に過ごせます。家族や職場に聞こえの状態を伝え、協力を得ることも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 話し手の顔を見て口の動きから内容を推測する(読唇術(どくしんじゅつ)の基本)
- 騒がしい場所での会話を避ける、または静かな場所に移動する
- テレビや電話には字幕機能や音量調整機能を活用する
- 補聴器やその他の聴覚支援機器(あらすじや音声増幅器など)の使用を検討する
食事と運動
特定の食事や運動が難聴を直接改善するわけではありませんが、全体的な健康を保つことが耳の健康にも良い影響を与えるとされています。バランスの良い食事と適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。特に糖尿病や高血圧の管理は聴力維持に役立つ可能性があります。
精神的健康と心の健康
聞こえの問題は、会話が億劫になったり、人と交流するのが面倒に感じたりすることで、気分の落ち込みや不安につながることがあります。孤独感を感じたら、一人で抱え込まずに家族や医療者に相談しましょう。
予防
加齢による難聴は完全に防ぐことはできませんが、大きな音を避けることで騒音性難聴は予防できます。また、生活習慣病の管理が聴力低下を遅らせる可能性があります。
検診プログラム
40歳を過ぎたら年に1回の聴力検査を受けることをおすすめします。健康診断のオプションとしても受けられる場合があります。無症状でも検査を受けることで、早い段階で聴力の変化に気づくことができます。
合併症
治療しない場合
- コミュニケーションの機会が減り、社会的な孤立やうつ状態になりやすくなる
- 認知症(にんちしょう)のリスクが高まるとの研究報告がある
- 日常生活で危険を察知する能力(例えば、車のクラクションや火災報知器の音)が低下する
長期的な見通し
聴力の低下には多くの場合、適切な対応法があります。早期に気づき、補聴器などのサポートを使うことで、会話や生活の質を大きく保つことができます。希望を持って前向きに取り組みましょう。
サポートを探す
地域の団体
- 厚生労働省 難聴者支援情報 ↗ · 日本
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 ↗ · 日本
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月19日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。