新型コロナ回復後に片側だけ症状があるとき
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった後、体の片側だけに症状が出ることがあります。ここでは、回復期に現れる片側のしびれ、痛み、動かしにくさなどについて、わかりやすく説明します。片側の突然の症状は、脳や血管のトラブルのサインである可能性もあるため、注意が必要です。
重要な事実
- 片側の症状は、筋肉や神経の問題のほか、まれに脳卒中などの重大な病気のサインであることがあります。
- 突然の症状には、ためらわずに119番通報や受診が必要です。
- 軽い症状でも、自己判断せずに医師に相談することが大切です。
新型コロナの後に片側だけの症状が起こる頻度は、はっきりとはわかっていません。しかし、感染後の後遺症としてしびれや痛みを経験する人は一定数いることが報告されています。
性別や年齢を問わず起こりえますが、重症で入院した人や、高血圧・糖尿病など持病がある人では、より注意が必要です。一方で、健康だった若い人にも起こることがあります。
症状
- 顔の片側が急に下がる
- 片方の腕・足に急に力が入らない
- 言葉がしゃべりにくい、相手の言葉が理解できない
- 突然の激しい頭痛がする
- 急に片側の視野が見えにくい、視力が低下した
- ⚠片側のしびれや痛みが続く
- ⚠片側の手足の動かしにくさが数日続く
- ⚠胸の痛みや息苦しさがある
- ⚠発熱をともなう片側の痛み
一般的な症状
- 片方の手足がしびれる、感覚がにぶい
- 片方の腕や足に力が入らない、動かしにくい
- 顔の片側が下がる、笑うと左右非対称
- 片側だけの痛み(胸、背中、腰など)
- 片側の目の見えにくさ、まぶたが下がる
子供の症状
- 子どもでは片側の痛みを訴えることがあります。言葉でうまく説明できない場合、触られるのを嫌がる、片方の手足を使わずに動かすなどのサインが見られることがあります。
- 発熱や発疹を伴う場合は医師に相談しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では、転倒や骨折のリスクがあるため、片側の筋力低下やふらつきに注意が必要です。
- 突然の症状は脳卒中の可能性があるため、すぐに119番に連絡することが大切です。
原因
主な原因
- 新型コロナ感染後の血液の凝固しやすさによる血栓(血のかたまり)
- ウイルスや免疫の反応による神経の炎症
- 長期間の安静による片側の筋力低下
- 感染時の重症化にともなう合併症の影響
リスク要因
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病がある方
- 感染中に入院や人工呼吸器の治療を受けた方
- 高齢の方
- 喫煙や運動不足など、血管の健康に影響する習慣がある方
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の症状がある場合は救急車を呼ぶ
- 症状が悪化している場合はすぐに受診
定期受診を予約すべき場合:
- 軽いしびれや痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診
- かかりつけ医に相談して、必要に応じて専門医を紹介してもらう
診断
医師は、まず症状の始まりや経過を詳しく聞きます。そのうえで、神経や血管の状態を調べるための検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症や血糖、凝固の状態を確認)
- 頭部CT・MRI検査(脳の血管や神経の状態を確認)
- 心電図・心臓超音波検査(心臓のリズムや構造を確認)
- 神経伝導検査(神経の働きを確認)
診察で予想されること
検査の結果にもよりますが、原因が血栓や脳卒中の場合は入院での治療が必要になることがあります。逆に、神経の炎症などであれば、外来で経過をみることも可能です。医師から結果と治療方針について説明があります。
治療
治療は、片側の症状を起こしている原因によって大きく異なります。突然の症状で救急搬送された場合は、まず脳卒中や血栓を見分けるための検査と治療が優先されます。
自宅でのセルフケア
- 体を休め、無理をしない
- 水分をしっかりとる
- 痛みやしびれが続く場合は、無理に動かさない
- 医師の指示に従って、少しずつ運動を再開する
医療治療
原因に応じた治療が行われます。例えば、血栓が原因の場合は血流をよくする治療、神経の炎症が原因の場合は炎症を抑える治療が検討されます。薬の種類や量は、患者さんの状態や持病にあわせて医師が決めます。リハビリテーション(運動療法や作業療法)も重要な治療の一つです。
手術が検討される場合
多くの場合、手術は必要ありません。ただし、脳内の血腫(血のかたまり)や動脈瘤など、まれに手術が必要な病気が見つかった場合は、担当医が詳しく説明したうえで治療方針を決めます。
この病気と共に生きる
回復のスピードは人によって異なります。焦らず、できることから少しずつ生活を戻していきましょう。片側の機能に不安がある場合は、杖や手すりなどの補助具を利用することも検討します。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠を十分にとる
- 禁煙や節酒など、血管に良い生活習慣を心がける
- ストレスをためすぎない
- 定期的に通院し、血圧・血糖・コレステロールを管理する
食事と運動
栄養バランスのよい食事を心がけ、塩分や脂質のとりすぎに注意しましょう。運動は、医師や理学療法士の指示に従い、無理のない範囲で行います。ウォーキングなどの有酸素運動は、血流をよくする助けになります。
精神的健康と心の健康
突然の症状や回復の不安は、こころにも影響を与えます。不安や落ち込みが続く場合も、一人で抱え込まずに医師や相談機関に話しましょう。
予防
すべての片側症状を予防することはできませんが、感染症の予防や持病の管理、健康的な生活習慣によってリスクを減らせる可能性があります。
ワクチン
新型コロナワクチンは、感染そのものの予防に加えて、重症化や一部の後遺症のリスクを下げることが報告されています。接種については、医師や自治体の案内を参考にしてください。
検診プログラム
特に定期的な検査はありませんが、高血圧や糖尿病などの持病がある方は、定期的に健康診断を受けて、血管のリスクを管理することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血)の場合、放置すると後遺症が残るリスクが高まる
- 血栓が肺に飛ぶと呼吸困難や命に関わることがある
- しびれや痛みが慢性化して生活の質が低下する
- 筋力低下が進み、転倒しやすくなる
長期的な見通し
原因や重症度によって経過はさまざまですが、早期に適切な治療やリハビリを受ければ、多くの方は症状の改善が期待できます。焦らずに、医師と一緒に回復に向けて進んでいくことが大切です。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。