横になると悪化するアレルギー性鼻炎
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アレルギー性鼻炎は、花粉やホコリなど本来は体に害のないものに対して免疫(体を守る仕組み)が過剰に反応して、くしゃみや鼻水、鼻づまりが出る病気です。横になると鼻の血管が広がって鼻づまりが強くなったり、鼻水がのどに流れ込むことで症状が悪化しやすくなります。
重要な事実
- アレルギー性鼻炎は「鼻のアレルギー」とも呼ばれ、一般的な病気です。
- 横になると鼻の血流が増えるため、鼻づまりが強くなることがあります。
- 寝具や室内のホコリが原因になることが多く、症状は夜や朝方に特に目立ちます。
- 適切に管理すれば、症状をうまくコントロールできます。
はい、日本ではとても一般的な病気です。花粉症やダニアレルギーで悩む人は多く、子どもから大人まで幅広い年齢層にみられます。
どの年齢でも起こりますが、特に子どもや若い世代に多い傾向があります。ぜんそくやアトピー性皮膚炎(皮膚のかゆみを伴う病気)がある人、家族にアレルギー体質の人がいる場合、リスクが高まります。
症状
- のどや顔が腫れて息ができない、ゼイゼイする
- 呼吸が苦しくて話せない
- 唇や舌が腫れる
- 意識がもうろうとする
- アナフィラキシー(全身の強いアレルギー反応)が疑われる場合、ためらわず119番に電話してください
- ⚠市販薬や自己ケアをしても症状が悪化する
- ⚠高熱が出る、黄色や緑の濃い鼻水が続く
- ⚠急に激しい頭痛が生じた
- ⚠睡眠がとれないほど苦しい
一般的な症状
- 鼻づまり(片方や両方、横を向くと下側がよりつまる)
- 水っぽい鼻水が続く、またはあとからドロっとした鼻水
- 発作的に出るくしゃみ
- 鼻のかゆみ、目のかゆみ・涙目
- 横になるとのどに鼻水が流れ込み、夜間や朝にせき・のどの痛みを感じる
- 睡眠不足による日中のだるさ・集中力の低下
子供の症状
- 口を開けて呼吸する(口呼吸)
- いびきをかく、寝相が悪い
- 鼻をこすったり、鼻を上に押し上げるしぐさがある
- 夜中に目が覚める、朝起きられない
- 耳がつまった感じや中耳炎をくり返す
高齢者の症状
- くしゃみ・鼻水などの典型的な症状が少なく、だるさや食欲低下で気づかれることもある
- 鼻炎由来のせきやのどの違和感が続く
- 息苦しさや睡眠の質の低下により、持病(ぜんそくや心不全など)が悪化することがある
原因
主な原因
- ダニ(特に寝具や畳、じゅうたんなどに多い)
- ホコリやカビ
- スギやヒノキなど、季節ごとの花粉
- ペットの毛やフケ、皮脂
- 空気の乾燥や温度差などの刺激
リスク要因
- 家族にアレルギー性鼻炎やぜんそく、アトピー性皮膚炎の人がいる
- 自宅にダニやカビが繁殖しやすい環境がある
- 室内でペットを飼っている
- 喫煙や副流煙を吸う環境で暮らしている
- 睡眠時は重力で血液が頭に集まりやすいため、横になると鼻づまりが強くなる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合は、すぐに救急車を呼んでください
- 顔やのどの腫れ、息苦しさを伴う場合
- 数日間、高熱が続く、または黄色いドロッとした鼻水が多量に出る場合
定期受診を予約すべき場合:
- 日常生活に支障があるほど鼻づまりやくしゃみが続く
- 市販の薬やセルフケアを試しても改善しない
- のどにせきが続く、または頭痛・目の痛み・耳の痛みがある
- 子どもの睡眠や勉強に影響が出ている
診断
医師(耳鼻咽喉科)が、「いつ・どんなときに症状が出るか」「寝ると悪化するか」といった話を聞き、鼻の内部を観察して診断します。過去の花粉の時期やダニの季節との関係も大切な手がかりです。
行われる可能性のある検査
- 鼻の内視鏡(細いカメラ)で鼻の粘膜の腫れや鼻水の状態を確認
- アレルギーの原因を調べる血液検査(特定の抗体の量を測定)
- 皮膚の一部に少量のアレルゲン(原因物質)を触れて反応をみる皮膚テスト
- 必要に応じて、副鼻腔(鼻の周りの骨の空洞)の状態をCTなどで確認することがある
診察で予想されること
診察を受けると、症状の原因を一緒に考えてくれます。必要な検査は、身体の負担が少ない方法が選ばれます。問診では、「いつから」「どんなときに強くなるか」「寝ているときの様子」などを具体的に伝えると診断の助けになります。
治療
治療の基本は、原因となるアレルゲンを避けることと、症状を和らげる薬を上手に使うことです。医師や薬剤師の指導のもとで続けることが大切です。症状が軽い人は、生活習慣の工夫だけで落ち着くこともあります。
自宅でのセルフケア
- 寝るときは頭を少し高くして、鼻づまりをやわらげる
- 寝具を清潔に保ち、ダニ対策のために週1回はシーツや枕カバーを洗う
- ホコリを室内にためない(こまめに掃除し、加湿で乾燥を防ぐ)
- 花粉が飛ぶ季節は、外出時にマスクやメガネを使用する
- 寝室にペットを入れるのを控える
- 鼻を強くかみすぎないようにする
医療治療
治療には、市販薬や医師が処方する薬があります。抗ヒスタミン薬(アレルギー反応を抑える薬)、鼻づまりを和らげるスプレー、点鼻薬などがあり、症状に合わせて医師や薬剤師が適切なものをすすめます。重症でごく一部の場合には、アレルゲン免疫療法と呼ばれる、原因物質を少しずつ体に慣れさせる治療が行われることもあります。
手術が検討される場合
通常、軽症なら手術は必要ありません。しかし、鼻の形や副鼻腔の問題で薬が効きにくい場合、医師が手術を検討することがあります。これは専門的な治療なので、必ず耳鼻咽喉科の医師に相談しましょう。
この病気と共に生きる
アレルギー性鼻炎は、毎日の生活の中で症状が変わります。原因となるアレルゲンの量や天候、体調によって左右されるため、自分の症状が出やすい状況を知って予防することが助けになります。寝るときの姿勢や環境を整えるだけでも、かなり楽になることがあります。
生活習慣のアドバイス
- 起床後に布団を干したり、掃除機をかけて生活リズムをつくる
- 寝る前はぬるめのシャワーで、鼻から入った花粉やホコリを洗い流す
- 室内の湿度を40〜60%に保ち、乾燥を避ける
- バランスの良い食事と十分な睡眠で免疫の暴走を抑えやすくする
- 喫煙や過度の飲酒は避ける
食事と運動
特別に「これだけで鼻炎が治る」という食事はありません。ただし、規則正しい食事と軽い運動(ウォーキングやストレッチなど)は、体力を保ちストレスを減らすのに役立ちます。水分をしっかりとることも、鼻水を出しやすくするために大切です。
精神的健康と心の健康
睡眠不足や鼻づまりが続くと、イライラしたり、落ち込みやすくなったりすることがあります。また、夜間の息苦しさが不安を呼ぶこともあります。症状は自分だけのせいではないので、無理をしないでください。医療機関に相談すると気持ちが楽になることもあります。
予防
完全に予防することは難しいですが、症状を起こしにくくすることは十分に可能です。布団や枕にはアレルゲンを防ぐカバーを使う、掃除の頻度を増やす、寝るときの姿勢に注意するなど、回りの環境を整えることで発作を減らせます。
ワクチン
アレルギー性鼻炎に対する一般的なワクチンはありません。ただし、アレルゲン免疫療法(原因となるダニや花粉の成分を少しずつ体内に取り入れて、反応を弱める治療)は、根本的な体質改善を目指す治療として行われることがあります。これは医師の管理のもとで行います。
検診プログラム
特に集団検診のようなものはありませんが、アレルギー症状で困っている場合は、耳鼻咽喉科でアレルギーの検査を受けることができます。早めに相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 鼻づまりが続くと、副鼻腔炎(ちくのう症)になることがある
- 中耳炎や気管支炎を起こしやすくなる
- 睡眠時無呼吸(眠っている間に呼吸が止まりやすくなる状態)のリスクが高まる
- 集中力や記憶力の低下、学校・仕事の能率に影響が出る
- ぜんそくを持っている人では、ぜんそく発作が起こりやすくなる
長期的な見通し
アレルギー性鼻炎は、多くの場合、適切な治療と生活の工夫によって症状をしっかり抑えられます。横向きで寝るときに下の鼻がつまりやすいといった、つらい夜を工夫で減らせます。一度医師に相談して正しく診断してもらうことが、楽な毎日への近道です。焦らず根気よく続けましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。