新型コロナ感染後の運動再開 — 無理なく体力を取り戻すために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
新型コロナウイルスに感染した後の回復期に、運動をどのように再開し、体力を安全に取り戻すかについての情報です。感染後の体は、心臓や肺、筋肉などに負担がかかった状態が続くことがあり、運動の再開は体調に合わせて段階的に行うことが大切です。
重要な事実
- 感染後は、体が元通りになるまでに時間がかかることがあります。だるさや疲れは自然な回復の過程です。
- 運動は、感染前と同じ強度でいきなり再開するのではなく、体調に合わせて少しずつ進めることが大切です。
- 運動後にだるさや疲れが強く出る場合は、運動の量や強度を見直しましょう。無理をすると回復が遅れることがあります。
新型コロナに感染した人のうち、回復後も倦怠感や息切れなどの症状が続く方は少なくありません。特に運動後の疲労感は、後遺症の一つとして多くの方が経験します。
年齢や感染時の重症度に関係なく、誰にでも起こる可能性があります。基礎疾患がある方や感染時の症状が重かった方はリスクが高い傾向がありますが、軽症だった方にも起こることがあります。
症状
- 胸の強い痛みや圧迫感がある
- 息がとても苦しく、座っていても楽にならない
- 意識を失いそうになる、または意識がもうろうとする
- 顔や手足にしびれ、力が入らない部分がある
- 上記のような症状がある場合は、ためらわずに119番で救急車を呼んでください
- ⚠安静にしていても動悸や息切れがおさまらない
- ⚠運動後のめまいやふらつきが続く
- ⚠発熱がある
- ⚠痰(たん)に血が混じる
- ⚠このような症状がある場合は、当日中にかかりつけ医または地域の医療機関に相談してください
一般的な症状
- 運動後に強いだるさや疲労感が現れる(回復に時間がかかる)
- 息切れや動悸(どうき)を感じる
- めまいや立ちくらみがある
- 筋肉痛や関節の痛みが出る
- 集中力が続かない
子供の症状
- 運動した後に、いつもより強く疲れた様子を見せる
- 頭痛を訴える
- 遊んでいるときに息切れが目立つ
高齢者の症状
- 運動後の疲労が数日続く
- めまいやふらつきが出る
- 軽い運動でも息切れや動悸が強く感じられる
原因
主な原因
- 感染したウイルスに対する免疫反応や炎症が、回復後もしばらく続くこと
- 感染中の安静によって、心肺機能や筋肉量が低下していること
- ウイルスが心臓や肺に影響を与えることがあること
- 自律神経のバランスが乱れること
リスク要因
- 感染時の症状が重かった
- 糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある
- 長期間の安静を強いられた
- 感染前から運動習慣があまりなかった
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 運動中に胸の痛みや強い息切れを感じる
- 運動後に発熱や悪寒(おかん)がある
- 運動後の症状(だるさ・息切れなど)が2日以上続く
定期受診を予約すべき場合:
- 運動を再開してよいかどうか、事前に医師に確認したい
- 倦怠感や疲労感が数週間以上続いている
- 無理なく運動を進めるための具体的な方法を知りたい
診断
診察では、いつ感染したか、現在の症状、運動後にどんな反応が出るかを詳しく聞かれます。必要に応じて、心臓や肺の検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診・身体診察(心音や呼吸音の確認)
- 血液検査(炎症や貧血の有無など)
- 心電図(心臓のリズムを見る検査)
- 肺機能検査(呼吸の状態を見る検査)
診察で予想されること
特別な準備は必要ありません。ただし、運動した日付、運動の内容、その後の症状をメモしておくと、医師に状態を伝えやすくなります。
治療
回復期の運動では、「ペーシング」と呼ばれる活動量の調整が基本になります。体調を見ながら運動量を増やし、疲れが残っていれば休むというメリハリをつけることで、無理なく体力を取り戻すことができます。
自宅でのセルフケア
- 運動は、ウォーキングや軽いストレッチなど負荷の軽いものから始める
- 運動後の体調(だるさ・息切れの程度)を毎回記録する
- 疲れが残っている日は運動を休むか、半分の量に減らす
- 水分をこまめに取り、十分な睡眠を確保する
医療治療
医療機関では、症状に合わせてリハビリテーションの運動プログラムや呼吸の訓練などが提案されることがあります。症状が強い場合には、医師が薬の処方を検討することもありますが、使用する薬は医師の判断に委ねられます。
この病気と共に生きる
運動再開は「焦らず、少しずつ」が原則です。最初は5~10分の軽いウォーキングから始め、症状が出ない範囲で時間を延ばしていきましょう。大事なのは、毎日同じペースで続けることではなく、体の声を聞いて休むことです。
生活習慣のアドバイス
- 毎日十分な睡眠を取る
- 栄養バランスのよい食事を心がける(たんぱく質やビタミンを意識して)
- 喫煙や過度の飲酒を避ける
- ストレスを溜めないためのリラックスの時間を持つ
食事と運動
食事は体の回復を支える大切な要素です。特にたんぱく質(肉・魚・卵・豆類など)を意識して取り入れましょう。運動は最初は軽い歩行やストレッチから始め、体調が安定してきたら少しずつ時間や強度を上げていきます。
精神的健康と心の健康
「なかなか元に戻らない」と感じて不安になることは自然なことです。つらい気持ちや強い不安があるときは、一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話してみてください。気分の落ち込みが長く続く場合は、心の健康の専門家に相談することも大切です。
予防
新型コロナ感染を予防することが最も効果的です。また、感染後の運動は無理をせず段階的に進めることで、後遺症のリスクや運動中の事故を減らすことにつながります。
ワクチン
新型コロナワクチンは、感染や重症化を防ぐのに有効です。接種の時期や回数については、厚生労働省の情報やかかりつけ医にご相談ください。
合併症
治療しない場合
- 運動後の疲労感や倦怠感が長引き、日常生活に支障を来す(後遺症)
- 心臓の筋肉に炎症を起こす心筋炎などの合併症(まれ)
- 運動を避け続けることで、さらに体力や筋力が低下する
長期的な見通し
ほとんどの方は、無理のない運動を少しずつ続けることで、数週間から数か月の間に体力を取り戻すことができます。回復のペースは人それぞれです。あなたのペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
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