発熱について(免疫と感染症)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
発熱は、体の免疫システムがウイルスや細菌などの感染と戦うときに起こる反応で、体温が通常より高くなる状態です。病気そのものではなく、かぜやインフルエンザなどの病気の症状のひとつです。
重要な事実
- 発熱は多くの場合、感染症が原因で起こります。
- 一般的に、わきの下で37.5度以上あると発熱とみなされます。
- 発熱は体が感染と戦っている証拠で、むやみに下げる必要はありません。
- 原因となる病気を治療することが、発熱を治す近道になります。
発熱は最もありふれた健康症状のひとつで、どの年代でも日常的に見られます。日本では、医療機関を受診する理由としても上位に入ります。
免疫がまだ発達していない小さな子どもや、加齢で免疫が弱った高齢者は特に発熱しやすくなります。また、慢性疾患がある方や免疫力が低下している方も注意が必要です。
症状
- 意識がぼんやりする、呼びかけに反応しない
- 呼吸が苦しそう、息が荒い
- けいれんが止まらない
- 首が硬く、激しい頭痛を伴う
- 皮膚に赤紫の斑点(点状出血)が現れ、押しても消えない
- ⚠生後3か月未満の赤ちゃんの発熱
- ⚠水分が取れず、脱水が疑われる(尿が少ない、唇が乾くなど)
- ⚠高熱が3日以上続く
- ⚠免疫力が低下している方(がん治療中、ステロイド服用中など)の発熱
一般的な症状
- 体温の上昇(わきの下で37.5度以上)
- 寒気・悪寒(ふるえ)
- 汗をかく
- 筋肉や関節の痛み
- だるさ・倦怠感
子供の症状
- ぐずる、機嫌が悪い
- いつもより元気がない・ぐったりする
- 泣き続ける
- 水分を飲みたがらない
- 熱性けいれん(発熱に伴うけいれん)を起こすこともある
高齢者の症状
- 体温が上がりにくく、高熱にならないこともある
- ぼんやりする・意識がはっきりしない
- 食欲が落ちる
- 足腰が弱って転倒しやすくなる
原因
主な原因
- ウイルス感染(かぜ、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など)
- 細菌感染(肺炎、尿路感染症、咽頭炎など)
- 炎症性疾患(関節リウマチなどの自己免疫疾患)
- 薬剤による発熱
- ワクチン接種後の反応
リスク要因
- 免疫力が低下している(高齢、乳幼児、慢性疾患、免疫抑制薬の使用など)
- 疲労や睡眠不足が続いている
- 季節性の感染症が流行している時期
- 集団生活をしている(学校、職場、施設など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱(39度以上)が続く
- 発熱とともに強い頭痛・首の痛み・嘔吐がある
- 発疹が現れた
- 呼吸が苦しくなってきた
- 意識がもうろうとする
定期受診を予約すべき場合:
- 微熱(37.5度前後)が数日続く
- かぜのような症状が長引く
- 発熱の原因を知りたい・確認したい
- 仕事や学校を休む目安がほしい
診断
医師は問診(いつからどんな症状があるか、渡航歴や周囲の人の体調など)と診察を行い、必要に応じて検査をします。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症の程度や白血球の数を調べる)
- 胸部X線検査
- のどや痰、尿などの培養検査(原因の細菌を調べる)
診察で予想されること
診察では、体温や脈拍、呼吸の状態を確認します。問診では、発熱が始まった日時、熱の出方、他の症状、最近の外出や接触歴などを聞かれます。痛みを伴う検査はほとんどなく、結果が出るまで数時間から1日程度かかることがあります。
治療
発熱の治療は、原因となっている病気への治療と、つらい症状を和らげる対症療法に分かれます。多くの感染症では、自宅での安静と水分補給で自然に回復します。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息を取り、体を温めすぎない(薄着で室内を快適な温度に)
- こまめに水分を取る(水、白湯、経口補水液など)
- 氷枕や冷たいタオルで頭やわきの下を冷やすと楽になることがある
- 消化のよいものを少しずつ食べる(無理に食べる必要はない)
- 熱が下がるまで仕事や学校は休む
医療治療
医師は原因に合わせて治療を行います。細菌感染が疑われる場合は抗生物質が処方されることがありますが、ウイルス感染には抗生物質は効きません。解熱薬は、つらい症状を一時的に和らげるために使われることがありますが、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。この記事では具体的な薬剤名や用量は示しません。
手術が検討される場合
発熱そのものに手術が必要になることはほとんどありません。ただし、発熱の原因が虫垂炎(盲腸)など外科的な病気の場合は、その病気に対する手術が行われることがあります。
この病気と共に生きる
発熱中は無理をせず、横になって休むことが大切です。体力を消耗しないように、家事や仕事は控え、回復に専念しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 手洗い・うがいをこまめに行う
- バランスのよい食事を心がける
- 十分な睡眠を取る
- 室内の湿度を保つ(加湿器や濡れタオルで50〜60%の湿度に)
食事と運動
発熱中は胃に負担の少ないおかゆやうどん、スープなどを少しずつ食べ、水分を多めに取りましょう。運動は熱が下がってから数日待って、体力が戻ってきたら軽い散歩から再開するのが安心です。
精神的健康と心の健康
発熱が長引くと「本当に治るのか」と不安になることもあります。無理に気を張らず、家族や友人に気持ちを話したり、静かな音楽を聞いたりしてリラックスする時間を作りましょう。
予防
すべての発熱を予防することはできませんが、感染症による発熱は、手洗い・うがい・マスク着用・換気などの基本的な対策で予防できることが多くあります。
ワクチン
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなど、予防接種で防げる感染症もあります。日本の予防接種スケジュールについては、厚生労働省のガイドラインをご確認いただき、かかりつけ医と相談してください。
合併症
治療しない場合
- 脱水(特に高齢者や小児で起こりやすい)
- 熱性けいれん(生後6か月から5歳までの子どもに多い)
- 敗血症(細菌が血液中に入り全身に広がる重い感染症)
- 基礎疾患の悪化(心臓病や呼吸器疾患など)
長期的な見通し
多くの発熱は原因となる病気が治れば、数日以内に改善します。適切な医療を受けることで、重い合併症を防ぐことができます。熱が出たときは「無理をしない」ことが何より大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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