副腎の片側にできる病気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副腎は、腎臓の上にある小さなホルモンを作る臓器です。左右に一つずつあり、血圧や血糖を調節したり、ストレスに備えたりする働きをしています。「副腎の片側にできる病気」とは、この左右どちらか一方の副腎に、しこり(腫瘍)や大きさの変化が見られる状態をいいます。多くは良性で、健康診断や他の病気の検査のときに偶然見つかることが多いです。
重要な事実
- 副腎のできもの(腫瘍)はほとんどが良性で、すぐに処置が必要なものはまれです。
- 一部の腫瘍は、ホルモンを作りすぎて高血圧や糖尿病のような症状を引き起こすことがあります。
- 治療が必要かどうかは、腫瘍の大きさやホルモンの状態によって決まります。
- 定期的な経過観察で、多くの場合は安全に管理できます。
副腎に偶然できるしこりは、CT検査などが普及したことで見つかる機会が増えており、決してめずらしいものではありません。
成人ではどの年齢でも見つかる可能性がありますが、特に40歳以上で多く見つかります。子どもや若い人ではまれで、見つかった場合には遺伝的な要因が関係することがあります。
症状
- 急に激しい頭痛や動悸、汗が止まらない症状が出た場合
- 血圧が非常に高くなり、意識がもうろうとする、めまいやふらつきがある場合
- 胸の痛み、息苦しさ、原因不明の強い痛みがある場合
- 片方の手足が動かない、ろれつが回らないなど脳卒中の症状が疑われる場合
- ⚠繰り返す動悸や発汗、頭痛が続く場合
- ⚠高血圧の薬を飲んでも血圧が下がりにくい場合
- ⚠急に体重が増えたり、顔や手足がむくんだりした場合
- ⚠意識が遠くなるような感覚がある場合
一般的な症状
- 多くの場合、症状がなく、検査で偶然見つかります。
- 動悸(心臓がドキドキする)
- 手足のふるえ
- 体重が増えやすい
- 筋力の低下
子供の症状
- 体重増加や成長の遅れ
- 思春期が早く来る(早発思春期)
- 顔が丸くなる、おなかや背中に脂肪がつく
高齢者の症状
- 高血圧や糖尿病のコントロールが悪くなる
- 物忘れや気分の落ち込み
- 骨がもろくなる(骨折しやすくなる)
- 体力の低下や筋力の低下
原因
主な原因
- 副腎の細胞が良性の腫瘍(腺腫)になること
- 副腎の細胞ががん化すること(まれ)
- ホルモンを作る細胞が増えて、ホルモンを作りすぎること
- 遺伝子の変化が原因と考えられること(一部)
リスク要因
- 年齢(40歳以上で見つかりやすい)
- 高血圧や糖尿病の既往がある
- 副腎の病気を家族に持つ人がいる
- まれな遺伝性の病気(多発性内分泌腫瘍症など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい頭痛や動悸、汗が止まらないなど、先ほど挙げた緊急の症状が出た場合は、ためらわずに救急車(119)を呼んでください。
- 血圧が非常に高く、ふらつきや意識がぼんやりする場合は、すぐに受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断やCT検査で副腎の異常を指摘された場合
- 高血圧や血糖値の高い状態が続く場合
- 動悸、汗、頭痛などを繰り返す場合
- 副作用を心配せずに検査・治療の説明を受けたい場合
診断
副腎の病気は、まず問診と血液・尿検査でホルモンの状態を調べます。次にCTやMRIなどの画像検査で副腎の形を確認します。必要に応じて、ホルモンの値が実際に高いかどうかを詳しく調べるための追加検査が行われます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(コルチゾール、アルドステロン、カテコールアミンなどホルモンの値を調べます)
- 尿検査(ホルモンの代謝産物が排泄されているかを調べます)
- CT検査(副腎の大きさや形を詳しく確認します)
- MRI検査(腫瘍の性質を詳しく評価するため)
- 副腎シンチグラフィー(放射性医薬品を用いた検査で、腫瘍の活動性を見ます)
診察で予想されること
初診では、血圧を測り、症状について詳しく聞かれることが多いです。血液検査や尿検査は何度か行われることがあります。画像検査は通常、体に負担の少ない方法で行われます。結果が出るまでに数週間かかることがありますが、医師が結果に基づいて説明してくれます。
治療
治療は、副腎の腫瘍が「ホルモンを作っているかどうか」と「がんの可能性があるかどうか」によって変わります。ホルモンを作っていない小さな良性の腫瘍であれば、すぐに治療せずに定期的な経過観察を行うことが一般的です。
自宅でのセルフケア
- 血圧や血糖の記録を日々つけて、異常を早く見つけるようにしましょう。
- ストレスをためすぎないように休息をしっかりとりましょう。
- 強いストレスや急な姿勢の変化で症状が出ることがあるため、無理をしないでください。
- 医師に相談せずにサプリメントや市販薬を自己判断で飲まないようにしましょう。
医療治療
腫瘍がホルモンを作って症状が出ている場合には、ホルモンの働きを抑える薬(降圧薬や抗コルチゾール薬など)による治療が行われます。ただし、薬の種類や量は医師が慎重に決めます。常に医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
腫瘍が大きい(一般的には4〜5cm以上)場合や、ホルモンを作りすぎて深刻な症状がある場合、またはがんの可能性がある場合には、手術で腫瘍を取り除くことがあります。手術の方法やタイミングは、専門医が詳しく説明してくれます。
この病気と共に生きる
副腎の腫瘍があっても、多くは普通の生活を送れます。定期的な通院と検査を続けることが、健康を保つ一番の近道です。もしホルモンの影響で血圧や血糖が高い場合は、その管理も治療の一部です。
生活習慣のアドバイス
- 塩分のとりすぎを控え、バランスの良い食事を心がけましょう。
- 適度な運動(ウォーキングなど)を継続しましょう。
- 睡眠を十分にとり、ストレス対策をしましょう。
- たばこや過度の飲酒は避けましょう。
食事と運動
特に治療の必要がない場合でも、食事や運動は高血圧や糖尿病の予防に役立ちます。野菜や果物を積極的にとり、塩分は控えめに。運動は医師の許可があれば、軽い有酸素運動から始めるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
「副腎に腫瘍がある」と聞くと不安になるかもしれませんが、多くは良性で、きちんと管理すれば命に関わることはほとんどありません。不安な気持ちは一人で抱え込まず、医師や家族、信頼できる人に話しましょう。強い不安やうつ症状がある場合は、早めに医師に相談してください。
予防
副腎の腫瘍自体を予防する確実な方法は残念ながらわかっていません。しかし、高血圧や糖尿病などを早期に見つけて治療することは、合併症を防ぐことにつながります。
合併症
治療しない場合
- 高血圧が続くことで心臓や血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
- ホルモンの過剰分泌により、糖尿病や骨粗しょう症を発症することがあります。
- 腫瘍がまれに大きくなって周囲の臓器を圧迫することがあります。
- 極めてまれですが、がんの場合、ほかの臓器に広がる可能性があります。
長期的な見通し
多くの副腎の腫瘍は良性で、適切に診断・治療すれば健康な生活を長く続けられます。たとえホルモンを作っている場合でも、きちんと治療すれば症状や合併症は改善することが多いです。希望を持って、医師と一緒に治療方針を決めていきましょう。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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